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CresteajuのSwitchリマスター、20年ぶりの衝撃と感動を今更ながら語り倒し。

2020年9月、CresteajuのSwitchリマスター版リリース。

発売から半年近くも経ってからこんな記事を出すのは時期外れと言われても仕方ないですが、今更ながらリマスター化を知って一心不乱にプレイした元オタクの戯言と思ってください。

20年前のリアルタイム時に「AMEL BROAT」「Cresteaju」にドはまりして何周も繰り返しプレイし、公式サイト(さくらやまスクエア)や多数のファンサイトに毎日入り浸るレベルで惚れこんでいました。
プレイすればするほど、キャラの際立った個性、シリアスと笑いが程よくミックスされつつも伏線回収が見事な物語展開、戦術システムの巧みさ、そして心の奥底までじんわり染み渡る素敵なBGMにぐいぐい惹かれていく一方でした。
キャラと物語にのめり込んだ勢いで、劇中のキャラの掛け合いや未来予想などを色々と勝手に妄想したり、「もしキャラに声が付いたらこんな感じなのかな」と想像したりなど、どこからどう見ても完全にオタクそのものでしたね、当時の自分は。
さくらやまスクエアが閉鎖された時は本当に悲しかったけど、こんなに素敵な作品を世に出してくれて有り難うとひたすら作者のShouさんに感謝しきりでした。

それがまさか、20年後にSwitchリマスター化でまさかの商業作として世に再び出るなんて…! あまりの予想外すぎる展開にただただ呆然とするばかりです。
自分はSwitchを元々持っておらずTwitterもしておらず、そもそもゲーム自体から離れ気味だったので、リマスター化の報が出た9月時点では全くそれを知る機会がなく、結局リマスター化を知ったのは2021年2月に入ってから、ふと思い立ってCresで検索をしたのがきっかけでした。

「Switch版「Cresteaju」が9月17日に発売」
この文面を見た時はマジで目を疑いましたし、あまりにも意外過ぎて本気で心臓止まりそうでしたよ…!

物凄く可愛らしく描かれたキービジュアルのルナンやみんなの姿に見惚れながらも、恐る恐るPVにアクセスして「ルナンが…ディザが…サヴィアーが…みんなが喋ってる…!!」と、20年前に夢物語として想像していた光景が現実のものになった衝撃で、頭が真っ白になるばかりでした。
しかも新規シナリオやクリア後要素もがっつり追加されているということで、これは是が非でもプレイしなければならないと気持ちは昂るばかり。もはや自分には一片の迷いもありませんでした。

この情報を得たのはたまたま休日の前夜だったので、翌日の午前中に即行で近隣の電気屋に駆け込んでSwitch本体とプリペイドカードを購入。まさかCresがきっかけでSwitch購入に踏み切ることになるとは思いもよりませんでしたよ自分…。
(折角なので、興味のあるタイトルのゲームが見つかったら機会を見ておいおい買っていこうと思います)

ネットサーフィンしてみたら、リマスター化発表の時には物凄い衝撃がファンの間に伝ったようで、Cresに寄せる熱い思いをたくさん目にできて幸せな気分になりました。その一方で、自分もリアルタイムで衝動のままに叫びたかったな、何で半年近くも情報収集が遅れたんだよ自分、と歯噛みしたくなる気持ちも少し残っています。
ただ多分、リアルタイムでリマスター化を知ってたら、発売までずっと気もそぞろな状態になってまともに仕事出来なかったでしょうから、これはこれで結果オーライだったのかもしれません。(後は9月時点だとSwitch本体が品薄ですぐ手に入る保証もなかったと思います)



で、一心不乱のプレイでトゥルーエンドまで辿り着いてからの感想。

いや、本当に面白かったです!! 20年の時を経てより洗練された形で令和のインディーゲーム完成形に進化したと言い切って差支えないでしょう。
自分と同じように20年前にCresにのめり込んでいた人は買って損はないと断言できます。3,000円以上の価値は間違いなくあります。

まず特筆すべきは、物語の展開に応じて細かく変わるメニュー画面のパーティイラストでしょう。

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ただ顔グライラストを刷新したのではなく、パーティの写真という形でキャラの編成状況を示す手法は本当に目から鱗でした。この一枚の写真だけで、酔い潰されてふらふらな二人を涼しい顔で引っ張るサヴィアーの掛け声や、ユミ姐さんを姉御として慕う女性陣を呆れ顔で見送るディザの溜息といった、パーティの雰囲気や交わされる会話が生き生きとプレイヤーに伝わってきますし。
願わくば過去のパーティイラストを見返せる機能が欲しかったけど実装されてないので、これからプレイする人はこまめにメニューを確認してスクショを撮っておくことを推奨します、本気で。(撮り忘れがなければ確か全部で31種類あります。すごい…)

