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別行動が一番平和

車で夢の国に着いた。少しでも長く夢の国にいられるように先に妻と子供たちをおろす。彼は少し離れた駐車場で車を停める。シャトルバスに乗って夢の国に向かう。

夢の国に着いた。でも彼は合流しない。基本的に別行動である。入場口には変わったお土産屋がある。Tシャツやグッズを物色する。その後、お目当てのショーにいく。子どもたちは興味がなく飽きてしまうので、一人で観た方がいい。

アーティストが叩く太鼓のリズムに、身体が自然に揺れる。音楽は、頭ではなく、肉体に直接コミュニケーションしているようだ。言語化できない音に、肉体が喜んでいる。みんな、日常では着ない柄や色の服を着ている。特に意味はない。人間はどこまでも自由であり、人間は元来そういうものであることを教えてくれる。

一方、夢の国のどこかで娘はメリーゴーランドに乗らない。ただでさえ乗れるものが少ないのに、乗りたがらない。その代わり、柵につかみ、音楽にあわせて、ぶらんぶらんしている。

設計されて決まった通りに動く安全が保証されたアトラクションだけが、おもしろいわけじゃない。むしろ自分の見方しだいで、いつでもどこでもアトラクションになる。

みんなが別行動をして満足している。みんなが満足している様子を見るのが、妻は嬉しいようだ。自分のやりたいこと我慢していないか聞いてみたが、周りが満足しているのが自分は満足しているらしい。「そういう女性って意外と多いのよ」と妻は言った。

逆に普段近すぎると、お互いを干渉しあって喧嘩になってしまう。距離が近いからといって仲が良いとは限らない。自分たちにとって、別行動で好きな事をやっているからこそ、結果、お互いのことを尊重できる。

別行動が一番平和だ。
自分の幸せを一番で選択したらいい。