❝Tableau Pulse❞ 史上最大のユーザー反響格差が多い新機能!?
はじまりと総評
「Tableau Pulseを語る会」というXコミュニティを始めました。
詳細は以下のリンクをご参照ください:https://twitter.com/i/communities/1789123610868883656
関係者のDMグループで議論が盛り上がり、「皆で話をしようか」という話になりました。そして、第1回の開催は5月20日(月) 20時から22時まで、あっという間に過ぎました。
結論としては、「これは最高!!」という意見と
「今、全然導入できなくないか?」という意見に分かれました。
今までいろんな機能を見てきましたが、このように意見が大きく分かれたのは初めてでした。でもだからこそ価値がある。
せっかくなので、挙がった意見やポイントをまとめるnoteを書きました。
Q1.Tableau Pluse肯定派ってどんな人?
おそらく、より詳しいデータ基盤を持っていて分析するより、
ビジネスユーザーにデータを届けるを意識している人たちが肯定派として多い印象でした。
また、流れ弾を当ててしまって申し訳ないですが、
過去にリリースされたask dataについては「導入難しいよね」という話題に触れます。
…なぜその話?
実はこの論点を理解すると、Pulseの理解が深まる一助となります。
https://help.tableau.com/current/pro/desktop/ja-jp/ask_data.htm
つまるところ、ask dataは質問しなければデータを届けてくれません。
ただしCreatorレベルであれば質問を入力するより、 Tableauでアドホックにデータを見た方が早いし、インサイト得られる。
これがデータドリブンな指標の限界です。
その点、Pulseの場合は有用です。
ビジネスコンシューマーにとって必要なデータを自動的に届けてくれます。
つまり、Pulseとは何か?
それは「データのアクションを促す指標」であり、「データ分析」ではありません。Pulseの語源は「波」や「脈拍」を意味します。
例えば、私たちがApple WatchやFitbitで脈拍を確認することを
「データ分析」と呼ぶでしょうか。
たぶん、呼びません。
しかし、脈拍がどのくらいかを知ることで、アクションを変えて健康を維持できます。ビジネスでデータ価値を発揮するため、必ずしも「分析」が必要とはいえません(大事だけど)。
Tableau Pulseは「データの脈拍を表現」機能と言って過言ではないでしょう。
今、データがどのような状態か?チェックしたい情報はなにか?
データが準備できた段階で、Viewerはアクションを取るために、「分析」以上にまず、「現状」を知りたい。
これこそが「ビジネス・データコンシューマー」です。このフェーズならば、ダッシュボードでなくてもいい。
賛成派は正しい数値の共有を素早く伝えることを大事にしておりました。
一方で、悩ましい議論もあります。
Tableau ServerやCoreライセンス、そして社内のBIが統一されていない場合、Tableau Pulseの導入は「否定派」とは言いませんが、実際にリリースされても使うことが難しいという話になりました。
社員数数千~数万人レイヤーだと、正しい数値は「数多の壁」をくぐり抜けて届きます。またTableau以外の選択肢も数多くあり、Tableau Cloud以外の共有手段を用いているケースもあります。
このあたりは悩ましいところですね…
Q2.PulseによってDWHはどうなるか?
結論として、「DWHはより大事に」と位置づけました。
まず、ある程度データエンジニアがいる組織であれば…
ビジネス側のユーザーからの依頼に基づいて、クエリを書いて数値結果を共有したり、場合によってはそのデータを見るためのマートを生成して共有します。
マート作成はPulseによって減少する組織もあるだろう。
という論点が挙がります。そして、これからより大事になることは、
「利活用しやすいデータ準備(例、ディメンショナルモデリング)」
と感じております。
Pulseに関連して、今後のTableauで重要なアップデートだよね、という話題を紹介します(ちゅらデータ様引用失礼します)
1. Shared Dimension
2. Composable Data Sources
つまりこんな世界。
分析の際、ダッシュボードによる探索は引き続き重要です。
しかし、データの大元で複雑なデータ準備が必要でない場合、上記で十分となります。Pulseはリレーションにも対応しているため、
素早くアクションを確認したい人に最適になるでしょう.
