オカルトチックな初見が上手い理論

音ゲーにおいて、初見が上手いとは稀によくありますよね。
この記事ではそんなところにフォーカスしてみたものなのですが、結論から言ってしまうと初見以外が下手になっているから相対的評価として初見が上手いと思ってしまうのです。

そのように考えた理由を解説します。

1,受動意識仮説


リベットの実験という脳科学分野の実験結果から、人間の脳は行動しようと意識する以前に無意識が行動しようとする脳波(準備脳波)を起こしている、という事が判りました。

一般的には、人間は意識の中で意思決定や行動をしていると感じていると思います。
しかし、この受動意識仮説では無意識が現実の認知と反射を行なっていて、意識はそれを俯瞰する形で見ているものとされているのです。

これを分かりやすく私的解釈しなおすと、
•無意識は言語化されない運動単位を発する
•意識は言語化された運動単位を発する

となりました。

以降はこの二つの解釈を頭に入れて読んでください。


2,無意識


まずは、無意識は言語化されないマクロな運動単位を発する、について説明します。

例えば、歩く時、箸を持つ時、スマホで文字を打つ時、個人差はあるのですがある程度の年齢の人間はこういった時に行動の内容を意識する事はないと思います。

簡単にいうと、歩くときには右左の足の動きを考えていないという事です。箸を持つときに手の形を考えないと言う事です。フリック入力するときに文字の位置を考えないと言う事です。
これは後に意識の解説でも話します

まとめると
無意識は考えることなく行動できるのです。人間は無意識で動く事が理想とも言えるものなのです。


3,意識


まずは、意識は言語化されたマクロな運動単位を発する、について説明します。

先程、人間が歩くときは無意識を使っていて、理想は全てが無意識だとまとめました。しかし、全ての動作を無意識でできるほどの人間はいないでしょう。そこで、意識なのです。

手本を見て、解釈して、自分のリズムで運動単位を出せるのが意識なのです。人間は赤ん坊の頃からこれを繰り返して、無意識で出来ることを増やしてきたのです。
無意識で出来ないことも、意識の中で出来るようにさえなれば可能というわけですね。

タイコでなら、難所の切り抜きを暇なときに何度も繋げば、いずれは無意識でも繋ぐ事ができるでしょう。

まとめると
意識は考えて行動するためにあります。今出来ないことを試行錯誤して出来るようになる為にある機能と言えます。

4,意識にはラグがある


行動を起こす際での無意識と意識の違いは、言語化のステップを踏んでるかどうかです。
そして、無意識は現実世界をリアルタイムで認知反射してるのですが、意識はその後に発生しているので、無意識でやっていることに意識を重ねようとすると脳内で時間の遡及(つまりバグ)が起こります。

例えば歩いてるとき
無意識の脳波が足に歩かせている最中に、意識の脳波で足を右左と言語化して現実世界に反射しようとしても、スムーズに動かすのは難易度が高いです。その上、行進のように出した足の逆手を交互に振ろうなんてやろうとするのは、練習したことない人間なら誰だって頭がバグります。

現実世界に同期している無意識と、同期していない意識はオフセットがずれているので、合わせるためのリズム感覚が必要なのです。

実際の生活ではこのような意識のラグなどは問題ないですが、スポーツやゲームでは多々困らされると思います。

このラグを知っておくと、正しい練習方法の考え方もわかります。

例えば、
反射速度のトレーニングは慣れと言われています。それは、無意識を使って動作を反射するのが一番速いからなのです。

他には、「〇〇に集中しろ」という意味は、〇〇に意識を使ってやれということなので、それが上手く出来た後も意識するのを続けるのでは無く、いずれは集中しないで出来るようにならないといけないとかだったり。

また、意識は常に脳内で多少の言語化をおこなっています。それは勿論、無意識のパフォーマンスに影響しているので、動作に慣れた後に意図して意識を弱める事が、本当の集中力になると考えます。
そして、スポーツで言われる所謂「ゾーン」は、この極限を指していると思います。頭に言語が飛び交わない状態こそが理想のゾーンです


5,初見以外が下手の正体


初見ではプレイ中に”意識”するほどの事前情報が殆どありません。
しかし、その後のプレイでは意識してしまう情報が増えると思います。

初見以降は、配色や配置を意識してしまって、本来出来る事が出来なくなることが起こってしまうのです。(フィジカルの調子は万全として考えてます) 

その逆で、意識の中でしか処理できない配置は、その後に上手く意識するだろうから、初見以降が上手くなるでしょう。

こう考えると、初見での結果は、その時の本来の無意識の実力が出そうです。
まあ、上手い下手は相対的な評価なので気にしなくても生きていけますけど、競技をやってたりで評価を気にしたい人は、意識の使い方から見直すと成長しやすいかもですね。

6,最後に


最近意識に興味があって考えてた事をまとめたかったので記事にしました!
途中でゾーンの名前を出しましたけど、無意識は自身の本来のパフォーマンスと関係してて、意識は成長と密接に関係してると思います。まだ粗い言語化しかできてないので、みんなも考えて、教えて!
長々と読んでくれて、マジでありがとうございます

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