6/5 グロがメインディッシュだと味がしない。

月曜日にもかかわらずビールを飲み、孤狼の血という作品を観た。現代の邦画でここまでできるのかと感動したので勢いのまま筆を走らせてみようと思う。

グロの好みについてである。



僕はグロがメインディッシュになっている映像から何の味も感じ取れない。
グロが味付けに使われている程度なら良いが、メインに据えられると見るのをやめたくなる。むしろバニラエッセンスと同じくらいの位置に収まっていて欲しいと思っている。

つまりは「グロの印象が強いせいで本筋が見えてこない映像作品」が苦手である。

去年観た映画のなかでは「イレイザーヘッド」がそれに相当する。

デビット・リンチ監督の大ファンの後輩Aが劇推ししていた映画である。
白黒で、陰鬱で、錆びていて、意味不明で、グロい。

この記事の説得力を低減させてしまうが、ネタバレを避けるべくテーマについては言及をさける。

とにかく、目を背けたくなるような映像のせいでテーマが見え辛くなっている。登場人物同士の会話は意味不明だし、演出の意味も全く分からない。
一見さんの多くは途中で離脱してしまったんじゃなかろうか。

観終わったあとに後輩Aたちと議論をして理解を深めなかったら、一生嫌いなままで終わっていただろう。解説までがワンセットの映画だと思う。

(そういう意味では、意味が分からないまま見ても面白かったエヴァってすごかったんだなと思う。)


グロメインディッシュの映像といえばスプラッタである。

スプラッタ代表格として語られることの多いSAWは1作目は普通に面白いと思ったが、2は途中で観るのをやめてしまった。1作目よりもサスペンスのノリがないように感じて、グロを見せたいだけじゃんと思ってしまったからである。

とはいうものの、食わず嫌いなところはあるかもしれない。批評するのに十分な鑑賞をしていないのだから、いつか再チャレンジしたいと思っている。



その点北野武の映画はよい。
暴力とグロと暴走と、ナンセンスな要素も多くある。でもユーモアにあふれていて、コメディ的で、幻想的な映像美もある。自己破壊という哲学的テーマも僕の中二病心を擽ってくれる。

グロの奥になにか意味があると思わせてくれる。この表現手法を選んだからには何か理由があるはずだと、作品の奥行に思いをはせることができる。

グロメインディッシュって平面的でそれ以上奥に入り込めない。味がしない。入り込めないと思い込んでいるのかもしれない。


ここまで適当に吐き出してみて、結局僕はグロそのものがそんな好きではない気がしてきた。でも血が無理とかそういうわけでもない。

やっぱりバニラエッセンスくらいの香りづけだったら楽しめる。

「仁義なき戦い」ではエンコを詰めたり、剃刀で割腹して自〇を装うシーンもある。それらは「ヤクザの世界」を表現する上ではかなり有効だし、お約束だし、入っていないと満足できない。これらは好きだ。

グロが好きという人は是非僕と議論しましょう。グロのどこが好きなのか教えてほしい。これは嫌味とかではなく、心からそう思っているし、相互理解につながると思う。

また、それを聞いたら僕は自分がなぜグロが苦手なのかをより詳細に言語化できるようになる気がする。

僕はあなたにグロを思う存分語っていただく場を提供します(何様?)

ということで今日は風呂敷を広げたままの逃亡です。
お疲れさまでした。



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