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日記hibi/ 2019/3/4〜3/10

2019年3月4日(月)
 目を覚ますと当たり前だが日本で、感覚的には“ワープ”という感じで、どこでもドアみたいに扉を、シートベルトを締めたら、即日本、で寝ぼけまなこで時計を直し、iPhoneのsimを入れ替えるともう完全にいつもの日本だった。早朝に着いた飛行機で、まだ始発電車もバスも出ていないのでしばらく空港内のカフェに入って、コーヒーを飲む。台湾で昨日飲んだコーヒーのほうがおいしい。松村さんと二人で、今週のしごとのタスクやら進捗やらを共有しあって、それからぼくは電車で、松村さんはバスで空港を出る。家に帰ってもまだ早朝で、相方は寝ていたのでぼくは着の身着のままで隣に寝転がって、ぐっすり寝た。

 洗濯機を回してから、事務所に向かって月初の経理資料を作ったりして過ごす。営業日でいうと二日、事務所を離れているし月末なので片付ける書類は多いのだけれど、台湾でも普通にメールを返していたので、そういうタスク的なものは全く溜まっていない。地続きの日常。いや、溜めていたといえばアニメで、週末に見ているジョジョのアニメを夜に見て、台湾帰りで財布の紐がゆるくなっていたのかどうか、急に思い立って六部のストーンオーシャンのコミックスを電子でまとめて買う。そのまますぐ読む。便利だ。

2019年3月5日(火)
 メールは溜まっていなかったが、出荷は溜まっていた。ぜんぜん地続きの日常ではなかった。事務所の前にまずはHAB向かう。ついでに、とコフィノワに入り、コーヒーを飲みながら朝ごはんも食べる。こんにちはー、とやってきた女性は近隣でお店を経営しているようで、コフィノワの人と週末どうでした? ダメでした、ずっと雨で……、と話している。この週末がずっと雨だったことをぼくは知らない。台湾の土曜日は晴れで、日曜日は雨だった。ぜんぜん地続きの日常ではなかった。

 久しぶりの事務所で引き続き月初の処理。月末の処理を早めにやって、月初の処理を遅めにやっている。だからなんだという話なのだけれど、両方作業時間を圧縮せざる得ないので、ただただわたわたしている。

 『本の未来を探す旅台北』は結局台湾まで持っていったけれどぜんぶは読めなかった。だからなぜか台湾から帰ってきてからまた読んでいる。一編読んだら、今度はiPadを取り出してジョジョの続きを読む。便利だが、漫画の比率がどんどん上がっていって、結局帰りの電車ではジョジョばかり読んでいた。

 台湾出発からの不調が帰国して一晩寝ても良くならない。動けない程ではない漠然とした不調。

2019年3月6日(水)
 相方は午前中に病院に行く。ぼくは普段どおり事務所に行く。もう帰国三日目だと普通に過ごすような感じになる。「百書店」の企画申し込みが台湾にいる間に終了したので、確定した人とその選書をまとめていく。ちょっと、個人的な好き嫌いによって、ぼくが好きかどうかはこの百書店企画には関係がないのだけれど、どうしてもぼくの店で連絡したくない直取引の本があって、それだけは竹田くんに無理を言って仕入をお願いすることにした。自分でもなんでだろうと思うし、こんなことはほとんどないのだけれど、ダメなものはダメだった。

 昨日にTwitter経由で急に出ることになった、B&Bの、これも穴埋め的に急にきまった台湾の書店を報告するイベントで、内沼さんと話す事になったのだけれど、内沼さんはめっちゃしっかり準備してくれる人なのでぼくはとくに話すこともなく、うんうん頷いて夜を越えていく。台湾は楽しかった、と改めて反芻するだけの結果になる。さっき連絡をしたばかりの竹田くんも来ているので、すまんね、と言う。

