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外観

洗濯物が、風で僅かに揺れている。
淡色のジーンズと、Tシャツが2枚。
Tシャツの色は、真っ白な無地のものが一枚、もう一方は、ベージュとオレンジを混ぜたような色で、胸から腹の部分にかけて、カバが2匹歩いている。

今日は朝から天気がいい。
ちょうど12時ごろに干した洗濯物は、もう乾いているのかもしれない。
もうすぐ出かけるから、その前に取り込もう。
ベランダの洗濯物越しに、公園に続く小さな路地を挟んで、白い外壁の家が見える。
しかし、私が座っている部屋の中央から、ベランダ側におしり一つ(いや二つか?)寄ってみると、右半分が白い壁で、左半分は横長の格子状に窪みの入った壁になっていることがわかる。

格子状のそのエクセルみたいな壁は、ブロックを積み重ねて作られたのだろうか。
赤みの抜けたレンガのような色をしているが、窪みで区切られた四角のそれぞれが、青みがかっていたりくすんだりして、ちょっとずつ色が違って見える。
白い壁と格子状の壁のさかいめには、張り合わせた跡のような直線が縦に走っている。
よく見てみると、さかいめで白い壁が僅かに傾斜になっており、光の加減で、接着剤の跡のように見えていたことがわかった。
視界の右下では、白い壁が四角切り取られていて、その中に玄関の様なスペースが見える。
奥まった玄関の上部に丸い照明が顔を覗かせている。
その奥の壁にはまた、格子状の窪みがある。
この建物、よく観察すると、おそらくもともとその外壁は、全て格子状の窪みが入ったものだったのだろう。
しかし、玄関部周辺とその2階部分を増築したのだろう。
白い壁は増築部分であり、建物の全体の3割程度に満たないようだ。

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