ただし、データマネジメントの基盤が必要です。DWHとデータモデリングの重要性が増します。
ちなみにPulseがなぜ開発されたか?というと、
「TableauのCreatorに求められる定義には到達していないが、
一部技能を身に着けそうなビジネスユーザー向けに望ましい機能群だよね」という話になりました。つまり、Explorerへの育成を早期化し、一部Creatorに流用できるものとして捉えてます。
Tableauが「ビジネスユーザー向け」に進化してきた結果です。
ただし課題もあります。
つまるところ、、、「激戦区での戦いだね」と、話題に。
Tableauは、今までも他のBIや、Google SheetやExcelと競ってきました。(共存もありつつ)手元のデータから分かることを、探索的なデータ表現の世界と比較させてきました。
ただしPulseは「分析」ではなく、「現状」の把握。
「え?Google Sheetでいいじゃん?」
この考え方と更に競い合っていきます。
説明側も、今までと異なるデモンストレーションが求められます。
Q3.Tableau Pulseはどう使うべきか?
これは議論の中で、非常に明確に話が上がりました。
要するに、、、
深い分析を必要とせず、日々の状況を横断的に把握し、毎日確認すべき指標であるということです。
「何がTableau Pulseに適しているか?」
①日次データがあり(毎日更新され)
②日々追うことで意味のある指標
つまり
・頻度が高く閲覧されるべき指標であり、
・状況確認やアクションに繋がるもので、
・深い分析がなくても成果が出せるもの。
たとえば、
・セールスの受注状況や商談状況(つまり売上)
・カスタマーサクセスにおけるログ。
・人事など、勤怠状況等。
・小売店のスパーバイザー等はニーズ強そうだよね。と。
日々変わりつつも毎日大事にしたい数字のことです。
これらが、特にTableau Pulseにおいて有効だという結論になりました。
また、Tableauのアドミンデータも、
どのようにTableauを利用しているかをログとして記録することで、費用対効果の算定などにおいて重要なデータとなるだろうという話がありました。
マーケティングデータは、Googleアナリティクスなどの日々のデータでなくても問題ない場合もあるかもしれません。
リード数等あれば重要性は高いかと思われます。
AIの「INSIGHT」の価値は?
Pulseには「INSIGHT」という指標があり、
過去のデータと比較して様々なことを押してくれます。
「INSIGHT」、「興味関心」は引くため大事です。
ただし、「詳細の探索に至るまでの過程」が理解しきれない為、明確なアクションをするには少し踏ん切りがつきません。
※このあたりApple WatchやFitbitをイメージすると分かりやすいかも?
結果的に事業要素の理解が必要な人材こそ、Tableau Pulseに向いていると判断してます。またより深い探索こそ、引き続きTableauのダッシュボードは必要であり、Tableau Pulseはそのきっかけとして非常に有力なツールとなるだろう、という話にもなりました。
Q4.この会、今後どうするの?
超白熱したこの会。参加者は大企業、ベンチャー、事業会社、支援会社など、データ業界で活躍されている方々。
第2回は確実に開催いたします。
その際は、ユーザー目線で今回のPulse機能、TCでの発表内容、そして、それらをどのように捉え、どのように使おうと考えているかについて、それぞれシェアし合う形を取りたいと思います。
また、Pulseについても事例がある程度蓄積されてきそうなので、その内容を共有しながら、皆さんと一緒に理解を深めていきたいと考えています。※Tableau Pulseについて、より詳しい情報もまとめて提供する予定です。
重ねて、本当に面白い内容でした。
打ち合わせが終わって一時間程度で音声入力を聴きながら書き起こしましたが、本当に濃密な時間だったと思います。
皆様もぜひ、Tableau Pulseを使いながら、データによる事業の精神を一緒に実践していきましょう。よろしくお願いいたします!
何かあればマエスまで!
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