2019年3月7日(木)
 午前中の定例の打ち合わせのあとに、百書店で選書された本を、引き続き仕分けて仕分けて注文して。2月中の申し込みで先に発注していた本で、注文保留や事故、というな出荷ナシ回答だったものに、改めて電話注文していく。この、システム発注では届かないが電話ならそこそこ届く、というあいまいな感じがいつまでも電話注文がなくならない原因だと思うのだけれど、どうなのか。曖昧で手動な感じは嫌いではないけれど、発注は違うんじゃないかと思っていると、いま保留中でいつ何冊出荷できるかわかりませんけどとりあえず注文は受けます、みたいな謎回答を口頭でいただき、それ全く意味がないのではっきりしてくださいこっちはイベントで期日までに欲しいか間に合わないならいらないんです、というとこちらでは判断できないんで、とどうしようもないことを言うので、というか、判断できない人を電話口にいさせちゃいけないが、理屈は正しくてもアルバイトでおそらく雇われているだけであろうおばちゃんに過度なプレッシャーを与えるのも申し訳なく、しかしこちらはこちらで本と明確な回答を求めているので、結局、この状態でいまあなたが電話を受けている意味があるのか、とキツめに問うと営業部に回すのでもう一回同じ説明をしてくださいというので、回され、話し、渋られ、語り、それで冊数と搬入日の確約を得た。営業部は営業部で、すべて自分で問い合わせを請け負う気概がないのであれば、たかが数部のための調整出荷なんかしないほうがいいと思うのだけれど、規模が大きくなってわけがわからないうちにそういうシステムに慣れてしまっているのだろうと思うと、理解はするけれども、納得はしないという感じで、ぼくは自分の裁量を超えるような取扱量になるときには、明確な、平等というよりかはそのルールの上では公平な、出荷ルールを決めればいいのにと思っているから、もしそうなったならHABはきっとそうする。そんな取扱量はしばらく訪れないわけだが。

 18時ごろに事務所近くのお店から、在庫なくなりそうなので追加お願いします、とメールが来て、わー行きます行きますと、20時ごろから20冊の本をダンボールに入れてカートで引きながら歩いて納品に行く。そのまま、帰りはダンボールをもって帰ってきて、事務所にあったHABで仕入れた本をしまいなおしてからまたカートに乗せて家に帰る。常に本を運んでいる。こういうくらいでぼくの身の丈にはちょうどいい。

2019年3月8日(金)
 粛々と家でしごとをして、合間にジョジョを読んでいる。メールを返す、ジョジョ。百書店大賞の冊子デザインをする、ジョジョ。納品のやり取りをする、ジョジョ。からのジョジョ。出荷のためにHABに向かって、そこにはiPadは持っていかない。ジョジョロス。

 出荷作業を終えて、その足でお台場に向かう。移動中はジョジョを離れ、冊子の校正をしていく。内田彩さんというか、うっちーのライブ。わりとずっと行きたい行きたいと言っていたのだけれど、抽選に外れたり土日の店番とかぶったりしているうちにだいぶ日々が経過してしまっていて。しかし今回友だちが余分にチケットが取れてなおかつライブ日が平日という奇跡的マッチングによって本日が訪れ、たのしくすごして、うっちーのソロはホント好きで、こう、ファースト・アルバムのロックな感じが、特に好きなんです、好き。好きだなぁ、よかった。
 μ’sのメンバーにはいつも一方ならぬ思い入れを抱いている。

