誰かおれにVtuberにハマる方法を教えてほしい

10/21追記:解決しました!!!!!!!!!ありがとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

よくきたな、おれはハバネロだ。
今日はネットミームから生まれた百人一首ではなく、いわゆるオタクお気持ち表明にぶんるいされるであろう話をする。

はじめに言っておくと、俺はこの手のお気持ち表明が嫌いだし、よもや俺自身がゴールデン・ボンバの代表曲のような女々しさに満ちた文章を書く日が来るとは思わなかった。
しかし、この手のお気持ち表明は匿名で可能な限り怯懦な書き方をするのがお作法とも聞く。一方どちらかといえばこのテクストは、どうにもならない愚痴というよりは、現状を鑑みてどうしたらいいかわからんので助けてくれというSOSである。
つまりこれは誰かに読まれることを意図しないベンジョ=グラフティアートではなく、一縷の望みを託してネットの海に放流するボトルレターであると言って良い。
もしこの文章を読んでおれの助けになろうという人がいたら、コメントでもTwitterでも良いのでお返事をいただけると泣いて喜ぶ。

さて、おれがなににそんなに困っているのかというと、表題に書いたとおりである。

Vtuberにハマれないのだ。

こいつはなにを言い出したのだ?と思ったそこのお前は正しい。
ハマれないならハマれなくても良いじゃないか。
それもそうだ。

だが、おれは悔しいのだ。
おれのすぐ近くでなにかすごく面白いことが起こっているのに、そこにうまく入り込めないことが。

それに、Vtuberに熱狂しているフォロワはみんな幸せそうだ。
隣のピッチが青々として見えるだけ?たしかにコルネリャ=エル・プラットに集うエスパニョールサポがスター煌くカンプ・ノウを指を咥えて見てるような……そういうものかもしれない。
ただ、おれは数多くの沼に飛び込んできた沼人(ヌ=マンチュ)として、そこに深くハマれないことがどうしようも無く悔しいのだ。

さて、これまでを振り返ると、おれがVtuberにハマるチャンスは三度ほどあったと思う。
逸らした決定機を数えるなど無駄だとクリスチアノ・ロナウドに笑われそうだが、あえてそうする。

一度目は樋口楓、通称でろーんが人気を博し始めた頃だ。
名将ガスペリーニのもと快進撃をつづけるアタランタで中盤を任されていそうな愛称を持つ彼女は、Vtuber事務所の二強であるにじさんじ(もうひとつはホロライブというらしい。バルサとマドリーのようなものなのだろう)のエース格である。
銀髪ポニーテールでやや中性的な顔立ち、そしてハスキーな声にがらっぱちな関西弁の喋りと、かなりおれの好みに合致していたのでチャンネル登録した。

二度目は今年の春、Vtuberの間でシャニマス配信が流行り出した頃合いである。
おれはご存知の通り、聖蹟桜ヶ丘というメキシコでアイドルをプロデュースすること2年半になろうとしている。現状アイマスの5ブランドの中でもおれがトップクラスにしんすいしているコンテンツだ。それが流行ったことはとても嬉しかった。おれの目からも、CIAのごときオタク=観察眼を持つ「委員長」こと月ノ美兎の配信はめちゃくちゃ面白かった。


また、おれと同じく有栖川夏葉担である雪城眞尋=サンの配信も好んで見ていたので、二人のチャンネルに入った。

三度目は今年の夏、にじさんじ甲子園が開催されたときの話だ。
おれはサッカー側のにんげんだと思われているかもしれないが、野球も好きである。6人のVtuberがパワプロでシノギ-deadpool-を削った熱い夏の二日間は、控えめに言って最高だった。笑いあり、涙ありのドラマが繰り広げられた素晴らしい時間だった。それに敬意を表して大会主催である舞元=サンのチャンネルに入った。

三度ともチャンネルに登録してるではないか、と言われるとそうなのだが、そこから視聴が続かないのである。
深堀りしてハマっていくことができない。

いいじゃんと思ってチャンネル登録してみても、チャンネルに並ぶ1時間とか2時間越えのアーカイブを見て途方に暮れるばかりだ。
「切り抜きを見ろ!!」とウォーボーイズめいたアドバイスもされるのだが、切り抜きとなるといよいよたくさんあっちこちに溢れかえっており、どれを見て良いのか困ってしまう。
つまるところ、チャンネルに登録してもそこから次の一歩を踏み出す方向が皆目わからないのである。

