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アンチコメントを見ないほうがいい理由

大学生の時に人気読者モデルで、
ブロガーの友人が出来た。

共通の友人を介して知り合った彼女とは、
大学は違ったけれど、
気が合い、よく会っていた。

美しい彼女と会うと
いつも明るい気持ちになったし、
美容へのモチベーションも上がった。

彼女と会った日はいつも、
帰りにドラッグストアに立ち寄っていた気がする。

同じコスメを使っても彼女と同じくらい
可愛くなれるとは思えなかったけれど
ちょっとでも近づきたかった。

高校時代は友達が全くいなかったので、
話すことすら勇気がいるレベルの
キラキラしている人が
「友人」として会ってくれて、

なんでもないことを
何の得もないのに、
何時間も喋ってくれて、

そんなことが
時に泣きそうになるほど嬉しかった。
(それくらい「友人」というものに慣れていなかった)

美しい彼女の隣に並ぶと自分の外見的な欠点が
目立つことはわかっていたけれど、
外見も内面も美しい友人がいることが
単純に嬉しく、自慢に思えたので、

一緒に写真を撮ると毎回、
ブログにアップしていた。

そんなある日、匿名掲示板で、
私のことが話題になっているのを見てしまった。
(自らエゴサーチして
見に行ってしまったというのが正しいのだけど…)

そこには、私の容姿が彼女に比べて
劣っていることや、

「あんな美人と写真を撮って恥ずかしくないのか、
もしかして、自分も負けないとでも
思ってるんじゃないの」とか、

「読者モデルの友達がいるってことを
自慢したいのでは」とか、

「はあちゅうは●●と会ったことを
ブログにアップしているのに、

●●側は、はあちゅうと会ったことを
いちいちアップしてないってことは、
●●は、はあちゅうを友達とは思ってないんじゃないの」

とか、そんなことが書かれていた。

それを目にして、私はやっと出来た友人を
悪意フィルターをかけて見るようになってしまった。

「もしかして彼女に
『私を利用している』と思われていないか」

「ブログに私との写真をアップしないのは、
友達としてふさわしくないと思っているんじゃないか」

――なんて。

アンチが言っていたことが、
そのままそっくり自分の脳みそに転写されてしまい、
自分自身の考えのようになってしまったのだった。

ちなみに、彼女が私との写真をブログに頻繁に載せないのは
単純に、美容情報に特化したブログを書いていたからだ。

けれど、それまで気にすることのなかった、
ブログへの登場頻度のアンバランスさが
その日を境に気になるようになってしまい、

「今日は会って、私は写真を載せたのに
向こうは載せてくれなかった…」なんておそらく彼女自身が、
何の意図もなく取った行動を悪意フィルターをかけて深読み
するようになってしまった。

これが怖いところなのだけど、
それまでは私の中に1ミリもなかったアンチ的な考えは
事あるごとに頭に浮かび、いつの間にか
私自身の人格の一部になってしまっていた。

私は次第にブログを書く時も
「こんなことを書いたら、こんな風に
受け取られるかもしれない」とファンよりも
アンチを気にしてブログを更新するようになった。

「揚げ足を取られないように」と思うばかりに、
自分らしくない行動を取ったり
発言をしてしまったり、いろいろ失敗もした。

アンチを気にするということは
アンチと頭の中で同居することに等しく、
これを長く続けていると頭の中がアンチ寄りになっていく

―つまり、性格が自己否定的、
悲観的、人間不信気味になっていく。

何を言われたって「知らない人の言うことなんて」
とスルー出来る強い心があれば
影響なんか受けなくて済んだと思うけれど。
(…その強さがないまま、ネットで注目を浴びてしまい、今に至る)

15年間のネット活動を通して、何度も炎上し
こちらの想像を軽く飛び越す嫌がらせの達人たちから、
致死量を超える悪意を受け取った。

(それはまた別で書きたいほど、いろいろな事件があった…

ちなみに最初の炎上理由は顔出し。
今ほど顔出しがメジャーじゃない中で
顔を出していたらそれだけで炎上した。

二回目の炎上は顔がブスっていう理由で、
その影響により、一年くらいグーグル画像検索で「ブス」一位だった…

この辺は「半径5メートルの野望」
という本に詳しく書きました)

そのせいもあって、随分、
物事の嫌な部分の発見が
うまくなってしまった気がする。

それは自己防衛的に身についた能力でもあるのだけれど、
自分に対しても、他人に対しても
「アンチならこう見るのでは?」という目で
欠点を探すのって、もう半分アンチだと思う。

つまり、私自身が私のアンチというわけで、これは結構つらい。

==

長くネットで活動している人で、
私以外にもアンチに侵されている人を何人も見た。

ちょっと前にとあるインフルエンサーさんが、
世の中をすごく意地悪な目で見ているというか
悪意方向に飛躍した発想を発信していて、

「ああ、この人、きっと元はいい人だけど
若い頃からアンチと戦っていたせいで、
考え方がアンチ寄りになっているんだろうな…」と思った。

そうじゃなくても、ネットを使い続ける中で
自己肯定感が低くなっている人は多い。
嫌な言葉って何年も心に残るもんね。

炎上しないように…と気をつけると
必然的に「アンチならこう思うかも」
という行動を先回りして潰さなくてはならない。

でも、先回りすることは
逆に自分を苦しめる結果を産むことにもなる。

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