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SKY-HIに愛と感謝を

※個人の感想・考察になります。

SKY-HI主催のボーイズグループオーディション''THE FIRST" 。デビューメンバー結果発表の前夜を過ごしているわたしです。

2020年9月に行われたSKY-HI 無料オンラインライブ"実家ワンマン"で発表されたBMSG設立とボーイズオーディションの開催。約半年後にTHEFIRSTは始まりました。

私自身、他のオーディション番組の類は視聴したことはなく、虹プロジェクト、produce101などはこの番組が始まることの予習として少し頭に入れたくらいでした。

始まったのは4月。AAAが15年の活動に一旦休止宣言をした後のことで、その後のメンバーの活動は気になっていたし、応援しようと思っていたので特に深い思いはなく自然に見始めました。
しかし、回を追うごとに私は感情が揺さぶられ不思議な気持ちを持つようになりました。SKY-HIから滲み出る音楽への愛、グループへの敬意。そこにはただのオーディション番組ではない、彼の音楽人生の軌跡があったのです。

THEFIRST はTwitterで異常なほどの盛り上がりを見せていました。その中でもボーイズと並んで賞賛されていたのは主催者のSKY-HI。つい数ヶ月前では考えられないほどの世間の認知のスピードに驚いた心境が当時の率直な感想でした。

『地上波で放送されるのってこんなにすごいの?』
私はとにかくびっくりしてしまいました。今まで感じたことのない大きな波の中に自分がいるようで、溺れないように必死になっていました。
たくさんのクエスチョンが自分の頭の中で消化されない中で、Twitterの機能を使いこんなアンケートをとってみました。

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このような結果になったのですが、大体思っていた通りだなと思った反面、AAAやSKY-HIのファンが思いの外少なく現実は厳しいなと再確認しました。
同じようにSKY-HI公式YouTubeを観ると、"今までSKY-HIを知らなかった、このオーディションで初めて知った"とコメントしている方が沢山います。このアンケートで、地上波の力とSNSの拡散力を改めて知ることが出来て興味深い結果でした。SKY-HIの人間力やアーティストとしての技術の高さ、確立された音楽性、素晴らしい器量の持ち主ということが世間に認知されたのは紛れもなく嬉しく、また元々SKY-HI、日高君のファンだった方はより感慨深かったでしょう。

AAA含めてSKY-HIの認知度合いを改めて痛感したものの、嬉しい気付きもありました。
THE FIRSTがこんなにもドキュメンタリーとして素晴らしいものになったのは、世間一般にはこの認知だったにも関わらずSKY-HIの元でデビューしたいと思い、THE FIRSTへ応募した沢山のボーイズのおかげでもあったと。
特に3次審査に進んだ15人は、元々の技術力や歌唱力は去ることながら、皆華やかでいて、人間性も素晴らしく、音楽を愛している、心から応援したくなる子たちでした。そんなボーイズがSKY-HIの掲げた信念の元に集まったのは、やはりSKY-HIの音楽性やアーティストとしての考え方に共感した結果。自分の魂を預けると言っても過言ではないオーディションにTHE FIRSTを選んだことは、SKY-HIが大切にしてきた音楽への情熱を証明することに繋がったのです。

AAAの世間でのイメージはどんなものでしょう?私のようなファンのフィルターを外せば、悲しいことにマイナスなイメージしか持たない人もいるのかもしれません。実際に私の周りにはそのようなイメージでしかAAAを認識してない人は沢山いました。

このTHE FIRSTが始まりSKY-HIの人となりや、周りに集まる協力的なプロの面々を通して、私は報われたような不思議な気持ちになりました。私が今まで応援してきた彼らへ感じる思いは間違いなかったんだと。

特に合宿審査に突入して、クオリティやアーティシズムの部分をプロという土俵に上げるための様々なトレーニングを通して、SKY-HI自身がアーティストとして全ての面において基準が高いことは証明されたと思います。それはAAAメンバーも同じ熱量がなければやっていけないという証明にも繋がるのでは?あまり地上波ではお目にかかれない、ゲスト出演したw-inds. 、Da-iCE、ちゃんみなにも同じことが言えるのだと思います。

SKY-HIは常々、このオーディションはボーイズの育成プログラムである、と発言していましたが、地上波を通して音楽業界のしくみや、業界のグレーな部分への問題提起、そしてひとりのアーティストがどのようにして本当の意味でのプロに成長していくのか、そんなことを画面の向こうの私たちへ間接的伝えていた、いわば視聴者の育成プログラムでもあったのではないかと思います。

SKY-HIもインタビューで語っていましたが、現代はSNSがメディアの入り口として台頭しています。個人が発信して、受け手側もそれを選び取るという、好きなものを自らチョイスしていく時代になりました。
しかし、やはりそれではどうしても取りこぼしがある。YouTubeを見ても再生回数の多いものが上に上がってくるわけであるし、そもそも人気ランキングを見て、"これが流行ってるなら聴いてみよう"という動作が一般的な状況で、自分が本当に心を揺さぶられる音楽に出逢うことはとても難しいことなのかもしれません。
それにTHE FIRSTを追うきっかけになった人たちの6割がテレビからという結果をみても、(このアンケートの結果だけなので一概には言えませんが)地上波から情報をキャッチしている層が思いの外、一定以上にあるというのも事実なのです。
テレビは様々な情報を私たちに提供してくれますが、星の数ほどの中から選別された一握りの結果であり、ほんの一部分に過ぎません。
私たちはどれだけ選別されたものを受け取っていて、必ずしもそれが正解ではない、ということを頭の片隅に置きながら生活するべきなのかもしれません。それが全て正解と受け入れ、思考を止めることは一番危ないことです。何事にも通じます。

