「帰省自粛期間のお盆休みに考えた」~おばあちゃんがつくった折り紙の箱を新しい形で伝える~
お盆休みはというと、実家に帰省し親戚の家でゆっくりし、お墓参りをし地元の友達と過ごす時間が普通だった。
今年のお盆休みは夏の楽しみ事が一つ消えたような気がしたが、帰省しなくてもできることはあるだろうと考えていた。
おばあちゃんがつくるいつもの箱
おばあちゃんの家に行くと毎度お菓子を出してくれるが、その時にお皿に盛るのではなく、新聞やちらしを折って箱をつくって出してくれていた。
8月10日 おばあちゃん作
この手軽に折り紙のように手渡せる箱は、自分にとって当たり前の出来事となっていた。
この自分が当たり前とする日常体験を、他人にとっての新しい体験に変換できないだろうか。
この箱を構成する材料が手元にあり、つくり方さえ知っていれば誰もがすぐに実践できることだろう。しかし、お菓子を入れる箱をつくるだけでは普段体験できないものにはなり得ない。
箱が箱らしくものを収納する機能だけでなく、収納する箱がアートになる。リュックになる。チェアになる。デスクになる…
単体でも機能するが箱同士を組み合わせることによって、好きな時に好きな使い方が出来る箱の方が愛着が沸く。
家でつくった箱が外に飛び出し、人と触れ合うきっかけになったり、その人なりの気付きを得て新しい体験をつくり出す存在になれば良いなと考えた。
紙で継手の箱をつくる
思い描く体験を実装するために、今回は試作品をつくってみることにした。
材料は古紙を原料とした板紙を使用した。
手軽に箱同士を組み合わせるために、特別な金物を使用しない(*)継手という手法を取り入れることにした。
*継手
木造建築において、材木の長さを増すため、材を継ぎ足すときに使われる手法。又はその接合部のこと。
今回は、パーツを紙から切り出し貼り合わせることにした。
複雑な折り目の中にものを置き、
扉を開くと物が置けるようになっている。
同様の形を二つ組み合わせると、ベッドサイドに置く位のテーブルにもなり得る。
今後実証実験として、自分の好きなものを印刷した紙で風景を継ぐアートをつくり出したり、
リュックとして持ち歩き、出先でデスクやチェアにして小休憩したりする等、集まる人の数によってつくり出されるプロダクトの幅、可能性が広がる事を目指していく。
家の中で誰もが手軽につくり出せるものが、家の外での活動も豊かにする。自分が当たり前とする日常体験を共有し、新しい形で体現していきたい。
共に誰かとつくっていくための励みになります!!