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さまざまな愛のかたち

6月19日18時58分、部屋に入る風が夜になった。太陽はまだ沈まない。窓の外にみえるマンションが夕焼けに照らされて赤かった。夏至まであと2日だった昨日。昼ごはんにごはんとベーコンエッグとサラダとクリームコロッケを食べた。コロッケは午前中に買ってきたもの。コロッケといえばクリームコロッケ、というのはたぶん小学生の頃から変わらない。1位はコーンクリームコロッケからカニクリームコロッケになったけど。愛しの俵型。ベーコンエッグを食べたのは久しぶりで、最後に食べたのは実家で母と二人で昼ごはんを食べたときだったと思う。久々に黄身を口に入れたら、加熱された黄身の独特の匂いがあの時間をフラッシュバックさせた。家を出てからそういうことがすごく多い。自分でつくった弁当を食べてもつくったおかずを部屋で食べても、スーパーで惣菜を買っても陳列された佃煮をみても、いちいち丁寧に思い出す家族のこと。わかってたけど、家にいるあいだずっと、ふっかふかな愛のなかにいたんだ。思い出してさみしいとか切ないとかは何もなくて、ただ何を見ても食べてもだいたい家族のことを思い出してしまうその記憶の根の張り方に圧倒的なものを感じる。

今日、仕事を終えて帰宅すると同居人が録画したドラマを眺めていて、脇にはこのあいだ頼まれてスーパーで買ってきたもずくのパック。「夜ご飯なに食べたんですか?」「もずく」「だけ?!」「今日もう気力なくて〜!」結局わたしがご飯をつくるついでに二人分つくることに。ラーメンが大好きで麺だけでもドレッシングやめんつゆで定期的に食べたいわたし、ラーメンだけは自分のお金で買っている。(食材の購入は基本的に共有のお財布から。) そんな大事なラーメンを夜ご飯にとくべつに分けてあげるなんて、ちょっとした愛のかたちかもしれない。ラーメン、1玉しかなくなってしまった。

#日記

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