私と「あなた」が重なった瞬間〜虹ヶ咲5thライブCDCS公演総括〜

皆様こんにちは。トキメキ足りてますか?ハバネロです。
トキメキ足りてますか?って書いて、アイビスサマーダッシュでトキメキ買ったら買ってないビリーバーの方が来たのを思い出して頭痛がしました。それは置いといて。

先日開催された「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会5th Live! 虹が咲く場所 Colorful Dreams! Colorful Smiles!公演」に両日現地で参加してきました。長いので以下5thCDCS公演とします。
一言でまとめると「最高」しかないですし、個々の曲や全体のここが良かったよって感想は14日(水)21:30から、いつものメンバーとニコニコ生放送をやる予定です。
したがって、ここでは自分にとって5th有明公演はどういう意味のあるライブだったかをメインに書いていきたいと思います。

■私と「あなた」と虹ヶ咲、その距離の変遷

さて、結論から先に述べてしまいましょう。
私は今回のライブを経て、ようやく自分が「あなた」の一人であるという実感を得ました。
改めて言語化してもよくわかんねえので、ちょっとずつ整理をしていきたいと思います。

まずは虹ヶ咲における「あなた」という概念について。
虹ヶ咲学園スクールアイドルというコンテンツは、アプリゲーム「ラブライブ!スクールアイドルールスターズ」(以下スクスタと表記)から出発しました。ゲーム中でプレイヤーの分身となるキャラクターは「あなた」と呼ばれます。
そしてTVアニメ1期の放映にあたり、スクスタにおける「あなた」のポジションにあるキャラクターとして設定されたのが「高咲侑」という存在でした。
私はアニメ1期を途中から見始めて虹ヶ咲の世界に飛び込んでいったのですが、そのへんの経緯は以前こちらの記事に書きました。

さて、私にとっての虹ヶ咲はアニメの世界がベースであったり、スマホの容量問題等があり、虹ヶ咲にハマり始めた当初はスクスタをやろう!という方向には行きませんでした。したがって、当時の私と「あなた」という概念と間に接点はまだありません。
そもそも、まだ虹ヶ咲というコンテンツとの距離感を測りかねていた部分があります。アニメはめちゃくちゃ面白かったし、楽曲も素晴らしい。ではそこからどこまで踏み込むのか?あえて硬い言い方をすると、当時の私は虹ヶ咲というコンテンツに対する当事者意識がかなり薄かったと思います。

その潮目が変わったのは2021年5月に開催された3rdライブ。アニメ1期をベースにした構成となったこのライブを、私は配信で視聴しました。
現地に行かなかった理由は、当時の私にそこまで虹ヶ咲というコンテンツに対する情熱がないと思っていたこと、同じ月にアイマスのライブを控えていたこと、社会情勢の問題等色々です。
3rdライブは配信で観ても掛け値なしに素晴らしかったです。ただ素晴らしかったがゆえに、現地に行く選択をしなかったことを後悔しました。
ある意味ここで感じた「悔い」が、今の私の原動力になっているのですが、これが5thCDCS公演において、かなり大きな意味を持つことになりました。
(※それについては次のところで詳しく書くので一旦割愛します)

その年経験を経た9月、DiverDivaユニットファンミライブDay1に現地参加して生のライブパフォーマンスのやばさを体感し、年が明けてスマホを機種変したのを機にスクスタをプレイし始め、地元関西での開催となった4thライブに両日参加し……と、徐々に虹ヶ咲というコンテンツとの距離感が縮まっていきました。
そして何より大きかったのが、4月から始まったアニメ2期を三ヶ月間リアルタイムで完走したことです。
アニメもスクスタも基本的に後追いから始まった私が、おそらく初めてリアルタイムで虹ヶ咲というコンテンツの動きと並走していた時間だったと思います。。
毎週放送前の生放送からパソコン前で待機して、地上波同時配信を視聴し、終わったらしょうひらさんたちと集まって感想生放送をやり、ワンフレ同好会を見てこじまりさんのブログを読んでニコ生配信でおさらいをしたら、次の土曜日の放送を待ち……そんなサイクルで過ごした三ヶ月でした。

