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悪夢

昨日、飲みすぎたのか悪夢を見た。
「太るから」という女子みたいな理由で(いまどきこの言い回しは怒られるだろうか)晩酌を久しく辞めていたのだがついつい魔が刺して手を出してしまった、これが浮気と同じ原理ならきっと浮気というものはなくならないだろうと思うがたぶん違う。

夢の話
なんでもない日曜の昼下がりに山の向こうから地鳴りが響き渡る、「ゴオオオオ」と太く鈍い音が空気を振動させ、あらゆる匂いを押し流し強風となって吹き荒れた、窓を閉め外の荒れ具合を眺めていると空が曇り出し嵐のようになった。
布団に入りスマホでTwitterを開くとその異常気象の話で持ちきりになっている、「核爆発の振動だ」「どこかに隕石が落ちた」「太陽が爆発した」などの情報が錯綜している。
人々の不安と共に夜が来た、相変わらず強風が吹き荒れている、しかしテレビのお笑いやYouTubeを観ていると不思議と明日には元に戻っている気がしてコーヒーを入れ煙草に火をつけ、いつも通りの夜を過ごした。
朝7時に起きると風は止んで静かだが外は暗かった、スマホに電波が入っていない、電波がないと時計が合わないなんてことはあるのか?
パソコンもつけたが時刻は朝7時だった、こちらもネットは繋がっていない。
大規模な通信障害でも起こったのだろうか、テレビをつけたがそれも映らない。
今現在なにが起きているのか全くわからない、家の外をみると目の前の幹線道路には車の渋滞、信号機は動いている、電気も供給されている、とりあえず出勤の準備をして職場に向かう。
職場に着くとやはり混乱していた、通信網が全て途絶えて仕事にならない、連絡がつかずに安否のわからない人もいる、復旧がいつなのかもわからない、とりあえず現状でこなせる仕事をすませて帰宅。
帰り道の渋滞を見ていたら東日本大震災を思い出した、ガソリンの供給も止まるのだろうか?電気は?水は?
同じようなことを考える人でスーパーやドラッグストアは溢れていた、水や食料が買い占められている、この先も暗いままの世界だとやがて植物も育たなくなる、水や電気の供給も止まったらおそらく物流も止まり、そこから仕事よりも生命の維持を第一に考えて生きなければならなくなるだろう、警察も機能するのかわからない、犯罪も増えるだろう、そもそも群馬だけの話なのだろうか、それとも世界中?
一瞬にして様々なことを考えたがこのまま世界が終わってしまうかもしれない恐怖よりも先にもう会えなくなるかもしれない友人たちのことが浮かんで涙が溢れていた。
みんな大丈夫だろうか、こんなわけもわからずにお別れをしなきゃならないなんて。
理不尽すぎて後悔しようにもできない、窓の外は暗いまま、遠くが薄ら明るくなっている、何かが燃えているのだろうか、外には無数の鳥の死体が転がっていた、もうそろそろ私も死ぬのだろう、次第に意識が朦朧とし視界がブラックアウトして夢は終わった。





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