 家に帰ってきてすぐに赤字の修正をInDesignに反映させる。切り替え。

2019年3月9日(土)
 昨日の夜、遅く帰ってきてなおかつ作業もして、と寝るのが遅かったわりには、早め、といっても8:30に起き、今日は土曜日なのでと、久しぶりに“時間がわかった上で”二度寝することにした。目覚ましに気づかず二度寝することはしょっちゅうあるが意図的に寝るのはめったになく、それはもう今週ずっと続いている不調で、寝れるときに寝ないとまた本格的に風邪をひく、という意識が働いているからで、だったら早く寝ればいいところではあるのだけれど、そこはなんだかいろいろやってしまうので、こうして朝眠りについている。ついたが、しかしそれでも9時過ぎには起床し、勤勉にコーヒーを入れて洗濯機を回す。快晴。東京はずいぶんと久しぶりにしっかり晴れたのだろうか、先週ぼくが台湾にいる間はずっと雨だったと、コフィノワでも、相方からも聞いていたので、週末という意味では、久しぶりのお出かけ日和という感じなのだろうと思って、意気揚々と、先日もって帰ってきたダンボールをキャリーで引きながら店に向かった。

 店につくと、わかってはいたことなのだけれど、ダンボールが散乱しており、それは先週奇跡的に受け取ることができた荷物群で、店についてからはひたすら品出しに終始することになる、と思っていると、オープン直後に数名のお客さんがいらっしゃり、急に混み合うことになった。床にもデスクにも本とダンボールが散乱していて何だか申し訳なく思いながら片付けたり、お話したりとばたばたしていて、それは13時ごろには落ち着いたため、この間にと一生懸命本を片付け片付けして、それでなんとかなったかなと思うとすでに時間は15時半となっていた。この間の来客0人。なんなら売上は最初に来てくださった方のうちのお一人のみで、それはそれはたいへん閑散とした一日となっていたようだった。久しぶりの快晴とは。こんなに誰も来ていないのに、品出しにそれなりの時間がかかってしまってたこともことさら堪えて、なんだこれ、なんだ、今日はもうダメなのか、となにか力が抜けてしまって、ipadを取り出して、あとちょっととなっていたジョジョを読み始めて、面白かった、6部、とても面白かった、と読み終わると16時半。すでに何かを諦める気持ちで、InDesignを開き、冊子のデータをいじっているとお一人、のち二人組のかたがいらっしゃり、特に二人組の男女は、こんな狭い店なのに別れてそれぞれ個別に本を見てくださっていて、それはなんだかとても好ましいものとして写り、いい気分になっていると、みなさま本を買ってくださり、運命に感謝した。

「運命」はやはり……このわたしに「試練」を与え「味方」してくれるようだ
エミリオ・プッチ(『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン 文庫版11巻)

 そうするとすぐに17時はやってきて閉店の時間となったものの、作業の区切りが悪かったのでそのままInDesignをいじることにすると、閉店後の時間におふたりの方が上がってくださり、それでぼくも急いではいなかったのでそのままお通しし、お一人の方は本も買ってくださった。運命に感謝。

 帰ったあとは、相方との用事をすませ、それからはパチパチとデータを作って、なんとか冊子の校正を参加者のみなさまにお送りする。

2019年3月10日(日)
 終わらないパーティが始まっている感じがあって、ずっとInDesignをいじっている。校正の反映、レイアウトの調整、もろもろもろもろ。
 店開け、お客さんいらっしゃり、友だちと友だち。偶然同時に来たお客さん同士を紹介してわちゃわちゃするなど、珍しくコミュニケーションが活発に行われる。ぼくは作業をもろもろもろもろ。
 家に帰ってもずっとInDesignで、もろもろも………眠。

 台湾で、本屋さんからもらったビールグラス、台湾はこのサイズがデフォルト、と言われた日本だと小さい部類のグラスでビールを飲む。ぼくには、ぬるくならない間に飲めるちょうどいい量、がサーブされるサイズのようでまた台湾にいったらたくさん買ってこようと思って、しばらくは訪れない未来に思いを馳せる。ちいさなグラスとビール、くらいしかいま余裕、というか、余暇を感じる瞬間がない。体調が悪い。


#READING 『本の未来を探す旅 台北』(内沼晋太郎、 綾女欣伸 著、朝日出版社)
#READING 『ジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャン』(荒木飛呂彦 著、集英社)

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