4/23 「ツユ」のすゝめ。貴方を不幸に誘いますね

楽しい休日もそろそろ終わりを迎えそうですが、アウトプットをして締めたいと思います。

タイトル通り、「ツユ」というアーティストをオススメするという試みです。如何せん人に何かを勧めることが苦手なのだが、なんとかツユの良さを広めるべく言語化がんばんべ。

イントロ

後輩Tが何年か前に「プログレは苦しいときに一緒に沈んでくれるのが良い」みたいなことを言ったのを聞き、含蓄のあるよい表現だと感心した覚えがある。

(プログレに限らず)音楽をそのように捉えたことがなかったので新たな道が開けた感覚になった。

ツユは僕にとってそういう音楽だった。

小中からの友人に勧められたのがキッカケで「デモーニッシュ」を聞いた。最初はたしか「イカれた曲があるから聞いてみてくれ」というような紹介のされ方だったと思う。

僕が曲を聴くときは大体「ボーカル(声の良さ、テクニック)>楽器>>歌詞」というようなプライオリティで興味が構成され、その順番で曲の解像度が上がっていくことが多い。

ツユもまた例外でなく、最初はただテンポチェンジや構成など曲としてのおもしろさや、ボーカルの声の軽やかさといったところにしか目(耳)が向かなかった。

ツユのよさと僕の音楽の聴き方

歌詞

歌詞を咀嚼するフェーズに至ったとき、はじめてこのアーティストが恐ろしくなった。

恨み辛み妬み病みを実にストレートにぶちこまれている。ダイレクトにメンヘラすぎて面食らった。

「認知の歪み全開」で歌詞が書かれていたことが結構ショックであった。呪詛しか書いてない。
(noteで歌詞を引用するのはグレーらしいので敢えて引用することはしません。興味が湧いた方は是非ご自分でデモーニッシュをお聞きください。

僕は超がつくほど邦楽に疎いが、ここまでの呪詛を歌いきるアーティストは僕の中にあまり存在しなかった。


邦楽リスナーの中には「歌詞が良くないと聞かない!」みたいなことをいうタイプの人間がいるが(煽ってはいない)そこまで信じていなかった。

シンプルな話で、僕に詩的表現を鑑賞する能力がないのかもしれないが。


ツユの曲は「努力したけどダメだった」とか、「タヒにたい」とかそういうものが詰まっている。

「終点の先が存うとするならば。」とかはyoutubeで視聴する前に警告が入る。

ひえ・・・・

つまらないニコ動のテンプレクソコメントに「これ私のことだ・・・」とか「歌詞に共感した」というやつあるが、まさにそれらをツユで体験した。


ボーカルと曲

ツユのボーカルは礼衣という女性だ。優しく、爽やかな声をお持ちで大好きです。毒やトゲのある歌詞を歌うとは思えないほど美しく優しい声である。そこのギャップがまた刺さるのかもしれない。歌詞の毒を強力にもし得るし、それを中和して聞き易くし得る。表裏一体で唯一無二な声だと思う。

テクニック的なところでは裏声と地声の移動がシームレスであり、喉の自由度の高さが伺える。伸びのある高音を軽やかに出すのもまた素晴らしい。生き漏れの多い声もたくさん聴かせてくれる。表現の幅が広い。

ボカロPが作った曲らしい人間に歌わせる気のなさそうなメロディに余裕でついていっている。デモーニッシュは歌える気がしない。

ライブには行ったことが生でもきっと強いに違いない。今年こそライブに行きたい。

ギターやピアノもまた爽やかで、心地よい曲がいっぱいある。クリーンなサウンドが逆に悲しさを演出することもある。

着地

そろそろ冒頭の話を回収します。

僕は他人に対する劣等感や恨みを呪詛として吐き出すことが多い人間である。自分の置かれた状況を他人や環境のせいにして逃げようとすることも多々ある。時々冷静になって自分をメタ的に見つめなおすフェーズが突如として襲ってきて、そこからはずぶずぶと沼に入っていくようにひたすら自分を呪うことが多くなる。

そんなタフな時間を過ごしているとき、ツユの爽やかな曲と呪詛を伴ったストレートな歌詞が僕と一緒に地の底へ落ちていってくれる。後輩Tにとってプログレがそういう存在なのだろうが、僕にとってはツユがそれに該当する。

修士2年間でだいぶメンタルをやられた自分と一緒に沈んでくれた。認知が歪み切った僕と一緒にいてくれた。

これがいわゆる「共感」だということを教えてくれたのが「ツユ」であった。同じ境遇/心境にある人が他にもいるんだという安心感を与えてくれた。

僕がブログを通して吐いてきた呪詛に共感してくれた方にはツユが刺さるかもしれません。是非一度聞いてみてください。聞いたら感想をください。

僕が歌詞を書くと大体呪詛でいっぱいになる。ツユの曲がそうしてくれたように、聞いてくれる人と一緒に沈みながらも安心感を与えられるようなものにしたい。


しんどいけど修士時代の生活よりマシ

こっから日記。
生活リズムは直った。結局何かに拘束・強制される必要があったのだろう。日付が変わるころにはもう十分な眠気が襲ってくる。

これまでにあった寝る前の嫌な思考も消え失せたので、最近はツユの曲に頼ることは減ってしまった。でもまた、どうせ、辛い時間が襲ってくるだろう。その時はよろしくお願いします。

研修の何が辛いって、新しい人間。怖い。趣味でしか人と通じ合う方法を知らない僕にとっては新しい人間との関りは苦しい。

寝ます。校正まともにしてないんで誤字脱字、その他文章ガバはお許しください。ツユ聞いてください。おつかれさまでした。


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