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今更聞けない、スポーツ団体ガバナンスコードって何?の話(第3回/全8回)

こんにちは。弁護士の紙尾浩道です。

今日もスポーツ団体ガバナンスコード(以下「GC」といいますね)のお話の続きです。

第1回では、全体像を、第2回では、一般スポーツ団体向けGCの原則1を解説しました。

まだ読んでない方は、ぜひ見てくださいね!


さて、今日は、一般スポーツ団体向けGCの原則2以下を見ていきましょう。

原則 2
組織運営に関する目指すべき基本方針を策定し公表すべきである。

これだけだとざっくりしすぎて「?」という感じ。何を作ればいいの?と思いますよね。

そこで、少し下側にスクロールしてみると、補足説明があります。

【補足説明】
・ 一般スポーツ団体がステークホルダーの理解を得つつ,安定的かつ持続的な組織 運営を実現するためには,組織として目指すべき基本方針(ミッション,ビジョン 等)を策定し,公表することが求められる。

・ その策定に当たっては,組織運営に関わる一部の役職者のみで作業するのではなく, 当該一般スポーツ団体の活動に関わる多様なステークホルダーと対話し,それらの 意見を反映させることが望まれる。

・ 目指すべき基本方針の公表方法については,各一般スポーツ団体のウェブサイト 等で行うことが望まれる。また,ウェブサイト等を有していないスポーツ団体に おいては,上部団体等のウェブサイト等を利用して開示することが望まれる。

・ なお,公的助成を受給するなど一定の人的・財政的規模を有すると認められる団 体においては,目指すべき基本方針のみならず,中長期的な目標並びにその達成 を確保するための中長期基本計画及び財務の健全性確保のための計画を策定し, 公表することが望まれる。その際,中長期基本計画は,目標達成のための課題を抽 出し,その解決のための方策及び実行計画を盛り込むとともに,計画・実施・検 証・見直しのプロセス(PDCA サイクル)を実践可能なものとすることが望まれ る。また,財務の健全性確保のための計画については,中長期的な視点から明確か つ測定可能な目標を記載した計画を策定するとともに,当該計画に基づき会計年 度ごとの詳細な計画を策定することが望まれる。

うわ、もうすでに読む気失せた方もいますかね?

すごく雑に要約すると。

1 基本方針(ミッション・ビジョン)を策定、公表する

2 基本方針(ミッション・ビジョン)の策定は、代表者・理事だけではなく、選手審判などの競技関係者や、学生団体、スポンサー企業などの意見も聞くべし

3 基本方針(ミッション・ビジョン)はウェブサイトなどで公表すべし

4 助成金をもらったりするそこそこの規模の団体は、中長期的な計画もしっかり立てて、目標達成度合いをしっかりチェックするべし

とまあ、こんな感じです。

なんだかすごく雑に見えますよね?

それもそのはず、このGCは、対象となる範囲が明確に定められてるわけではなく、めちゃくちゃ広いんです。

なので、小さくは、地域のスポーツ少年団から、大きくは川崎フロンターレまで、みんなこれを守るって共通点のみを括り出しただけなのです。

実際に公表されている基本計画を少し見てみましょう。

うわ、このページスマホ対応してない。見にく。

と、いうことで、取り上げる例を変えてみますね。


こんな感じです。

浦和レッズは、サッカーをはじめとするスポーツの感動や喜びを伝え、スポーツが日常にある文化を育み、次世代に向けて豊かな地域・社会を創っていきます。

サッカーに限定しているわけではなくて、スポーツが日常にある文化を育む

ってところに信念がありそうですね。

こちらは、船橋という地域を強く打ち出しています。
バスケ王国千葉を目指すとまでありますね!

こんな面白い分析をしている記事もありました。

これらはいずれも大きなチームの例ですので、小さな団体はもっと地に足のついた目標を定めてもいいんでしょう。

次の文章は、完全に私見なので、読み飛ばしポイントです。

「スポーツを通じた感動・興奮」って言う言葉が多くのチームなどで使われているように思います。
きっと、試合を観たら凄い!とかワクワクする!とかハラハラする!ポイントが多いんですよね。
気持ちはめちゃくちゃわかります。
ただ、個人的には、感動や興奮が届くと、その人の人生がどうなるかに着眼してほしいなぁと思っています。
「趣味はありません」を卒業できます!
家族で最高の時間を共有できます!
サポーター、それは主役です。
若者の頑張る姿で、励まされてみませんか?
世界戦への船に乗れ!
などなど、こんな感じで、「感動をお届けされた側」の人の人生がどれだけ変わるかを魅力的に伝えて欲しいなぁ。
スポーツ好きな方は、わかりますよね!めっちゃ楽しいじゃないですか、人生変わるじゃないですか?
「感動と興奮をお届けします」は、そんなスポーツを知っている側からの目線でしかないと思うんです。
初心者に優しく。某ラーメン店のように、ルール知らずの初心者が来ることへのハードルをあげないように。うーん色々考えますね!
※決して某ラーメン店が悪いとは思いませんよ!むしろ、僕自身、大好きでおかげでダイエットが趣味になっているわけで。涙


さて、次回は原則3に移りますね。

以上、今更聞けない、スポーツ団体ガバナンスコードって何?の話(第3回/全8回)でした!

では、また。

記事をお読みいただきありがとうございます。弁護士は縁遠い存在と思われないよう、今後も地道に活動をしようと思いますので、ご支援よろしくお願いします。