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「機会損失」は長期的失敗

アイデアや計画に価値は無く、実行にこそ価値があるというのはシリコンバレーやイノベーションのコンテキストでよく言われる言葉。この記事にあるように人は「手段」の方が具体的で評価可能なのでそちらに集中しがち。また、「目的」にフォーカスしていると、何も成果が出ていない(成果は出ているが計測できない)と判断されがち。

重要度と緊急度の4象限はよく出てくる図だが、ポイントは「緊急度は時間経過とリンク」しており、「重要度は世の中の情勢とリンク」している事。前者の緊急度は時間軸と言い換えてもいいが、リニアではない。ゆっくりと緊急度が高まるものもあれば、急速に高まるものもある。重要度はかなり複雑な要素の組み合わせで決まるが、自分でコントロールできる要素が必ずしも多くない。

物事の確実性・ビジビリティで言うと、緊急度が高いものはハッキリ見える。なので、その成果は測定可能。緊急度が低いものは見えにくい(見えていても変化の可能性が高い)。重要度はどうだろう?重要度によって確実性やビジビリティは変化しないように感じる。つまり、緊急度が高いと見えやすい。見えにくいものは取り組みにくいのは自然の判断。こうして多くの人や組織は「緊急」に資源を割き、「重要」に応じた資源配分を行えない。ここで大事なのは「緊急でないが重要」なものは時間経過と共に「緊急で重要」に来てしまう事。「緊急でないが重要」なうちに対処しておけば、有利であった事も「緊急で重要」となってからでは制約が多くつく(時間的猶予がないとオプションを選べない)。

「緊急かつ重要」をやる組織と「緊急でないが重要」をやる組織をどのくらいのバランスで設計し、またその成果をどのように評価するのか?答えのない永遠にベストプラクティスを探し続けるテーマのように感じる。


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