「同好会、まだ始めて半年ちょっとだけど、想像以上に楽しくて充実した時間だったわ」

TVアニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」2期11話「過去・未来・イマ」より

奇しくもそのときの感情は、私の推しである果林が劇中で語ったセリフとシンクロします。本当に、想像以上に楽しくて充実した時間だったと思います。
そしてそんなアニメ2期の最後を飾ったのが、他でもない東京ガーデンシアターを舞台とした同好会のファーストライブでした。5thライブでOPテーマのタイトルを冠して、かつこの場所で公演するということは、間違いなくアニメの内容を反映したものになるはず。
私は地方の人間ゆえ、両方の公演で現地を踏むのは体力的にもお財布的にも厳しい。では有明と武蔵野、どちらに行くべきか。その答えはもう、私の中で決まっていました。

■ガーデンシアターという場所と、アニメ準拠のライブという因縁の話

さて、今回の5thCDCS公演は、舞台に立つキャストのみなさんにとっても、それを見る私にとっても、ある意味因縁に対する復讐戦、リターンマッチの様相になったと思います。

いきなりなんか物騒な響きになりましたが、まずはガーデンシアターという場所と虹ヶ咲の因縁について説明しておきましょう。
虹ヶ咲の聖地・お台場にある東京ガーデンシアターは、2020年9月に開催された2ndライブの会場でした。ですが、折からのコロナ禍にあって2ndライブは無観客配信での開催となってしまいます。アニメで高咲侑役を矢野妃菜喜さんが務めると発表されたのも2ndライブでした。(ここらへんは実体験ではないので伝聞で申し訳ないのですが)
アニメの始まりの地でありながら、キャストの皆さんにとっては悔しい思い出の残る地にもなっていたのです。5th初日の挨拶でも、色々な人から「この場所をいい思い出で上書きできてよかった」というような言葉が語られました。
また、ガーデンシアターは昨年開催されたユニットファンミーティングの会場でもありました(※QU4RTZのみ幕張メッセイベントホールにて開催)。
このファンミーティングでコンセプトを決定した楽曲たちは、それぞれアニメに合わせてリリースされたユニットシングルのB面曲(※「4SEASONS」「恋するMAGIC」「Poker face&お願い!Fairy」)として収録されています。今回の公演は、去年ここで決めたことの成果を発表する場としての意味もあったわけです。
従って、この場所でライブをやるということは、キャスト陣にとって、「ここ二年分の因縁や課題を清算する」という意味がどうしても乗っかってきます。

そしてステージに立つキャストの皆さんだけではなく、私にとってもまた、5thCDCS公演はリターンマッチの意味を持っていました。先程書いた、同じくアニメ準拠のライブだった3rdに現地参加できなかった後悔に起因するものです。
3rdライブでも特に、アニメの流れを追体験させたうえで、矢野妃菜喜さんによるピアノ演奏のおまけ付きでブチ込まれた『夢がここからはじまるよ』は、ネットで散々擦られている「どうしてこんな処にいる」の画像と同じ気持ちになるには十分すぎるほどでした。
あのとき現地で出来なかったアニメの追体験をする。そのことに対する期待と覚悟をもって、私は今回の公演に参加することになりました。

■追体験がもたらした、私は「あなた」であるという感覚

そうして臨んだ5thCDCS公演ですが、その強い思い(from『翠いカナリア』)は十分すぎるほどに報われることになりました。
詳しい感想はあえてここでは書きませんが、アニメ2期1話の映像が流れる中で『Eutopia』が流れ出すのを待つ期待感ではち切れそうな時間や、『繚乱!ビクトリーロード』でのキャスト陣の凄まじい暴れっぷりは深く印象に刻みつけられました。

