新婚旅行記2022/3/8(火)

2022年3月8日、火曜日。
新婚旅行3日目。

銀山温泉・永澤平八で迎える朝。
朝食も部屋の隣の広間でいただく。
小鉢がたくさん並ぶ和食。量もちょうどよく、美味しかった。

朝食を食べてから出発までの時間は、オタマトーンの撮影時間と相場が決まっている。
部屋の窓際に、家から連れてきたピンクとブルーのオタマトーンを2匹並べて、外の景色を背景にして撮る。
いつか旅で撮ったおたま写真をまとめて写真集を出したい。と、ずっと言っているがなかなか形にならない。そのうち。

外は今日も雪が降っていた。
宿を出て、外観の写真を撮っていると、宿の方が「撮りましょうか?」と2人の写真を撮ってくれた。ありがたい。
新婚旅行で来たことを話すと、最近はそういう人も減った、とおっしゃっていた。
また駐車場まで送っていただいて、後ろ髪を引かれながらも、銀山温泉を後にする。
さらば憧れの銀山温泉。また来たいな。

我々はまた少し北上。
この辺りは豪雪地帯らしく、民家の脇に2メートルほどの雪の壁ができていた。異世界。
雪の中をひたすら走る。いつの間にか青空が見えていた。

着いたのは、鳴子温泉。
私がこけし好きなので、ここに寄ることになった。
横浜の人形博物館でこけし展をやっていた時に鳴子のこけしを購入したことがあり、あの子の故郷という意味でも来てみたいところだった。

旦那は以前来たことがあるらしい。
その時に訪れた「鳴子峡」に行こうとしたが、入口が見当たらず。
「この辺なんだけどなー」とぐるぐる回っても雪ばかりで、どこから入るのかわからない。
それもそのはず、冬季は閉鎖されているらしいことがわかった。残念。

そのまま街のほうへ向かう。
途中に「岩下こけし資料館」があり、そこに寄った。
こけし資料館の駐車場に、巨大なこけしが2体立っているのだが、そのうちの1体の頭がなくなって身体だけになっていた。
落ちた頭は、建物の脇にひっそりと置かれていた。
……いや、ひっそりというレベルの大きさではない。
旦那が巨大こけしの頭の横で写真を撮ったが、こけし頭部の直径は旦那の身長と同じくらいだった。
とてもシュールな写真が撮れた。

資料館の中に入る。
入口はお土産コーナーになっていて、奥が資料館だった。何かの体験ができると思われる場所もあった。
資料館には、こけしをどうやって作るかとか、作る機械とかの展示があった。
こけしを眺めることはあっても作り方までは知らなかったので、興味深く見た。

一通り見て入口に戻り、販売されているこけしやこけしグッズを眺めた。
せっかくなので、こけしを買っていくことにした。
販売エリアには大小さまざまなこけしが並んでいて、可愛い。たくさん集まったこけしを見るのが好き。
我々が選んだのは、家の玄関に置ける小さめの、夫婦こけしというもの。
台座付きで、可愛いこけしが2体並んでいる。
以前鳴子こけしを買ったのは横浜だったが、今度は本場・鳴子に来て手に入れられて嬉しかった。

資料館を出て街のほう、鳴子温泉駅のあたりに着いた。
街を歩いてみると、いたるところに大きなこけしがいた。
郵便局のポストがこけし仕様なのは面白かった。

駅舎内にはリアルこけしが並んでいて、作家さんによってこけしの顔や形が違うのがよくわかった。
我々がこけし資料館で購入したのは、遊佐妙子さんのこけし。目がくりんとしていて可愛らしい。

近くに手湯があったのでつかったり、お土産屋さんを覗いたり。
旦那が以前来た時に入ったというお店に行ってみた。

急に恥ずかしい話をするが、プロポーズの時、旦那は私に小さなこけしをくれた。
それをもらった私は、可愛いこけしに喜んだ後、なんか胴体のところを開けられそう、と思って開けてみた。
すると、胴体に手紙が入っていた。
一見するとただのこけしだが、実はこけしの胴体に手紙を入れられる、というものだった。
粋なことをする。

その手紙を入れられるこけしを、この店で買ったのだそうだ。
そこで私はこけしメモ帳を買った。職場で使わせてもらっている。

色々と思い出のある鳴子温泉を堪能して(温泉には入らなかったけど……手湯は入ったか)、
我々は次の目的地へ出発。

これまで本州を北上してきたが、ここから初めて南下。
向かうのは仙台空港。
レンタカーを返却して、これから空を飛ぶ。

空港でお昼。仙台らしいものを食べたいと思い、牛タンを食べた。
それから大好きな萩の月を買った。パッケージが仙台空港限定版だった。

飛行機に搭乗して、いざ離陸。
さらば東北。
これにて新婚旅行東北編は終わり。

久しぶりの飛行機だ。コロナ禍に入ってから、というか結婚してから……いや、遠距離じゃなくなってからは、滅多に乗らなくなった。
しばし、空からの景色を楽しむ。空は吸い込まれそうなくらいの青。
眼下に広がる大地と海。連なる山々。山々に堰き止められている雲。
飛行機からの眺めは楽しい。能登半島がよく見えたのを覚えている。

