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この砂漠で生きている

先輩の新譜を頂いたのでメモとして書いたものを残しておきます、あくまでメモです、人に読ませることを考えていません、聴くときの参考には全くなりませんので悪しからず。

1 ゴーストタウンレコード
cero「水平線のバラッド」のようなシンプルな構成にいやらしいコードの配列でガクッとくる、サンダーキャットも少し感じる

2 この砂漠が生まれた日
ピーターガブリエル、ぶっといシンセベース感にデイブフリッドマンを感じずにはいられない、後半のノイジーなギターは90年代オルタナを通ってきた加藤さんらしい

3 クロニクル
クロニクルと言ったらフジファブの4枚目を思い出す、ストックホルムでレコーディングされたアルバムで演奏や楽曲にもその温度を感じる(くるりで言う「アンテナ」のような、透き通った青さがある)
この曲にもそういった肌に刺さるヒリヒリしたものを感じがある。

4 生きながら時計屋に葬られ
ここまで聴いた曲の中では1番加藤さんのバックボーンが色濃く反映されている、aiko、ガーネットクロウなんかのjpopと真摯に向き合ったオルタナティブ、リズムやコード進行を普通で終わらせることをしないこの男よ

5 スカーツリー
フィッシュマンズ、ポラリスを思わせる浮遊感やcero「大停電の夜」のようなメロウさが良き、景色は夜だ、虚しさが溶け出した夜の景色

6 なんにもいないまち
知久さんが歌ってもおかしくない“たま”のフレーバーを感じた、“たま”と言えば灰緑のレコ発企画のようなものに加藤さんの運転でシェルターに向かったことがある、その時の車内で”たま”のレアな音源を色々と聴かせてもらったのを覚えている、意外と長い付き合いである

7 ラストスノウインエイプリル
怪曲、ブラジル音楽と「ロングシーズン」を合体させたようなとでも表現したら良いのか、PMODELと形容する人がいるのも納得。

8 イカロスソング
灰緑「アラビア」の歌い出し「砂漠に積木がやってくる」という歌詞をなんとなく思い出した、リズムが童謡的世界観を作り訓話な側面のある一曲、民謡や演歌などへのアプローチも加藤さんのここ最近の特徴

9 アイラブザグレイブヤード
加藤さんとは以前ジャズやスカバンドを一緒にやっていたことがある、元々フィッシュマンズやそういったレベルミュージックも聴いていたからダブやレゲエの曲が現れても流れとしては当然だろうと思う、ここでも童謡や歌謡曲的なメロディが使われている、タイトルを日本語にすると「私は墓地が好き」になる、墓場鬼太郎か?

10 悪魔に恋をして
the歌謡曲、作ろうと思ってこういう曲調のものを作れるセンスと知識が羨ましい、悪魔とか呪いのようなブードゥー教的物騒ワードも加藤さんの曲によく出てくる気がする、丸尾末広や横溝正史およびミステリー小説に影響を受けた加藤さんらしいワード選び

11 オセロ
MGMTの1枚目を想起させる音像がある

12 あぁ、俺呪われた!
シンセの部分がコーラスだったらトムトムクラブやPファンクっぽくなりそう、秩序と混沌のバランスが気持ち良い、アコギや咳き込みには岡村靖幸的なフレーバーを感じる、これはバンド編成で観たい曲、このアルバムで1番好きだ

13 冒険しようぜ
クインシージョーンズ?(オースティンパワーズ)と疑うパーカスから始まるがモノクロックスから聴いている人には馴染みのある曲

14 幻の海
怪曲その2 今度は宇多田ヒカルの影響を感じる、EDMやエレクトロニカ寄りのテクノが時間と共に変質していく9分に及ぶ長尺、コロナになってから見始めたカミナリのYouTubeにドンキーコングの作曲家デビットワイズが出演していて(今度来日イベントまでする)そこからまたデビットワイズの曲を聞き返しているのだけどそれに通づるアンビエントさがある、オウテカ、オービタル、エイフェックスツインみたいな音が私は好きだ

15 光にならない光たち
カントリーまで出てきた、ここまで聴いて思う、曲作りすぎだろこの人、飲み行って山登って温泉入ってどこにこんなに曲を作る時間があるんだ、自分の理想はキャリア10年でアルバム3枚ぐらいなんだけど真逆を行ってる、しかも2枚組ってらなによ、音楽活動を休むと言っても曲を作り人の録音も手伝うぐらいの音楽狂いなので80歳ぐらいになっても音狂老人卍として音楽を続けて欲しい、そういや加藤さんと音楽や映画以外の話をあまりしない、してもほぼ盛り上がらない、出会ってからあがた森魚のジパングボーイのプロデューサーが細野晴臣とかデビットリンチがどうのこうのとかそんな話しかしていない

16 グリーンカーニバル
また曲とは話が逸れるがこのアルバムはキーボードが多用されている、鍵盤が弾けるのだからギターではなく鍵盤でライブをすれば良いのにと飲み屋で酔っ払うたびに提案しているが却下されている自分の要望が通ったのがこのアルバムでやはり私の思った通り、鍵盤の方が音の粒が分離してより深いコード感や細かいニュアンスに手が届いている、器用で凝り性のその才を存分に発揮されたのがこのアルバムでまさに集大成

17 夏ノ日ノ夢
Bメロがサビ感あってそこからさらにサビに入る展開が面白い、スネアの音が耳に残る、こういったリズムや音色が頭に残る様に曲を作っているのはデイブフリッドマンやアルビニの影響だろうと思うし、わかる人にはにやりポイント

18 砂時計
コンセプトアルバムということで曲を跨いで砂漠というワードがでてくる、「砂漠」、全てが砂に返った文明の崩壊も思わせるけどスターウォーズ ファントム・メナスでアナキンが住んでいたのは砂の惑星タトゥイーンでそこから物語が始まったのでいわば砂=すべての始まりとも私は思える、すべてのものに終わりある命がある、結局は砂に返る、私たちは地球という一個体というエヴァンゲリオン的な解釈もあるのかもしれない

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追加
ジャケ写でも拝借しようとHPを見たところアルバムのコンセプトちゃんと書いてありました、私の勝手な解釈なんやねん、考察大好きな人みたいで嫌だわ、そんなこんなで完成おめでとうございます、また飲みにいきましょう🍺


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