そんな中で私にとって一番クリティカルだったのは、2期13話におけるファーストライブの流れを完全再現したブロックです。
初日、ファーストライブのロゴがいきなり画面に現れたときの衝撃と来たら、思わず声が漏れたほどでした。披露される楽曲も、もちろん会場もアニメの中で見たものと全く同じ。あのとき東京ガーデンシアターにいた人達はみな、劇中のファーストライブの中にいたことになると言っていいでしょう。
アイマスをはじめ色々なライブを観てきた私ですが、完全に自分がフィクションの中に入っているような感覚を味わったのは、これが初めてでした。

極めつけは、ソロメドレーが終わって矢野妃菜喜さんがアリーナの後ろから登場したところです。観客席を通ってステージに向かっていくのも、そこで語られた言葉も一言一句同じでした。この瞬間、完全に私たちは同好会のファーストライブを訪れた人間として、侑ちゃんの言葉を受け取っていたのです。
その時ふと思いました。
ステージでパフォーマンスを披露するとか、観客席に居るとか関係なく、ここにいる全員が「あなた」であり、"スクールアイドル"なのだ、と。

高咲侑はステージに立つことはないけれど、誰かにトキメキを届ける存在としての"スクールアイドル"である。このことは、2期の大きなテーマでもありました。
また、スクスタではアイドルエキシビジョンのPV撮影を通して、虹ヶ咲の生徒全員が学校の代表であり"スクールアイドル”であるという結論にいたっています。
つまり、大好きなことや夢を持って頑張っている人間は皆"スクールアイドル"である、ということになります。
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会というコンテンツは、ステージに立つ人間だけでなく、それを応援する人や、全く別のことを頑張っている人間にも"スクールアイドル"という定義を適用できると主張しているわけです。

……正直に言えば、私自身はその概念に対してどこか懐疑的な部分がありました。
ところで、おそらく私の周囲にいる人たちは、私のことをハマったら一直線に沼に突っ込んでいく素直なオタクだと捉えていると思います。ただ実際は、先述した通りどういう距離感でコンテンツと付き合っていくべきかとか結構悩むタイプの人間でもあります。
加えて私はアニメから虹ヶ咲に入った人間であり、「あなた」のポジションに収まっているのは「私」というプレイヤーの分身ではなく、「高咲侑」であるという思いが強いほうです。スクスタではゲーム中の「あなた」の呼び名を設定できるのですが、普通に「侑」にしてますし。
ただ、スクスタにおける「あなた」とアニメにおける「高咲侑」は明確に異なるキャラクターでもあります。
そして今更書くまでもないと思うのですが、「私」という人間と「あなた」も絶対に同じではありません。私は学校なんて卒業してずいぶん経つし、輝いてるのはデコぐらいのもんです。日々いろんなもの(※最近は主に馬とか)にときめいてはいますが……

ここで急に話題が変わるのですが、アニメ2期4話では愛さんのお姉さん的存在である美里さんというキャラクターが登場しました。病気で夢や普通の学校生活を諦めて半ば抜け殻のように過ごしていた彼女は、愛と果林によるDiverDivaのライブを見て、新たな夢や目標を得て進んでいきます。
DiverDiva回なので果林が大きな役割を果たすエピソードでもあるのですが、それ以上に私はこの話にめちゃくちゃ救われてると思います。大人だからどうだとか、もう遅いとかなくて、何かをやりたいとか、何かが好きだという気持ちは止めなくて良いんだと言われた気がしたのです。
もうひとつ、アニメ2期で印象的だったのは栞子メインの7話でした。適正という言葉で己のやりたいこと、好きなことに鍵をかけていた栞子がスクールアイドルとして歩みだすエピソードです。そこで披露された『EMOTION』の2番の歌詞にある「大好きなものは大好きなんだ」というフレーズ。これめちゃくちゃ口にだすのに勇気のいる言葉じゃないですか?
世代によって異なる「オタク」という概念の許容度の多寡も根底にあると思うのですが、私は骨の髄までオタクでありながら、それにどこかコンプレックスを抱えている感覚が抜けきれません。加えて、アイマス畑の人間であるがゆえに「ラブライブが好き」ということにもちょっとしたコンプレックスがあります。今では信じられないと思うのですが、μ's全盛の頃なんかは、アイマスとラブライブの対立煽りみたいなのが本当にあったので……。
ただ、アニメ2期のそうした諸々を経た上で、今回5thに参加して自分と同じようにアイドルマスターもラブライブも好きだという人と話す機会があったりしたことで、ようやくそうしたコンプレックスからちょっと楽になった感覚があります。なんかどうしても色々細かいことを考えてしまう人間なのですが、そんな事気にしないで楽しんだら良いんだよと同好会のみんなが言ってくれたように感じたのです。

