ビルボード甲斐2

甲斐よしひろ Billboard LIVE 2016 TOKYO

♪ あれは血まみれの愛の暮らしさ ブラッディ・マリー ♪

「いつ以来だろう? そもそも演ったことあったっけ?」

というMCで4曲目は始まった。『ブラッディ・マリー』。
いえ、ROCKUMENT で演ってます、土屋公平を引き連れて。ただ僕自身、ライブで聴くのは初めてだった。

若いころ、原宿のライムライトというバーで、ブラッディ・マリーを頼んだことがある。この曲が好きだったからだ。赤い色をしたロングカクテルとしか知らずにオーダーした。そして一口飲んで後悔した。それはウオッカとトマトジュースのカクテル。僕はトマトジュースが飲めないのでした。即座に隣に座っていた人間に飲ませたのは言うまでもない。苦い思い出である。19の夏の出来事です。

会場であるBillboardは酒を飲みながら鑑賞できる。この日はI・Wハーパーの水割りを飲みながら聴いていた。普段のライブでは酒を飲みながらはない。Billboardならではのリラックスした雰囲気。そこで聴くブラッディ・マリーは格別だった。Billboard LIVE 2016の目玉はこの曲だった、と言い切ってしまいたい。

そしてオーラスは「吟遊詩人の唄」。

「ROCKS Ⅱ」に収録されていて、一昨年の日比谷野音で演ると思っていた。演らなかったのがとても残念に思えた。この曲もライブで聴いたことがなかったからだ。やっと念願がかなったことになる。

♪ 愛を奏でながら 街から街へと ♪

昔、営業職で各地を歩き回っていたころ、この曲や「熱狂(ステージ)」に励まされた。安住するのではなく、流され続けたいと思うのは、そのころの経験のせいだという気がする。

今回のメンバーは、ギター:鈴木健太、ウッドベース:木村将之、フィドル:磯部舞子。ギターの鈴木健太に注目が集まっているけど(そしてそれは当然だとも思うけれど)、それ以上にウッドベースの木村将之がいい。アコースティック・ギグならではのウッドベース。演奏の良し悪しは、リズムで決まる。それを実感できるベースだった。

大阪も終わったので、もうセットリストをあげても大丈夫でしょう。「荒馬」もライブでは初めて聴いた。去年に続いて「円舞曲(ワルツ)」、Billboardにフィットする曲だ。Billboard LIVE が続く限り、演り続けてほしい。
■セットリスト
01.街灯
02.荒馬
03.冬の理由
04.ブラッディ・マリー
05.500マイル
06.卒業
07.夕なぎ
08.冷血(コールド・ブラッド)
09.円舞曲(ワルツ)
10.風の中の火のように
11.破れたハートを売り物に
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12.黄昏に消えた
13.安奈
14.吟遊詩人の唄

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