露出が少ない為に上記に挙げたアーティストの世間での認知は一般的にみると低いのかもしれません。
しかし、目に見える機会、耳にする機会が少ないだけで、音楽ファーストなアーティストは沢山いるということをSKY-HIが身を持って証明してくれたことが素直に嬉しかった。本当に感謝しています。
それがテレビを通してというのがなんとも皮肉なのですがね。

そして、このTHEFIRST を見続けて感じるのは
AAAがこれまで築いてきた音楽への軌跡を感じること。SKY-HIがボーイズ達に投げかける言葉の端々に自らが歩んできたグループでの自分を投影しているんではないかと感じるのです。

SKY-HIが一貫してボーイズに伝えているのは、才能を魅せたいために音楽を使うのではなく、音楽を魅せたいために才能を使ってほしいという音楽ファーストの理念。相手に伝える音楽。音楽へ誠実であること。
そして、関わる全ての人にリスペクトと愛を持つこと。

この言葉を何回聞いたのでしょう。そんな言葉たちを耳にするたびに彼に重なるようにAAAのメンバーを感じるのです。

アーティシズムの定義では、ステージに立ったときに自分がどういう人間であるかを証明できる表現力、個性、オリジナリティを見せることができるのか。声色や身体の可動域すべてを通しての音楽性を表現できるのか?

グループ審査では、自分の才能を殺さずにグループに生かせるか、自分のエゴイズムを出すけれどグループを殺さないでいられるか。他のメンバーがパフォーマンスでスポットライトに当たることを喜ぶ心、音楽を一緒に鳴らす仲間を愛する心を持てるかどうか?

クリエイティブ審査では、音楽と近くなってほしいという名目のもと、自らが音楽を創り出すことの素晴らしさや産みの苦しみ、メンバーを頼りメンバーに頼られることでの信頼の構築をボーイズに説いてきました。

合宿終盤では、クオリティの精度をより高めるため、アーティストとしての基礎に立ち返り、私たち視聴者が普段目にすることのない、ボイストレーニングの風景、その方法やテクニック、身体作りの重要さなどを改めて教えてくれました。


2012年、777ツアーに臨むAAAメンバーの言葉を引用します。
ちょうどクリエイティブ審査と同じように自分たちでライブ構成を作っているドキュメンタリー映像があるのですが、まだ荒削りの彼らも当時は同じような思いを感じながら、自分たちの音楽性を表現しようとしていました。

他のメンバーの得意な部分を見ることが刺激になり、
常にブラッシュアップできる環境。
メンバーがやりたいと思うことに興味を持てたし、私がやりたいと思うことにもしっかりぶつかって来てくれる。お互いがお互いを信頼できているし、メンバーがどうやったら輝くのかを話し合える時間が有意義。
                (宇野実彩子)
個人が輝きたいと思うことに加えて7人の個性が衝突するところもあるが、メンバーお互いが顔を見て意見を交わす時間が増えて理解し合おうという気持ちを第一優先でやっている。自分の中にはない案が出るのは本当に面白い。              (西島隆弘)

審査内容が進むにつれて、SKY-HIの作りたいグループの方向性や、掲げた信念への想いが紐解かれていきましたが、ひとつひとつの内容を知るうちに、SKY-HI自身がソロアーティストのみを歩んだ人生ならば、このような考えには及ばなかっただろう、と感じたのです。

AAAというグループを通して経験したことがそのまま THE FIRSTの理念の基盤になっていて、いちメンバーとして他のメンバーを見た時に感じた心情や、自身がグループの一員として担っていた立ち位置やメンバーとの関係性、俯瞰でグループを見たときに分析したであろう、グループがやることで比例していくプラスな面、そして弱点になりうるウィークポイントなどを惜しみなくこのオーディションで言葉にして伝えてくれていたのではないかと感じたのです。

そして、この一連の審査内容から感じたグループへの敬意を読み取ると、AAAがなぜ休止するに至ったのかがより明確になったのです。
グループ活動はメンバー一人一人が目指すべき指標を共に共有し、切磋琢磨することが大前提だと思います。個性にバラつきがあったり、得意不得意がそれぞれにあっても、お互いを想い合う心や目標がしっかりあり、伝えたい音楽への情熱と愛がある限り、そのグループは成長し続けるでしょう。
AAAは、紆余曲折がありながらも15年という長い時間をグループとして走り続けてきました。その中で各自の音楽性やグループについての想い、人生観などが変化することはおかしいことではありませんし、なにより休止を選んだことが"AAA"のいうグループを誰より大切に思った真摯な結果なのだなと、ようやく答えが出たように感じました。

THE FIRSTを観ることで、これまでAAAというアーティストがどんな道のりを歩んだのか、その答え合わせをしているような、そんな尊くかけがえのない思いを感じることが出来ました。ボーイズの成長と共にその煌めく青春の瞬間を共有させてもらったことには感謝しかありませんし、ボーイズにはリスペクトしかありません。明日の発表はどんな結果になろうともしっかり見届けようと思いますし、デビュー後も応援していきたいと強く思います。

そして、何回でも言いたい。
このオーディションを決意して、実行したSKY-HIに感謝を叫びます。
日本のボーイズグループって最近面白いね!レベル高いね!、そんな言葉が飛び交う未来を、忖度なしに実力のあるアーティストが世に知られていく未来を、この5ヶ月を通して想像できるようになりました。
明日がスタートの1ページ目。順風満帆な日々だけじゃない、私たちが思うよりも多くの障害が沢山あると思います。そんなときに、私たち受け手がしっかりとアーティストからの想いをキャッチし音楽を楽しんで、音楽と仲良くなれば...それが彼らの最大の応援になると胸を張って言えます。

SKY-HIに愛と感謝を。これからも素晴らしい音楽と共に生きれますように。

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