「遠回りしようよ、1曲分」

再生

どんどん彩度を失う空
電車と外の温度差
予定調和の恋がしたい
自分で買ったマフラーの赤
下手くそに塗った爪の色と同じ
貴方の恋人になりたい
砂糖みたいな雪が溶けていく
知らない街を歩く時
呼吸が聞こえる
喫茶店のはがれ掛けのメニュー
時を超える

「遠回りしようよ、1曲分」
次の曲がショートチューンでありませんように!密かに祈る、僕の大吉はこの為にあったのだ!最後に取っておいたショートケーキのイチゴのヘタについたホイップクリームみたいな甘さ、逃したくないよ!君が次に右足を出したらさ、その手掴んでもいいかな、おまじない。小さな赤信号も渡れないで、何を見ているの?お腹いっぱい食べれなくなったエビフライにはしたくないからさ、明日は知らない街を覗いてみよう。僕のあげたマフラーが日の目を浴びなくても、爪の色剥がれて気づかれなくても、あの店のメニューが色褪せても、2人だけの逃避行にしませんか。砂糖と溶けて、一緒になろう甘い甘い魔法をかけて。早くほら雪がチラつく間に。お気に入りの靴履いて出かけよう。

イヤホンからアウトロダクション
時を超える

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