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タッグトーナメント準優勝の記憶と、マインドの話

2024年3月9日、千葉県大喜利大会「vol.MAX!!!」~タッグトーナメントマッチ~に参加しました!

「vol.MAX」は、J@Qさんが主催を務める千葉県アマチュア大喜利会(ChibaGiri)による大規模大会のシリーズで、第3回となる今回の「vol.MAX!!!」は32タッグ(64名!!)によるトーナメント戦でした。
僕は、ギトウさんとのタッグ「犬の近似値」で参戦し、なんと決勝進出……、そして準優勝という成績を収めました。
せっかくの機会なので、ちょっと振り返ってみたく筆を執ります。



結成の経緯

大会の開催が発表された当初の僕、まあもし一緒に出てくれる人がいれば出ようかな…という受け身の姿勢でおりました。

Kanako➸♥︎⌇さんからの返事を待っていたところ、ありがたいことにギトウさんが声をかけてくださいました!
ギトウさんは昨年10月のボケルバ新人王決定戦で初めて拝見し、個人的にはその日一番印象に残った回答をされていた方です。正統派でパンチ力の高い大喜利をされるギトウさんのファンだったので(本人にもお伝えしていたためかと思いますが)、お誘いいただいてとても嬉しく、二つ返事でお願いしました。
適当な単語や好きなものを出し合い、僕が出した「曲線」をギトウさんの好きな「犬」とうまく組み合わせてくださり、「犬の近似値」というタッグ名が決まりました。なんか賢い感じする。ワソワソ!!

いざ戦いへ

1月上旬の結成の後、個人的には大喜利カフェ「ボケルバ」のミニトーナメントで初めて優勝したり、「超過点大喜利大会」や「答龍門2024」予選会、「挽回杯」といった大会でもどうにか1勝をもぎ取れるようになってきていたため、少しずつ自分のスタイルでの大喜利力がついてきたかなと感じていました。
3月9日当日も、悪くない調子でいつも通り臨もうと気楽に構えることができました。
対戦表はあらかじめ公開されており、ドキドキ感とワクワク感に満たされながら会場へ。

トーナメント表(https://note.com/jp_sosa236/n/n9935efbaf8ec)


以下、試合中は自分の回答に集中しており、相方や相手の回答を追いきれていないことをご了承のうえご覧ください……(自分語りメインです)

1回戦 vs. アカーイ

1回戦の相手は、寺井さん、あくたさんのタッグ。
お二人とも、どんどん頭角を現し大活躍中の先輩プレーヤーです。
親交があることも含め、最初から嫌な相手だ!
全体の6試合目となった本試合のお題は…

のび太とは親友だが、それ以外の人とはめちゃくちゃ仲が悪いドラえもん

定番のドラえもんお題。シンプルでいろいろと考えやすいだけに、一答一答の印象値の総和をいかに伸ばせるかが問われるように思います。
相手のお二人はセリフ回答や状況描写が得意で、今回も得意な方向にスタートダッシュを決め、かなりウケていました。
僕も負けじと3答ほど出し、どれもそこそこウケることができました。
のび太が学校に行っている間に、こっそりタイムマシンで過去を変えようとしている
担任の先生の形のサンドバッグでストレス発散している(絵回答)
は特に手応えがありました。
過去の自分の回答からヒントを得ていたり、「ささくれ道場」などでの基礎練が生きたような気がします。
ギトウさんも「セワシのことをセワカスと呼んでいる」などの回答でとてもウケており、最高でした!!(それでよくわざわざ過去まで来れたな)
なんとか凌ぎきり、1勝できました。

2回戦 vs. ラジコメ(ラジコンのラブコメ)

2回戦は、虎猫さん、ふすまさんのタッグ。おいおいおい…
ベテランでお世話になっている虎猫さんに、高威力の回答をスマートに繰り出す実力派の若手ふすまさん。
1回戦でももちろんいつものようにめちゃくちゃおもしろかった。
恐ろしい相手との試合に少し身構えましたが、緊張していてもしょうがないので、平常心でボードに向かいました。

映画がCGやスタントを使って撮影するものではなく、撮影現場に本当に居るヒーローやモンスターをただ撮影してるだけの映像だったらこんな事が起きる

なんか複雑なお題きた!むじぃ〜
「ヒーローやモンスター」とお題のニュアンスに制限をかけてあるように見えるのが少し嫌らしい。できるだけそのイメージを取っ払い、普遍的な映画全般でCGを実物に置き換える方向で考えていました。
そんな中、ギトウさんが一答目で「アカデミー賞 正直しんどかったで賞」と視点の異なる回答を出してしっかりウケをとり、風を吹かせてくれました。すごい…!
東京タワーを建て直すスピードが早くなっていく」という、お題の世界に一歩二歩踏み込んだ回答も素晴らしく、これこれ!
僕は「空に浮かぶ故人の顔を映すため、毎回人を打ち上げている」(絵回答)など及第点くらいの回答を出していました。
相手もさすがの技術でリアリティのある回答を連発。
ドキドキしながら拍手の音を聞き比べ……結果は、辛くも我々の拍手音が上回り、準々決勝進出となりました。これ、すごいかも!

