見出し画像

サンキューしらない世界

ここ数日のオリンピックをみて、それから気になっていた映画を突然3本鑑賞して、それらの感想をひとことでいうと「しらないことだらけだなあ」。ばかまるだしの感想なのですが、それでもほんとうにそれを実感しては、悪くない溜息をつきたくなる。

カーリングもビッグエアも、フィギュアも大回転もパシュートも、スポーツ観戦をしないわたしには全て等距離にある縁のない世界なのだけど、テレビをつければそれらの世界頂上決戦が無料でみられるってこれかなりすごいことですね。ルールも無知なので、特にカーリングとフィギュアは「え、これでこの得点なの?あ、そうなの?へえ?」のようなテンションでぽけーっと画面を見つめるわけですが、見ていて気持ちがいくのってルールや得点や成績よりも「ひとりのひとがそこにかけている情熱、辿ってきた軌跡」のようなところになる。だからもうどんな失敗をしようが大成功をしようがおしなべて「ふわ~すごい~がんばってる~」というあほっぽい気持ちでソファに座っている。さっきまでしらなかったひと。しらなかったルール、しらなかった世界。数秒前まで全くしらなかったその世界には気の遠くなるようなドラマがあって想いがあって、なにかが満ちているんだよな~。果てしない。16歳でオリンピックってどういうことだ、滑って飛んで着地してほんの数分だけの、でもいろんなことが詰まったその舞台に16歳で辿りつくその人生。この子はあと何度世界の舞台に立つことになるんだろう、はあ。

今日は朝からきみはいい子を観ていて、そしたら主人公の姉役の女性がおととい観た恋人たちに出てたひとと一緒だった。恋人たちはそもそもぐるりのこと。を観て橋口監督~~~!と大興奮してしまったその勢いで観ていたもので、元々そこまで興味があったわけではなかった、たぶんぐるりのことを観なかったらまだまだずっとあとに出会ってただろうなという作品なのだけど、3人の主人公、初見ながら演技がとてもよいなあとおもって、そして、あ~いい俳優さんって有名なひとばかりじゃないんだよね、と、なにをいってるんだという感じのことを改めて感じた。映画もドラマも、映像作品を観る上でキャストってどうしても大きなウェイトを占めているから「このひとがでてる!観たい!」になりがちだし、たぶん心のどこかで「この名前だれ?しらなーい」みたいな自分もちいさく存在してしまう。そのことをじりじり認識したのが恋人たちだった。この作品のメインの役者さんは完全に顔も名前も初めましてで、突然目の前に現れたかと思ったら颯爽とプロの仕事をこなして去っていった。そしてメインではなかったけれど印象に残っていたひとりは二日後にまたしれっと目の前に現れた。ほら、ここでまたしらなかった世界の端っこをつかむ。認知している俳優さんなんてごくごくごーく一部なんだよなあ。きみはいい子で障害のある男の子を演じた子役、すごい上手だなと思って調べたらもういろ~~~んな作品に出ているし、ドラマ鈴木先生でやばい女の先生を演じてた沢口靖子も出てくるし(鈴木先生が初見だった彼女、あちこちに出てるベテランさんということを知ったのは結構最近のはなし)わたしのしらない時間の流れをまた知るじゃないですか。そういうのを感じるときがすごいすきだ。途方もないしらない世界の大きさを実感するのがおしなべてだいすき。きみはいい子、タイトルコールもすごいすきだった。映画は最初数カットとタイトルコールの入り方にとても注目してしまう。フェチかもしれない。

#日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?