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姫鯛のカルパッチョ

日曜の朝に目覚めたら、三崎のMP(ミサキプレッソ)に行きたいと、神のお告げかなにかがふっと降りてきた。

黄色い看板にMPって書いている。白髪のおじさん。古くて狭い店内だけどめちゃくちゃ美味しいフランス料理が出てくる。 BGMはかもめ合唱団の少女たちの唄。かわいい声、でも歌詞は悲しい。姫鯛のカルパッチョを頼む。人がそんなに入れないのに、なぜかお客さんが活気づいている。

姫鯛のカルパッチョを頼み、食べる。これだって思った。仕事で忙しくて、ここ2ヶ月は特にお昼ご飯をちゃんと食べれなかった。食事がおろそかになっていて、唇にヘルペスもできた。ちゃんと美味しいものを食べて、生きていることを実感する。人は美味しいものを食べるために生きている。

最近、マザー2をニンテンドースウィッチでやってるんだけど、「ムの修行」というのがある。

もう…プー王子!お前の心に、じかに問い掛けることしかできなくなってしまった。
もはやお前には心しか残っておらぬ。
最後に心を奪いとるが、それだけはお前にも許せまい?
はて…返事もできぬ?動くこともできぬのか?
かなしいか。さみしいか。つらいか。せつないか。
心を奪われたなら、悲しみさえも失うのだぞ。良いのか?!心を奪いとるぞ!

ムの修行

心を奪われたなら、悲しみさえも失うのだぞ。なんの感情も抱かなくなったら、生きてないのと一緒なんだ。悲しい感情は心をチクっとするけれど、それが無くなってしまうことは勿体無いことだ。悲しみの中に愛があり、怒りがあり、いろんな感情がマーブル模様のように揺れ動いている。それをただ目を瞑って、観ればよい。無理矢理、消さなくてもいい。

春の陽のひかりが、肌にじんわりあたり、癒してくれる。そんな中で悲しみを味わうのもまたいいだろう。感情が動いているのもまた人間だから。