休憩時間、ヤバいですよベスト8ですよなどと言いながら、次に来る試合に恐れ慄かずにはおれませんでした。

準々決勝 vs. アムニージアック

田吾作さんと小粒庵さんのタッグ「アムニージアック」。正直オワタと思った。
1回戦では業界大注目の新人・田吾作さんの”一人コント”のような大喜利(NINJAと呼ばれる超フィジカルスタイル)、2回戦では小粒庵さんの悲痛な叫びのような回答と、スタイルが違うようで互いを補い合うようなコンビネーションで空気を掴んできたタッグです。
我々がNINJAを討ちとるSAMURAIになるしかない…

志望動機や学生時代のエピソードはキモければキモいほど受かるという風潮になってきた就職活動の様子

おもしろいお題!できれば観戦したかったけど!!
「キモい」のベクトルをうまく定めて描写できるかどうかが鍵だと思いました。
とりあえず、学生がアピールしそうなポイントをヒントに、キモい方向へズラしていくことを考えました。
なんとなく思いついたのは「経済学部」…経済学部の偏見みたいなのをイジるというのもあるけど、オモシロには繋がりにくいよな……なんて考え始め、「経済」に精通していると見せたい学生の姿を思い浮かべているところで、意味はわからないのですが「経済」と名付けたものを世話しているキモい光景が降ってきました。
毎朝、「経済」という名前のアサガオに水をあげています
ウケました。よしよし!この方向はいけるな!!ちなみにこれ、大会の終了後にもたくさん褒めてもらえました。嬉しい!
相手からは「窓のない大学に通っています」という小粒庵さんの不思議な回答による大ウケが聞こえてきたり、田吾作さんがステージ中央まで移動して何かやっている雰囲気を感じたり(この間はタイマーが止められるのでシンキングタイムボーナスになる)。惑わされずに回答を練ります。
ここでギトウさんがとんでもない一撃を繰り出します。
どうぞ、こちらA8の履歴書です
おもしろすぎしキモすぎる!ギトウさんありがとう……頼もしい相方の回答を聞いて、自分も安心して最後の回答を練りました!
サークルでは、下から数えて副代表を務めていました
手応えアリ!
審査の結果、NINJAを討ちとり、準決勝へと駒を進めることができました。ヤバい…!

準決勝 vs. 満員のエレベーターに乗ってると戦犯になりがちーズ

ついにベスト4。準決勝の相手は、演技力の高い印象的なセリフ回答をまったく外さず、1回戦から快進撃を続けていた長町名人さん、犬飼大童さんのタッグ。
実は僕はどちらも初見だったのですが、これまでの試合を見てすっかり虜になっていました。ですが今回は敵です。
ここまで来たらやれることをやるだけだ!

色んなアニメやゲームのキャラクターを適当に調べてまとめているサイトで見つけた特に酷い文
「○○は△△で□□です」

3箇所穴埋め!○○と△△でうまく振って、□□でうまく落としたい。
とにかく○○にあてはまるキャラクターを引っ張ってきます。
「サトシ」が降りてきました。ポケモン好きだししょうがない。
幸いにもすぐに方向性が思いついたので、□□の言い回しを調整して即座に手を挙げました。
サトシはまだ子供で、生物を養うには未熟です
かなり嫌な言い回しができた!かなり早い段階で出せたこともあり、結構ウケました。
「それでも頑張ってやってんだよ!!」というるるはんさんのツッコミがありがたい。
もう1答ほどして、次を考えている間にふと横に目を向けると、ギトウさんが手を挙げようとしているのが見えました。
ボードに「スマブラは小学生の飲み会です」と書いてあり、これは行ったんじゃないか!!!!と大興奮してしまった。最高すぎるだろ。案の定、爆ウケしていた!
僕がデデデ大王と鶴屋さんの色をイジる回答を2連投くらいしたらギトウさんのラスト一答も色に言及していてごめんとなりつつ…
これだけウケたんだから行ける!と期待を込めて拍手を待ちました。
勝利!決勝進出が決定しました…!うお〜〜

決勝 vs. ぐっさんBLOOD

決勝の相手は、トーナメント表の右半分を制した手汗さん、白滝BOXさん。この日だけでなくいつどこで見てもおもしろい、それぞれベテランと若手のラスボスみたいなプレーヤーです。
お二人は昨年12月の「大喜利師弟トーナメント」に出場予定だったものの、インフルのためキャンセル…という経緯のある師匠と弟子のタッグ。
それだけに今大会でリベンジを果たすという気力に燃えているのがわかりました。

