ルパン三世 カリオストロの城

宮崎駿の名作。ルパン達が幻の偽札(ゴート札)の謎を解くべく、カリオストロ公国での話が繰り広げられる。名シーンや名言が多くて何度観ても飽きない。

1517年に2つに分かれたカリオストロ家。表舞台(光)を太閤家が受け持ち、その末裔がクラリス。裏社会(影)の謀略と殺戮を伯爵家が司り、その末裔がカリオストロ伯爵。
伯爵は先祖カリオストロ家が遺した財宝を手にすることと、国内外で政治的影響力を盤石にするためにゴート札を発行して太閤家のクラリスと政略結婚を目論む。んで囚われたクラリスをルパンが救う。そして先祖カリオストロ家の財宝は、指輪の謎を解いたことで水門の役割もあった時計塔が崩れて、湖に沈んだローマ遺跡が出現。大きすぎてルパンも盗めず、自由の身になったクラリスはルパンに心を奪われるという、まじで綺麗なお話。ルパンと銭形のすったもんだはもはや清々しい。

最初のカーチェイス後に指輪を手にすしてゴート札へと話が展開する。火事で焼けた太閤家の屋敷があって、ルパンは昔を回顧する。屋敷が湖畔にあったのは常にローマ遺跡をすぐ側で見守っていた訳ですね。
伯爵側もルパン達を抹殺しようと試みる。伯爵家は先祖代々、太閤家と政略結婚を繰り返してそう。中世の貴族的な観念が色濃い。

カーチェイスや銭形警部の最後の言葉が有名だけど、特に好きなシーンはルパンが城に侵入して北の塔のクラリスと再会したところ。塞ぎ込むクラリスに優しく声をかけて心を通わすシーン。ここがストーリーの隠れた転換点だと思うんだ!クラリスが心を開いて笑顔を見せたんだ!第2の始まり!
個人的には不二子にもっと映ってほしかった。グライダーで飛んだのとTV中継だけだもんなあ。とはいえ重症のルパンに新聞記事を届けたり銭形に電話したりと暗躍してるから、不二子なしではルパン三世作品は成立しないのかも。、

作中ICPOの政治的な話は子供のとき何が何だかわからなかったけど、今めっちゃわかっておもしろい。銭形が悔しそうで同情した。
ローマの遺跡はラピュタに出てくる水没した空中都市に通ずるものありそうでロマン広がる。

ルパンはマジなところとおチャラ気のバランスが絶妙で大好き。お宝の謎を探る道中で関係する人たちの心模様を表現している。かと思えば不二子ちゃ〜ん的な軽さもあってつい吹き出してしまう。
今年はルパン三世50周年。同時上映の新作は過去に出てきたキャラと再び対峙する。にしても不二子の扱いがエロすぎ。敵キャラの異常性を表現したいんだろうけど。二次元のセックスシンボルは不二子の右に出るキャラは少ないだろうなあ。

新シリーズは次元の声優が小林清志さんではなくなるそうで。CMでチラッと出てたけど、なかなかダンディで楽しみっすわ。

以上