こんな贅沢なインターンシップ、きっと他にない。
私はキリンビールのインターンシップに参加しています。
大学2年生の今、思っていた学生生活を送れないことに、もどかしさや焦りを感じる日々が続いていました。
「自分から行動しないと何も変わらない!オンラインでもできることを探さなきゃ!」と自分を奮い立たせ、昨年からオンラインの英会話や、オンラインの就活セミナーなどを活用して、自分のスキルを高めようと奮闘していました。
ですが、「何か物足りない。」という思いをずっと抱いていました。
やっぱり、人から何かを学ぶなら、直接会って話を聞きたいし、新しい挑戦をするなら、家の中じゃなくて現地で直接体験したい。
もともとインターンシップを大学2年生で経験したいと思っていた私は、「現地参加型」を条件に探し始め、このキリンビールのインターンシップと出会いました。
「ものづくりの上流から下流まで」を見せてくださるこのインターンシップは、自分に何ができるのか、自分は何をしたいのかを見つけたいと思っていた私にぴったりでした。
そんなインターンシップの2回目が終わり、私が抱いている感想は、「こんなに贅沢なインターンシップ、他にある!?」というものです。
今回は、本インターンシップ第2弾である遠野訪問で、私たちがどんな経験をしたか、そこから私が何を学んだかについてお話しさせていただきたいと思います。
本当に、贅沢なんです。
初めての遠野、初めてのホップ畑
水沢江刺駅で降りた私たちは、車に乗って遠野のホップ畑に向かいました。
見渡す限りの田園風景に、自然の美しさを感じましたが、同時に私の頭には「過疎化」という言葉が浮かんでいました。
テレビでよく聞く、「農業の後継者問題」。
家が点在し、田んぼや畑ばかりのこの景色を見る限り、きっとホップ産業にも後継者問題は存在しているのだろうという思いがありました。
これについては、後の田村さんのお話を聞いて、自分が思っているよりもずっと深刻だと知ることになります。
そうして車に乗ること約1時間、見えてきたのは、見たこともない高さの蔓が整然と生え揃ったホップ畑でした。
長靴に履き替え、畑に入らせていただくと、意外にも無臭。
というのも、インターンシップの第1回目では、キリンビール仙台工場にて、固形上になったホップの香りを嗅いでいました。
その香りがとても強烈だったのです。
言葉で表現するのは難しいのですが、「苦味」を香りにしたらこうなるだろうという香りでした。
畑に行ったら、こんな香りが充満しているかもしれないという不安を抱いていた私は、無臭の畑に驚きました。
ホップの実を手でもぎ取り、半分に割ると、中には黄色い粉がついていました。
これはルプリンといい、ホップの香りの元となっているそうです。
半分にしたホップ同士を擦り合わせると、徐々に香りが広がりましたが、それは想像とは全く違った香りでした。
固形上のペレットは苦さのある独特な香りでしたが、生のホップは爽やかでフローラルな香りがしました。
まるで紅茶のような香りで、ずっと嗅いでいたくなりました。
このホップを乾燥させると香りが凝縮し、独特な香りへと進化していくそうです。
5mにも及ぶ高い蔓には、下から上までホップが生っており、蔓と蔓の間は2mほどの幅がありました。
これは、高い位置に生っているホップを収穫する機械を通すための道だと伺いました。
生ホップを触ったことがある人は少ないと思うので、ホップ畑の見学は観光事業としてすごく魅力的だと感じました。
さらに、蔓と蔓の間にテーブルと椅子を置いて、見学の最後にビールで乾杯するツアーがあったら最高だと思いましたが、それはすでに「ビアツーリズム」という事業で行われていたそうです。
ビールの原料としてのホップ、観光財としてのホップ。
ホップの魅力は一つではないと気付くことができました。
田村さんとの出会い
ホップ畑から移動した先は、『Brew Note』というお店。
経営する村上敦司さんは、ホップ博士として有名な方で、『MURAKAMI SEVEN』という品種の開発者でもあります。
土日祝日はこのカフェ&バーで、お客さんの顔を見ながらクラフトビールなどの提供を行っているそうです。
ホップの道を極めた村上さんはとてもかっこよく、優しい方でした。
いつか個人的にこのお店を訪れたいと強く思います。
そんな素敵なお店で、『BrewGood』の代表である田村淳一さんのお話を聞かせていただきました。
田村さんは、地方創生のために遠野に移住し、『ビールの里プロジェクト』を進めている方です。
ホップ産業を衰退させないばかりでなく、ホップを使って遠野という町全体を活性化していくという田村さんのビジョンに、遠野に対する温かい思いを感じました。
地元の方との繋がりを作るために、ブルワリーの内装を一緒に考えたり、協力者を増やすために、『遠野ホップ収穫祭』というイベントを企画したりと、遠野のホップ産業を広げた一方、苦労もあったそうです。
機械の老朽化や、生産者の減少、新規就農者の離農。
放っておけばホップ産業が終わってしまうという事態に、頭を悩ませる日々が続いているとのことでした。
『ビールの里プロジェクト」も、核となるホップがなければ何もできない。
生産面とPR面の両方に同時にアプローチしていかなければならない現状に、地方創生の難しさを感じました。
私たちにできることはなんだろう。
遠野を訪れ、ホップを知ること。
遠野の現状について知ること。
周りに伝えること。
微力ではありますが、塵も積もれば山となると信じ、今回の遠野訪問で学んだことを家族や友達に伝え、遠野のホップ産業を広めていきたいと思います。
キリンビールのインターンシップに参加しなかったら、生のホップを触ることも、遠野の魅力を知ることも、地方創生についてこんなに深く考えることも、『Brew Note』という素敵なお店に出会うこともなかったはずです。
非常に贅沢な体験をさせていただき、関わってくださる全ての方への感謝の気持ちで一杯です。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。
安心して行けるときに、ぜひ、遠野を訪れてみてください。
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