結婚指輪を付けている間だけ相手との記憶が残る世界

文面はシンプルながら、その世界に入り込んでおもしろい画を切り取ってくるのがめちゃくちゃ難しい、決勝にふさわしいお題でした。
最初に思い浮かんだのは、指輪のダメージが思い出にどんな影響を与えるのかということ。たとえば指輪が黒ずんでしまったら…と想像し、
温泉に行って指輪が黒ずんでしまい、記憶の中の相手の顔がコナンの犯人みたいになった(絵回答)
という回答を出しました。これはそこそこにウケたものの…
正直、自分の回答を考えるのに必死で、それ以外で起こったことはほとんど見えていませんでした。それが災いして、白滝BOXさんの回答の下位互換みたいなのをだいぶ遅れて出してしまうなどの痛いミスも。
自分もギトウさんもだいぶ苦戦しているうちに、相手のタッグはどんどんウケる。さすがとしか言いようがない。

あっさりしたもので、決勝は完敗!ぎゃー!!
もう一答なにかいい回答が出せていたら票数は変わっていたかも……という思いもあるのですが、決勝の場という初めての舞台、骨のあるお題、歴戦の相手、という条件に対して自分の実力が及んでいないこともよくわかりました。
手汗さん、白滝BOXさん、本当におめでとうございました!とってもかっこよかったです。優勝者コメントにも胸が打たれました。

とにもかくにも、犬の近似値は準優勝!!
まさかそんな順位に立てるなんて正直思ってもいなかったので、本当に嬉しいです。
何よりも、誘ってくれて決勝まで二人三脚で走ってきたギトウさんに感謝の気持ちでいっぱいです。組めて本当によかった…!
お互い、さらに力をつけて優勝を掴めるといいな。

主催であり今回でChibaGiriの代表を下りるJ@Qさん(お疲れさまでした!)、MCのるるはんさん、スタッフのみなさん、素敵な大会を本当にありがとうございました。
初めてのChibaGiriは、思い出に残る一日になりました。

初めての逆引き結果ログ掲載(https://note.com/meteoricswarm/n/nd6cc2e758aec)

大喜利の大会とマインド

ここから先は、備忘録的な自分のためのまとめでもあり、誰かに聞いてほしかったことでもあります。
助言とか、心構えとか、偉そうなことは意図しておらず、あくまで僕自身のこととして読んでいただけたら嬉しいです。
先日、生意気にもこんなポストをしました。

これは、かなりガチです。
今回の大会でも、会場に向かうまではドキドキでしたが、大会が始まり舞台に上がったときには、いつもの大喜利会と同じく純粋な楽しみが勝っていました。答龍門予選でも、挽回杯でもそうでした。ボケルバで優勝したときもそうでした。
緊張がいい感じに作用するタイプの人もいると思いますが、僕はそうではなく、できるだけ平常心、落ち着いてやるのが合っているタイプのようです。
ピリッとした雰囲気の中で、心は自然にリラックスして、じっくりと回答を練ることができている感じがします。
大学〜大学院時代にいろいろな発表とかをよくやっていたおかげで、自分のパフォーマンスにそれが合っているのを把握できていたことも大きいかもしれません。

ですが大喜利に関しては、このマインドセットが根本でうまく効いている気がします。

結構語弊があるかもと思っていたので、この機会に説明させてください。
大会に出るからには、勝ちを目指して真剣に勝負に臨みます。
でもそのときのマインドは、「勝ちたい」ではなくて「大喜利を楽しみたい」なんです。
僕の中で、大喜利をやっていて一番嬉しいこと、そして同時に目標としていることは、お題に対して自分が納得できる回答、自分が心の底から好きになれる(≒自分の作品ともいうべき)回答が出せることです。
もちろん、それがウケたり評価されたりしたら最高です。
そのために、自分のベストを尽くします(当然ですが、相手や相方がいる以上、ただの自己満足にはならないよう、最大級のリスペクトを忘れずに)。
ベストを尽くした結果、その目標が達成されれば、たとえ勝ち進むことはできていなくても楽しい大喜利ができるし、確実にその経験は自分のためになると思っているからです。
そしてたまたまそのベストが相手のベストを上回っていたとき、勝てるのだと思います。
だからあくまで、自分が目一杯楽しめるために自分のベストを尽くすし、その先に勝利の喜びもあるのだと思っています。
つまり自分の感覚としては、目の前の大喜利、お題を「楽しむ」ことと「勝ちを目指して勝負に臨む」ことは同じ方向のベクトルなのです。
だったら、前者を目指したほうが自分の性に合っているし、趣味として長く続けていけるのかなと考えています。

とはいいつつも、集中はしているので相手の回答を聞き逃すようなことも多いのは最近の悩み。そこは目下の改善目標ということで、うまく折り合いを探していきます…。
これからも楽しく無理なく、大喜利をやっていきたいです!よろしくお願いします。

機会があればみなさんの意見も聞いてみたいです。
最後までお読みくださりありがとうございました

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