そこから私は少し寝た。
旦那は起きていて、外を眺めていたらしい。
高いところが好きな旦那。さぞ楽しかっただろうな。

着いたのは、福岡空港。
新婚旅行はここから九州編に入る。
雪がない!

本日の宿(博多駅近くのホテル)に荷物を預けて、暗くなり始めた博多の街をぶらぶらする。
夕飯は屋台で食べたいと思っていたので、中洲のほうに向かって歩いていき、「貴賓館」という建物がある公園を通りかかった。
公園内に、「FUKUOKA」の文字のモニュメントがあったので、つられて写真を撮る。
こういうモニュメント、最近いろんなところで見る。FUKUOKAもその波に乗っているんだな。

さて、屋台を探すが、中洲のほうは人が多くて並んでいたりして、入るのをためらってしまう。
那珂川沿いに並んだ屋台のあたりなんて、人でごった返していて道を通り抜けるのも一苦労なほど。
これはさすがに密すぎる。
もう少し落ち着いたところはないか……とぐるぐる歩き回って、天神にたどり着いた。
天神は中洲よりもだいぶ落ち着いた雰囲気だった。
夜の博多をたくさん歩いて、もう2人とも疲れていたので、並ばずに入れる屋台を探した。

入った屋台は、「河ちゃん」というところ。
メニューには、ラーメンはもちろんもつ鍋や焼き魚まであった。
焼き魚がある屋台は珍しいらしい。確かに屋台に魚のイメージはない。

まずはラーメン、そして看板メニューらしい明太子卵焼きをいただき、もつ鍋、豚肉しそ巻き串、白身の焼き魚をいただいた。
これがどれもうまい!
屋台の雰囲気も相まって、ますます美味しく感じたのかもしれない。

屋台には常連らしいお客さんが2〜3人いて、ここは初めて? とか、どこから来たの? とか聞かれた。
私の隣に座っていたおじさんは、週に3〜4日は河ちゃんに来ているほどの常連らしかった。
これは完全に偏見だが、屋台でお酒を飲んでる人は声が大きくて豪快なイメージがあった。
が、このおじさんは比較的静かに喋る人で、喋る時もマスクをしてくれて、好感が持てた。
常連さんたちは、中洲の屋台は高いからこっちに来て正解、と話していた。
中洲は観光客向けの価格らしい。そうなのか。それはいいところに来た。

我々はホテルで晩酌するつもりだったので、屋台ではお酒は飲んでいなかった。そんなに酒飲みではない2人。
おじさんに「お酒は飲まないんですか」と聞かれて、ホテルで飲もうと思って、と返すと、おじさんは頷いて「それが一番いい」と言ってくれた。
屋台でお酒を飲まないなんてどちらかというと邪道だろうから、飲め飲めと言われるのかと思いきや。
またおじさんの好感度が上がった。

他にも色々話したと思うけど、あまり覚えていない。雰囲気で酔っていたのかも。
おじさんが帰ろうとしてお会計する時、我々のほうを指して「この2人の分も一緒に」と言ってくださった。
え!? いやいや、いいですよ、と慌てる我々。
おじさんは、「こういうカップル好きなんですよ」とか言っていた。何が気に入られたのか……?
店主さんにも別でいいですと伝えたが、「一緒にしときます」とにこやかに言われてしまい、結果我々はおじさんにすべておごっていただいた。
急展開に驚きつつ、ありがとうございますとお礼。
おじさんは、「この街を好きになってくださいね」と言って、去っていった。
なぜかその言葉が印象的で、よく覚えている。

まさか名前も知らない人におごってもらうなんて。想像もしてなかった。
今度から博多の屋台に行く人がいれば、天神を薦めようと思う。
美味しいし値段は安いし落ち着いてるし、温かい人がいる。

我々は屋台を後にして、ほくほくした気持ちでホテルに戻った。
ホテルでは、山形の「さくらんぼの酒」を飲んだ。
マッサージチェアがついている部屋だったので、ほぐされて癒されたりもした。
おじさんの好意にテンションが上がったまま、福岡の夜を過ごした。
旅って楽しい。

4日目に続く。

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