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剛毛頭の分を加味してもサヴィアーの方がディザより身長が明確に高かったのも意外でしたね。
あとユミ姐さんの白服も、20年間ずっと科学者の白衣っぽいものをイメージしていましたが意外や意外、お洒落で綺麗なドレス風の服でしたね。しかも全体的にとてもお美しい顔立ちに描かれていますし。
それからサヴィアーとシンディの服、めっちゃ意匠凝ってて手が込んでるなと思わず感嘆。彼らの二次イラスト描く場合はデザインの再現がなかなか大変かも。

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マークス防衛線後~ゼビアマインまでの三人パーティ時の写真は個人的に三本指に入る大好きな写真です。三人ともめっちゃ幸せそうな顔で笑ってる…! 恐らくはアルシアでの一コマなんでしょうね。スクショ見返してはニマニマしてます。


そしてボイス実装ですが、ストーリー中の声付き台詞はキャラの初登場シーンや作中の重要ポイントのみですが、個人的には全員イメージに近い声を当ててもらっていましたので、とても自然に聞くことができました。
戦闘中のイベント会話は例外なく声付きで話すので臨場感がより増しますし、個人的には降神祭でのあの衝撃シーンがムービーになったうえに一言だけど声が入ったのに感激しました…!

後は戦闘中のキャラの掛け合いのバリエーションが本当に細かく豊富で、一度この掛け合いに慣れてしまうとオリジナル版で声がないのがどうにも物足りなく思えてきます。
誰かを回復するときにはちゃんと相手の名前を呼んでくれますし、相手毎にテンションが微妙に変わってくるのも聞いてて楽しいです。(ディザがナックを回復させる時は過保護モードになってたり。後はサヴィアー→シンディとユミ→男性陣の回復声はマジで必聴もの)
いつか自分用にボイス一覧作りたいなと思ってますが、めっちゃバリエーション豊富なので網羅にはかなり時間がかかりそうで怖いです(笑)

それから、ライゼル師匠とクレイシヴという凄まじく両極端なキャラを同じ声優さんが演じていたのも驚きでした…よく聞いたら確かに同じ声優さんだと分かりますが、声優さん自身もギャップの凄さに困惑したかもしれないですね。

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追加シナリオについては、中盤のサヴィアー別行動時のシナリオはストーリーの流れに実に自然に沿う形で、オリジナルではやや描写に乏しかったサヴィアー×シンディ要素やエターナル関係の背景など、20年前から見たかったことを色々補強してくれて有難かったです。
あんな芸当はルナンたちでは絶対できなかったですし、別行動中のサヴィアーでなければ実現できない展開でしたから。
終盤の追加イベントやクリア後の追加シナリオも、詳細はネタバレになるので触れませんが、諸々の疑問点を解決してくれたことに感謝しきりですし、ルナンが本当に運命を壊すためにはこのエクストラボスの撃破は必須だと納得できるボスでした…本当に強くて大変でしたけど。

あと、本当に嬉しかったのはラスダン出現後にライゼル・シンディ・ユミの誰かを5人目のパーティメンバーとして追加できることと、それに伴って3人のステータスや習得魔法、必殺技に大幅な見直しが入って強くなったことです。
シンディなんかオリジナルでは必殺技一つだけでしたからね…追加された技の名前がAMELのルーシーさんの技だというのも、旧来ファンへのサービスそのものですし。彼女がパーティにいるだけでサヴィアーに自動的にエクステンドがかかる仕様は最初見た時は爆笑しました(笑)
ちなみに自分はラスボスとの因縁云々を考慮して、一切迷わずにユミを連れていきました。魔法めっちゃ強くなってたから色々助けられました…おかげでオリジナルではあんなに苦労していたラスボスの変身前撃破も楽にこなせましたし。


総合的に見て、20年来のファン視点では非常に満足この上ないリマスターでした。
台詞は飲酒のCERO絡み以外は変更がなく、BGMも戦闘システムも敵キャラのグラフィックもそのまま変わらず、オリジナルの良い味を最大限に生かしつつ全体的なブラッシュアップに成功した作品と言えるでしょう。
(唯一不満だったのは、セーブの個数がオリジナルと全く変更なく16個止まりだったことです…オリジナル版の頃からせめて50個は欲しかったので、これを機に拡充してほしかったです)

20年前にCresにハマった人は、例え私のように出遅れてもいい。ぜひ何らかのきっかけでCresのことを思い出して、このSwitchリマスターに辿り着いてほしいです。20年前に心を動かした物語は、時を超えてなお色鮮やかに輝き続けているのだと知ってほしいと心底思います。

原作者のShouさん、コンシューマ化というファンの夢を現実のものにしてくださったPLiCyのディレクターさん、開発に携わられた多くのスタッフの皆様に、一プレイヤーとして改めて感謝を捧げたいと思います。本当に有り難うございました!