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夏の入り口

7時半にぱっちりと目が覚めた。
同居人を起こしちゃ悪いなと思ってそっと引き戸を開けたら部屋にはだれもいなかった。どうやら帰宅しなかったらしい。こうなれば清々しく活動的な休日をスタートさせるほかない!洗濯機を回し珈琲を淹れ朝ごはんをすませ、キッチンとトイレと居間と寝室をさくさく片付ける。外は久々の快晴で気分は完全にスイッチオン。2週間前に届いた大切な革靴を履いて駆け出すぜ初夏!

美容室で髪色をすっかり暗くして(地毛に戻したいと思い続けて三千里、はっきりと伝えられないまま3億年が経ち、いつになったら戻れるのか、地毛)、全体的にイメージより2センチくらい短くなり(いつものこと)、前回かけたパーマは残ってるのかどうかよくわからない(美容師さん曰くまだ残ってる…らしい…?)、でもまあ今朝までのぼさぼさ頭よりは全然いいでしょ、という感じでお昼は格安激うまうどん屋さんへ。店主のおじちゃんが超やさしいし超あったかい。食べ終えてカウンターへ食器を下げにきたひとりひとりに「仕事頑張ってね!」と声をかける。青いワンピースを着て仕事感ゼロのわたしに対しては「お仕事だったら頑張ってね!!」だった。つよい。かわいい。にっこり会釈をして退店した。

市電に揺られて15分ほど歩き、パワースポットであるアンティークショップへ。商品を舐め回すように見ながら店主に近況報告をし、飲み物をいただいて、たまにちいさなおかいものをして帰るこのお店。店主の雰囲気とセレクトされたものの空気感、店構え、全てがわたしを肯定してくれるすごい場所。わたしの靴をみて「あらいい靴!ずっとはけるね!」とすかさず声をかけてくれる。わたし今日このひとのためにこの靴はいてきたんじゃないかな。少し休憩したくてオレンジジュースをいただく。ジュースのお供に選んだ美術展の図録がとてもよかった。松本市美術館で開催されていた「素と形」という美術展。質のよい日用品がよい構図で撮影されていた。どれもこれもよい写真。被写体の経年変化のうつくしさ。それぞれのモノに流れていた時間を想像して圧倒的な途方もなさを感じる。よい日用品がとてもすきだ。

今日はiPhoneの電池の減りが異常にはやくて、帰路は音楽を聴かないことにした。7時すぎの街中はもう夏の夜のにおいがして、雑踏の音もどことなく浮ついている。街の真ん中の公園にはカップルやスケボー少年や青春真っ最中の高校生、夏だった。いいなあ、夏。わたしも夏やりたい。BBQも海もいらないけど、手持ち花火くらいやりたい。いや、手持ち花火がやりたい。火をつけるものを持ってないから、花火に付き合ってくれる相手とコンビニでライターを買うところからね。

#日記

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