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旧・月刊はあちゅう

2日に1回エッセイを届けます。たまに3日に1回とかになります。人間だもの。
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2015年9月の記事一覧

そういう人生もあったかもしれない

昨日はお友達のおうちへ、赤ちゃんを見に行った。 赤ちゃんは終始、きょとんとしていてふわふわしていて、あたたかで、ほんの10分の間に笑ったり泣いたりよだれをたらしたりしてすごく生きてるという感じがした。 それを見て、私も、3年後くらいに、赤ちゃんが欲しいとすごく思った。うん、理想は33歳くらい。 いつか子どもと旦那さんとお鍋とか囲みたいなー。すき焼きとかして、みんなで一緒にテレビ見てああだこうだ言いたい。 昨日一緒にいたお友達はみんな、結婚したのが、26歳とかで、気付け

いらないもの、いらなくなったもの

震災を経験した後に、片付けに目覚めた人の本を前に読んだけれど、その方は、自分の家や大切にしていたものが全部ぐっしょりと濡れてダメになってしまったものを見て、「なんかもういっか」って思ったそう。「今まで大事に思ってたけど、所詮は物なんだ」って思ったとか。そこから、無駄なものは持たない主義になったそう。 物には使われている時にだけ命が宿っているのだと思う。 祖父が死んだ時、祖父が使っていた時は生き生きとして見えた文房具が途端に、古臭い、ただの「物」に見えた。それらは、遺品整理

【創作】東京物語

これは私が出会ったとある人の話。 その男の人はみんなの人気者でした。まだ若くして、自分で望んでいた以上の 栄光を掴みました。 彼のつくった音楽は時代の空気に合っていて、人々の心を魅了したのです。数か月前まで、ただ時間をつぶすために見ていたテレビ番組に、気が付けば、自分が毎日出るようになっていました。何が起こるかわかっている番組を、自分では見なくなり、テレビはだんだんとほこりをかぶるようになりました。 外に出ると、オンラインでもオフラインでも、好意的な言葉をシャワーのよう

感動は、深いところに届く

ネガティブなものって瞬間的に心の浅い部分から出てくることが多くて、対して感動するものって、心の深い部分から出てくるから、表現する時も丁寧に表現しなくちゃいけなくて、だからツイッターみたいな反射的に書き込めるものってネガティブな意見が目立つのかもなって思った。 瞬間的な怒りは次の瞬間に、他の感情にすり変わったりするけれど、 深いところに届いた感動はしばらくそこにとどまって、一回忘れても、深いところに残ってるから、何かの拍子に、そこから溶け出してきたりする。 誰かの心の、深

「普通」を克服する

とある場所で「はあちゅうさんは、気持ちを変えたい時にどんなことをされますか?」と聞かれたことがある。 私の気晴らしと言えば、読書とシャワーと散歩とご飯と睡眠。あと買い物。可愛い雑貨を買うとテンションが上がる。 でも、そう答えたら、相手は不満そうな顔で「もっと、なんか、ものすごく気が変わって、やる気が起こるようなこととかないですか?」とおっしゃった。 残念ながら無い。 たぶん先方は、私だけが知っている即効性のある気分の変え方、しかも他の人は絶対にやってなくて自分に応用で

知らないところで応援してくれる人のこと

今日は久しぶりにドキドキするお仕事。 「こういう種類のお仕事は絶対にやらない!」と固く心に決めていたお仕事を受けてみたのだ。 でも、受けてからはずっと気が重くて、今日までなんとなくソワソワしてしまって、正直今日が永遠に来ないでほしいと思ってた。(来たけど) 受けた理由は「そのお仕事がやりたい」というよりも「こういうお仕事をしたら、世間の反応はどうなんだろう?」という好奇心。 9日後にはフィードバックが来るので、その日もまたドキドキしちゃうと思う。でも、やらないことにし

準備不足の人生

ここ最近「あー私、準備不足だった」と思う瞬間が多々ある。 子供の頃からいつかテレビに出たいという気持ちはあったくせに、面白いトークや政治・経済・法律の知識をつける努力を完全に怠ってきたし、そもそもテレビをあまり見ないので、誰と一緒になっても予備知識がなく、いわゆるテレビ的な受け答えも咄嗟に出来ない。容姿だって、テレビに出るようになるまで30年弱も猶予があったんだからもっと磨けたのかもしれない。(現在進行形で食欲に負ける容姿への執着…) 生放送中や収録中に「うわあ、なんでこ