映画学校1日目

新卒で就職した仕事を1年で辞め映画の学校に入った
1日目を終えて数日経った自分の気持ちをあけすけに記しておこうと思う。誰かに見られるのが少し気持ちいのでnoteに書く

初回の授業内容は自己紹介
4番目にみんなの前で話した。視線を泳がせながらみんなに自分の恥ずかしい内側の話をダラダラと展開した。話している時はそれでもなんだか気持ちが良かった。これまでの安定ルートで出会ってきたような初対面の人の前では、到底話せない本当の気持ち悪い話をヘラヘラせずにまっすぐ、ゆっくりと話すことができたからだ。誰からも馬鹿にされたような視線は感じない。そんな自分語りを受けて先生は「アーティストだね」「哲学者みたいだね」「そんな君がこの映画を好きって言っているのがなんかわかる」と言われた。その時は嬉しかった。自分はこの作家という道があっているのかもしれないと不安だった自分に少しだけ思わせてくれたからだ。

ホクホクして席に戻り、他の生徒たちの自己紹介を聞く。
帰国子女で大学院卒業後就職したところを33で退職し、
ずっと好きだった映画の制作にチャレンジするという男性。
イラストレーターを独学ではじめ30歳になり、
子供もいるが映画を作ってみようと思って入学を決めた男性。
局の企画で短編映画を制作し優勝したテレビディレクター。
人生の厚みが違いすぎる。
先生もわかりやすく興味を示し、質問の質も指摘も鋭くなっていく。
振り返ってみると自分の前に話していた3人もしっかりとキャラが強い。
その後に続く若い生徒たちもみんな面白いし可愛らしい。
こんなに人間的に魅力的な人たちと同じ環境にいることができるのかと、全員をなんだか抱きしめたくなるくらい胸がいっぱいになった。

しかしふと自分の自己紹介と質疑応答を思い出すと、なんだあの薄っぺらい時間はと、羞恥心に襲われる。「アーティスト」と言われ一喜してしまった自分が本当に情けない。就職活動の時の自己分析サイトで「アーティスト」と言われるのと同じように、なんだかつかみどころのないめんどくさいやつをそう呼んだのではないかと思ってしまう。具体的な自分のことについての質問もなかった。
面白くなかったんだ、と気がついた。自分を殺したい。
その気持ちが時間が経つにつれ膨らんでいくが、次々に魅力的な人間が登場してくる。時間が経つにつれて比例して恥ずかしさと自分以外の人間への憧れと嫉妬。
1人の人間がいろんな壁にぶつかりながらもまっすぐ生きてきたってわかる。不器用でイタイタしくても客観視し過ぎず自分を信じてこれた強い人間達。
これは自分が学校や社会に合わせ、自分とは何かと問うことをサボってきた罰だ。暗記すれば安易に獲得できる高得点と皆の賞賛欲しさに時間を使いすぎた中高自体と、自分のことを見下すようなやつらと過ごしてしまったくだらない飲み会の数々が思いやられる。
いや、当時の自分はそれで精一杯だったし、それに気がつく隙なんて絶対になかった。だから当時の自分は悪くはないと絶対にそう思う。けど、目の前の人間たちへの憧れが止まらない。自信を持てない。
苦しいとも思うが、それすらも客観視してしまい、苦しさに熱中できない自分の半端さに嫌気がさす。
自分の半端さにプライドを持てない。そこにアイデンティティを置けない。けどそれが自分の個性で作家性になるところなのかもしれない。そんなブレブレな自分を可愛らしくも思う。もうわけがわからない。

ただ今はみんなみたいなピュアさが欲しい。これだけは言える。客観視を減らし、自分の目を信じて歩きたい。一旦そんな一年にしたいと思った。そこだけはブレたくない。とりあえずクソつまらなかったテレアポのバイトは速攻やめよ
変わるの怖い


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