ふたり

雪が降るって誰に伝えればいいのだろう
こたつの温もりで寝落ちる寸前考える
目も歩幅も合わなくて冷たくて
それでも耳を撫でる音程が愛おしくて
またダメになってしまったよ
甘い香りに包まれているうちに
嫌われてしまうことが怖くて
本当なんて知りたくないから
何も聞けなくて俯いている
床のタイルを数え終わって恐る恐る
見上げれば待っていた目線
「ああ、すみません」
これ以上はダメだと分かっている
そばにいないでくれ、会えたら いいな と期待してしまうよ、探してしまう心が無駄なモーションを繰り返す、筋肉痛がここだと叫ぶ、交わらない線と線の間に手を伸ばす、ずっとこのままでいいと思っていた、戻れなくなる前に早く、鼓動よりもずっとはやいスピードで、生きたい

桜が咲いて散っていく間に
私は変われただろうか
昼過ぎ布団の中で二度寝、また夢に見る
どうにも合わなくてもう会えなくて
それでもあの時の笑顔思い出してダメになるよ
甘さが無くても大切だった言葉も
嫌われたくなくて嫌いになったことにして
本当のことを話したくなるよ
何も話せなくて俯いている
貼り付いた桜を数えて顔を上げて
あの時とおんなじ夕日と目が合った
「ごめんなさい」
このままじゃダメだと分かっている
そばにいてくれ、会えたらいいなと期待してしまうよ、探してしまうことが癖になってしまったけれど、ここにいるのかも分からない、交わっていた線と線の間をなぞっている、ずっとこのままじゃダメだと思っていた、戻りたくなる前に早く、鼓動よりもずっとはやいスピードで、生きなくては

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?