アコギを衝動買いした話

ギターを始めるきっかけってなにが多いんだろう。
なんとなく、学生時代に友達の影響で始める人が多いイメージ。

私の場合、ギターを始めたのはほんの思いつきだった。

昨年の3月半ばごろ、東京に遊びに行った時の話。

普段関西に住む私は、春休みに関東で働く姉の家にお邪魔していた。
千葉にある姉の家から東京まではわりと遠い。
片道1時間半くらいかかる。
普段家から大阪の中心街に出るのは1時間もあれば余裕で、
関東の距離感がまったく掴めない私からすると、
「関東広くない?東京全然近くないし」
て感覚だった。

朝の通勤ラッシュの息苦しさから解放された電車にゆられ、御茶ノ水駅に向った。
当時「御茶ノ水」というと女子大学のイメージしかなくて、
「キラキラお嬢様の街って感じかな?」
なんて勝手に想像していた。
改札を出ると、そこに並んでいたのは老舗感のあふれる楽器屋さんだった。
思ってたのとはちょっと違ったけど、
ヴァイオリン、ギター、ウクレレ、ベース、本格的な店々の並びに
「なんかかっこいい!」
とテンションが上がった。
心惹かれつつも、行きはそのまま横目に通り過ぎた。
だけど帰りにもう一度戻ってくると、ちょっと見てみたいという好奇心に誘われて、交差点のすぐそばのアコギの店に入っていった。
別に買う予定はなかったから、興味本位で。

奥に細長い店壁には色サイズ様々なアコギが所狭しと並んでいた。
どう見ていいかわからないままぼんやりと眺めていると、奥から茶色い髪を後ろで束ね丸眼鏡をかけた店員さんが出てきて、声をかけてきた。

これが誤算。

その人は驚くほどに、私の”初恋”の人に似ていた。

見た目といい、優しそうな雰囲気といい、本当にそっくりだった。
びっくりして、たぶん何度も見返してしまったと思う。

買うつもりはなかったのに、気づくと一本買っていた。
Staffordの黒と茶色の小ぶりなギター。

よく考えたら大阪まで抱えて帰らなきゃいけなかったけど、
関西に系列店ないから無料調整サービス受けられないけど。

私のギターの始まりの話。

鍋に大きなエビが入っているとき、テンションが上がります。