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コモ活シリーズ⑧---バイオニックドローンで見るコウモリと鳥の飛び方、他


(上の画像は下の動画より)

このシリーズをお読み頂いているのは、コウモリ好き or コウモリに興味のある方かな?と思いますが、皆さんはコウモリが飛ぶ姿を実際に見たことがおありでしょうか? 
都会でも夕暮過ぎに空を見るとアブラコウモリが飛んでいたりしますが、
かなり注意して見ないと、鳥だと思って見過ごすかもしれません。


私は初夏〜初秋、市内の川辺にバット・ディテクター(※)持参でバットウォ
ッチングに出かけます…が、コウモリの「出勤」はかなり暗くなってから。
暗闇に獲物を追って素早く飛んで行くので、昼間のバードウォッチングに比べて観察が難しいんですよ。それでも彼らの声を聞くと嬉しくてたまりません 人´∀`*) (※)超音波を人間に聞こえる音に変換する機器


さらにオオコウモリが飛ぶ姿は、日本ではごく一部の人しか見たことがないと思います(私もない)。沖縄や小笠原に行っても、よほど運が良くないと出遭えない(特に小笠原は船の年間入島人数の制限がある)。動物園で飼育している所もありますが、飛ぶ姿は見れない場合が多いようです。
というわけで、一般には実物が飛ぶ姿を見る機会は少なく、普通はYouTube等で見るしかないですよね。


今、昆虫から哺乳類まで、様々なバイオニックドローンが作られています。主に教育目的とされていて(しかし海外ではカラスの怪しいドローンが出没して騒がれているけど)、実物の体の動きや特徴をコンピューターで精密に分析して、ほぼ正確に再現しています。

オオコウモリのドローン(Bionic Flying Fox)も作られています。これだとスローモーションでじっくり見られるので、教育目的には良いのかも。
鳥のバイオドローンもあるので、見比べると、コウモリと鳥の飛び方はどう違うのかわかります。(下のほうに動画あり)

両者の飛び方の最大の違いは翼にあります。コウモリの翼は皮膜、鳥の翼は羽根です(「コウモリの羽根」と書いている方がいますが、それ間違い)。
コウモリの学名 Chiroptera は、古代ギリシャ語の cheir(手)と pteron(翼)が
由来で、哺乳類の分類では翼手目。
皮膜なので薄く、柔軟でストレッチ性があり、細かく複雑な動きができます。
コウモリの翼の構造は この記事にわかりやすく図解していますよ


鳥はわりと定型的な飛び方をしますが、コウモリ(特に小コウモリ)はアクロバット飛行をします。自由自在に翼を動かして急旋回、上下反転などを行います。

上下反転といえば、コウモリが一瞬のうちに頭を下にして天井に留まる技は自然界でも難易度の高いウルトラCの技で、なぜ可能なのか、科学者達にも長年の謎だったそうですが、コウモリはフィギュアスケーターのように慣性力を利用していることが判明したそうです(出典) 

コウモリはヒラヒラ優雅に飛ぶ印象なので、そんなにスピード出ないよね?と思われるかもしれませんが、小コウモリの中には、飛ぶ動物の中でぶっちぎりの公式地球最速記録を出した種類がいます。やる時はやるよ! (´∀`*)
        

これがBionic Flying Fox

こちらは鳥バージョン


ところで、上のロボを見て「白いコウモリなんて変」と思った方、世界には白いコウモリがいます。南米ホンジュラス等の熱帯雨林にのみ生息するシロヘラコウモリ。「コウモリ界最強の可愛いさ」とも言われ、特に女子に人気絶大です。ご存知ない方はぜひ動画を見てね。

とても小さく、集団で暮らす



実家では長年、沢山のセキセイインコを飼っていました。だから私もセキセイインコを始めとして小鳥も好きだし、可愛いですよね。
小鳥好きの方も、もしコウモリを身近に知れば「小鳥と同等か、それ以上に可愛いかも…」と衝撃を受けるかもしれません。


哺乳類なので人間と共通する部分も多いし、賢くて喧嘩を好まず、能力は高いのに控えめで仲間思い。茶目っ気もあり、人間なら友達に欲しいタイプです。
そう思っているのは私だけじゃなく、日本の動物研究者の方も「こんなに
健気な哺乳類は珍しい。コウモリを知ればきっと好きになる」
と本に書いていました。


でも、その謙虚でおとなしい性質ゆえに、コウモリの良さは一般に理解されにくいというか、損をしている気がしなくもないんです(個人の意見)。
コウモリの美点は分かる人には分かるけど、分からない人には分からない。残念ながら数としては分からない(気づいていない)人のほうが多い。
「コウモリがもっと押しが強くて図々しい性質なら…」と思う時もあります(個人の意見)。


私の実感では、日本でも海外でも、コウモリに偏見を持たずに好いて下さる方は、どちらかというと控えめだけれど信念を持ってコツコツやり続ける、優しい方が多い印象です(´ェ`)

   今回もお読み頂き、ありがとうございました 。

※記事の内容の転載はお断りいたします。


★どこにも所属しないコウモリ愛好家です。個人的に好きな海外の種類について、海外の専門家に教えてもらいながら調べています。
誤解されがちなコウモリという素晴らしい動物の魅力を広めたくて本を書いたり、ラジオ番組で取り上げたり、ミニ講座で話をしたりしています。専門家や研究者ではないので、分からない点は専門家にも教えて貰っています。コウモリがお好きな方、繋がりませんか?
コウモリを正しく知ろう、守ろう

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