この「次にどこを見るべきか」に加えて「何に注目するべきか」ということもわからないでいる。
自慢にならないことは承知でいうが、おれがハマった沼の数はもはや両手両足の指では足りない。
さて、そんなおれの経験則ではどんなジャンル、推しでもちゅうもくすべきポイントがある。スポーツなら選手のプレーや戦術に、アニメなら作画に演出や脚本、役者なら演技に、アーティストなら作品に……といった具合に。
では、Vtuberのちゅうもくポイントとはなんだろう?
彼/彼女らの活動はあまりに多岐に渡る。なににフォーカスを定めたらよいのかまったくわからないのだ。賢明なる読者しょくんは、ここでVtuberといえばゲーム実況を思い浮かべるだろう。さいきんだとapexとか落下ガイズとかが人気だと思う。
これはおれの咎だが、おれはオタクでありながらコンシューマ・ゲームというものに縁が薄い。マインクラフトは地雷除去ゲームだと思っていたほどだ。
最後にやったのはポケモンXYだと記憶している。二世代前の立派な化石だ。復元したらオムナイトとかができるだろう。
そしてそもそもゲーム実況というジャンルにも疎い。長年「他人のプレイ眺めててなにがおもろいねん」とおれは思っていたし、ニコ動やYoutubeで実況プレイが流行る中、おれはそれに背を向けて動画編集ソフトに中間点をうちこむばかりだった。ようやく最近、丸岡和佳奈のゲームでカンパイ!を見て面白さを理解し始めたところだ。
ともかく、Vtuberのメインコンテンツであるゲーム実況の「味わい」をおれは十全に楽しむだけの味覚がまだないのだ。
したがってゲーム実況は避けて他の企画を……と思うとタイミングが合わなかったりし、あとに残るのは膨大なアーカイヴの群れである。

こんな感じで、ほんとうにどうしたらいいか困っている。
おれはVtuberにハマりたいのだ。彼ら、彼女らと同じ時代、同じ時間を共有しておきながら、その熱狂を享受することなく取りこぼしていることが狂いそうなほど悔しいのだ。

……ムーブメントと同じ時代に生きているということは得難い奇跡である。
たとえばおれは、クイーンのライブを記録映像や映画でしかみたことがない。おれが物心つくかつかないかのころ、偉大なるフレディはメイド・イン・ヘブンしてしまった。あるいは岡田・掛布・バースのバックスクリーン三連発の話を親父から聞かされるたび、幼少期のおれはくやしかった。
おなじように、今を生きるボーイズ&ガールズは「涼宮ハルヒの憂鬱」がオタク界に引き起こした激震をしらないだろうし、イスタンブールの地でリバプールが当時最強を誇ったミラン相手に奇跡の勝利を成し遂げたチャンピオンズリーグ決勝のことも「歴史」だろう。下手したら、おれが大学時代死ぬほどハマった「けいおん!」ですらそうかもしれない。ちょっと泣きたい。
……話がおおきくそれたが、その時に在るものは、当然だがその時にしか味わえない。あとから後悔したってフレディは黄泉のフチから帰ってこない。そんなことを思いながら、俺の目の前でVtuberがなにかすごいことをやっており、その沼は日々どんどん拡大しているのにも関わらず、泳ぎ方が分からずに歯噛みしているのを、最近ほんとうに悩んでいるのだ。

もっともおおきな問題は、オタクはいそがしい人種であるということに尽きる。
この文章を読んでいる諸君も、程度の差はあれ、日々アニメを見たり創作したりガチャを回したり推しに狂ったりと忙しい日々を過ごしているだろう。
そんな中でVtuberに熱狂する方法が、おれにはわからないでいる。しかしフォロワを見ていると、いろいろ忙しそうなのに推しの配信を見て心ぴょんぴょんしていたりするので、なおのことわからない。

なのでこの文章を読んでいる誰かにお願いだ。おれにVtuberムーブメントの熱狂を体感する方法をどうか伝授してくれまいか。一日五分くらいから無理なく出来るやつが良い。急にトレーニングを初めて負荷をかけすぎるのは良くないと有栖川夏葉も言っている。
おれはこれ以上、すばらしいと思われる何かが、おれの不徳のせいで目の前を素通りしていくのに耐えきれないでいる。
おれのフォロワたちは、沼に引きずり込むことにかけては一騎当千のエキスパートだと信じている。だからそんな誰かにこの文章が届くことを信じて、そしてその誰かがおれを救ってくれることを信じて、このどうしようもない文章をそろそろ終わりにしたいと思う。

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