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実話怪談の実証性

#実話怪談
#実証性

実話怪談ジャンルの
先駆者は中山市朗先生。

先生の著書『新耳袋』で
実話系怪談という、
言葉が使われたのが
実話怪談の祖と言われる。

私自身も『怪異談』という
実話怪談を上梓、
私の著書の中では
桁違いの売上を記録し、
実話怪談ブームの
根強さを感じている。

さて、私を含む
多くの人達が
或る1つの疑問を
持っているだろう。

其は『実話怪談の実証性』
についてである。

私自身も多くの方々から
怪異体験談をお聞きし、
其を元に本を執筆した。

勿論その多くはご自身の
体験談だが中には第三者の
体験談の又聞き怪談もある。

又、御本人の体験であっても
多くは幼少期等遥か昔の事で
本人の記憶も曖昧箇所もある。

すると思い出補正が働く為に
実際の体験よりも誇張表現となる。

更には体験談を話す際に
暈すべき物を持つ人もいる。

すると話は少し歪曲し真実からは
僅かながら遠ざかる事になる。

そうなってくると果たして実話怪談の
実証性は何処まで証明されるのか?と
言う壁にぶち当たる。

全ての方の体験談に勿論嘘偽りはない。
だがその体験自体にバイアスが掛かり、
真実を暈している可能性は否定出来ず。

人は恐怖すると
記憶を一時的に閉じ、
封印してしまう機能がある。

其を時の経過と共に封印を解き、
語る際には事実とは多少異なる部分が
出てくる事も暫しである。

実際、或る方の
心霊体験を取材した際、
同じ体験をされた方の話と
擦り合わせると噛み合わない
箇所が出てくる。

之が思い出補正における弊害。

そう考えてみると
怪談執筆者でありながら
実話怪談の実証性を証明する事の
難しさを痛感する次第である。

結局の所信じるしか他にないが
結論となってしまうのであるが。

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