「同好会を始めてから楽しいことばっかりで、こんな幸せでいいのかなって。でもね、これってきっと特別なことじゃないんだと思う!みんなだってそうだよ!」

TVアニメ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」2期13話「響け!ときめき――」より

だからこそ、会場で受け取った13話の侑ちゃんのこのセリフは、自分の中にあるものとして受け取ることができました。
虹ヶ咲に出会ってから楽しいことがたくさんありました。でもきっとそれは私だけでなくて、ここにいるみんな――ステージ上のキャストの皆さんも、観客席で応援する私達も、関わった人達すべてがそうなんじゃないか?と思えました。
これはまさに、好きなことや夢を持っている人みんなが"スクールアイドル"であるという概念そのものと言えるのではないでしょうか。
その瞬間、ようやく虹ヶ咲というコンテンツに対して「当事者」になれたというか、ずっと別のものであった「あなた」という概念と、「私」という人間がニアリーイコールで結ばれたような気がしたのです。
そうして見た『Future Parade』から、13話と同じように「次はあなたの番!」と託された『夢が僕らの太陽さ』には、めちゃくちゃ差されました。そしてアンコール後のブロック、果林役の久保田さんががセンターポジションで始まった『Hurray Hurray』の美しさは、三年生組が好きで果林推しで2期11話がめちゃくちゃ好きな人間として、永遠に忘れられない風景になったと思います。2日目に背景が夕暮れのレインボーブリッジになってるのに気づいてアホみたいに泣きました。

こうして、かつて3rdで出来なかったこと、ずっと心のどこかで抱えていたものをきれいに清算して、私は5thCDCS公演を走り抜けました。
それは同時に、私の中にあった虹ヶ咲に対する「大好き」という感情が、思った以上に大きいものであることを確認する時間でもありました。
この情熱がいつまで続くのか、そしてその行き着く先がどうなるかはまだ全然わかりません。ある日突然「もういいや」ってなる可能性もゼロじゃないと思います。
でも、今は、「どこに向かうかまだわからないけど、面白そうな未来が待ってる」と信じて、楽しんでいけたら良いなと思っています。
さしあたって次のNEXT TOKIMEKI公演は配信でしっかり楽しみたいと思いますし、2月のDiverDivaユニットライブも参加したいですね(アイマス等他コンテンツとのイベントかぶりだけは勘弁してくれよな……まだそっちの日程が分かんないの怖すぎるんだが……)
あと個人的な目標として、もう少し虹ヶ咲が好きな人との接点を増やしていきたい、というのがあります。基本的に「何かを楽しむのって究極的には一人でも出来る」という思想で生きているのですが、この二日間虹ヶ咲関連で増えたフォロワーさんや初対面の方と話す機会が結構あり、思ったよりそれが楽しかったもので……(マジでこの辺は色々あって縮こまってた部分がだいぶあります。いい年こいて細かいことを考えすぎるタイプのビビりなので……)

そんな感じで、思ったより自分にとってデカい意味のあるライブになったな、という話でした。アニメ準拠のライブとしてはだいぶやりきった二日間だったと思うんですが、来週武蔵森で何やるんですかね……?

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