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【良記事】10のワーストプラクティスシリーズ(CVC編)

数々のワーストプラクティスシリーズ(?)を寄稿されているスタンフォード大学 櫛田さんの新記事。
1. 目的が曖昧
2. VC投資ができる人、事業部連携ができる人がいない
3. 報酬制度がサラリーマン向け
4. メンバーが「サラリーマンタイマー(3年)」でいなくなる
5. ファイナンシャルリターンを追及しない
6. スタートアップはお金に困っていると思い込む
7. 大量の社内承認が必要で遅い
8. とりあえずアクセラレータをやる
9. トップのサポートがなく、CVCと事業部が断絶
10. バブルの頃にやってきて業績が落ちると撤退
というもので、最近、当社も$100MのCVCファンドを組成した(https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2018/1211/fund.html)のでレビューしてみると、
1. これは大丈夫です。端的に言えば、「長期ビジョン2030実現の為(https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2018/1211/mtp.html)」です。また、過去3年半の間、ファンドではなく本社からの直接投資を行ってきており、投資というものの意味や狙いを理解した上でファンドという方法の必要性を理解し、その目的に合うように組成したからです。
2. これも大丈夫です。敢えて言えば私はVC経験もないし、投資自体あまり好きでもないのですが、あとのメンバーはローカル採用のプロなので。事業部連携は私の役割。
3. これも大丈夫です。キャリードインタレスト含め入念に設計しました。
4. これも大丈夫です。人に依存しないよう「ビジョンと文化」を構築したからです。
5. これも大丈夫です。あくまで戦略的リターンが主眼ではありますが、財務的リターンとトレードオフしないという理解とファンドとしてのKPIに財務的なものを盛り込みました。
6. 大丈夫です。これはCVCファンドかどうかではなく、スタートアップと付き合う際の心得ですね。
7. 大丈夫です。当社は直接投資でもそんなに時間がかかった事はない(ゼロではないですが)のとファンド組成で投資委員会の設立で大いに考慮しました。
8. 大丈夫です。アクセラレータはやるかも知れないですが(似た事は既にやっているかも)、「とりあえず」はやりません。投資というものを株式投資だけではなく、技術提供や事業アセット提供など広く考えてやっているからです。
9. 大丈夫です。これもこのファンドを「長期ビジョン」にシンクロさせた1つの理由です。
10. どうでしょう?まだ分かりませんが、長期ビジョンとのタイアップやファンドという10年期間の運用等、ベストプラクティスをやれたかなと思っています。

という事で少なくともワーストプラクティスは踏んでなくてホッとしました。ただ、だから成功するというものでもなく、このファンドというツールを使ってどう価値を最大化するか?はこれからです。


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