デリック ローズとの再会とDSJとの別れ


今日の試合直後にwojが一つのトレードを報じた。

DETとニックス間で
デリックローズ⇔DSJ+2021年2巡目指名権(CHA)
が成立したというもの。

このnoteを読んでくれている方のどれくらいがニックスファンなのかわからないけど、ニックスファンには非常に複雑な心情を抱かせる2名のトレードとなってしまった。

なぜなのか。少しその経緯について書いてみる。

デリック ローズ

シボドーが指揮したCHIを率いた史上最年少MVP受賞者
2016-2017シーズンにCHIからニックスへトレードされ一年プレイした。
当時カーメロ アンソニーがいたチームにFAでコートニー リー、ジョアキム ノアと契約し、ルーキーのクリスタプス ポルジンギスらが加わったニックスは”スーパーチーム”と呼ばれ開幕前は優勝候補と評する声もあった。
しかし蓋を空けてみれば勝ち星が先行したのは30試合目まででそれ以降は1勝しては連敗するペースで31勝51敗に終わった。
この要因はなにか一つではないものの、噛み合わないチームでそのシーズン中に起きた”デリック ローズ失踪事件”が象徴的な出来事として深く影を落としている。

その日は2017年1月10日(現地9日)

ローズは直前まで欠場の話はなかったがスタメン発表されると何故かジェニングスが先発。更に公式アカウントから”Not with team”と発表。
ファンは何が起こったのか理解できていなかったが、それはチームも同様だった。

チームメイトも役員も誰もローズがいない理由を知らなかった。
誰もローズと連絡が取れなかった。

しかし試合は始まる。
当時の試合を見ていたファンは試合の行方よりもローズの安否が気になって仕方がなかった。
前の試合ではローズとHCホーナセックの衝突(4Qにベンチだった)があったとも報じられた。
しかしネットは凄い。
Twitterに「ローズがシカゴ行きの飛行機に乗っているのを見た」と写真付きのツイートが出た。どうやら本人の意志でシカゴに戻ったらしい。
試合後にノアがローズと連絡を取れたと語った。

その後の経緯は杉浦さんのツイートがわかりやすい。
結局家族の問題でシカゴに帰っていた、自身の時間を得るためにチームに連絡しなかった。
チームに謝罪しみんなそれを受け入れた、罰金処分はあるが出場停止などはなし。という事だった。

その後の試合でもローズは変わらず刹那的な輝きを見せた。

しかし自分はこの試合以降ローズを信じられなかった。
Twitter上でこれを書くとローズファンから「いつまで言ってるんだ、しつこい」とか「チームメイトはもう受け入れてるのに」とか言われるんだけど、自分の感情だから何を言われようが信用できないものは信用できない。
それは変えられない。好きとか嫌いじゃない。
信用できない。

デニス スミス Jr

ドラフトコンバインで当時史上最高となるMax Vertical 42インチを記録。
DALに指名された約一年半後にクリスタプス ポルジンギスとのトレードでニックスへ加入。

ニックスの希望、次代のリーグのスターと見られていたポルジンギスのトレードは衝撃的だった。
理由はポルジンギス(以下KP)からの「契約延長拒否&トレード希望」だった。
KPはその前シーズンに前十字靭帯(ACL)を断裂しており、ニックスはKP不在の期間チームをわざと負けさせて高順位のドラフト指名権を得る方針を取っていた。(表向きは否定するけど)
KPはそのやり方には賛同できず、チームの今後にも希望が持てないと考えたようだった。

トレードは実際には
KP+ティムハーダウェイJr+コートニー リー+トレイ バーク⇔DSJ+デアンドレ ジョーダン+1巡目指名権×2
という内容だった。

DSJは前年の9位指名選手で8位のニリキナの一つあとの順位で指名されていた。
レブロンには「ニックスはDSJを指名するべきだった」と言われたりもした。

DSJは素晴らしい身体能力を持つハイライトメーカーでファンはKPに代わってDSJに期待を寄せた。
実際、トレード直後はデアンドレとの2メンゲームは結構強力で将来が楽しみだった。

思い返せばニックスでのDSJのキャリアハイライトはこの時だった。

その年のオフにDSJはACのキーススマートと共にシュートフォームの変更、食生活の改善に取り組んだ。
当時ニックスには3人のPGがいた。
ペイトン、DSJ、ニリキナ。
プレシーズンではニリキナが一歩リード、次いでペイトンという感じのプレイぶりだった。

しかしシーズンが開幕すると起用されたのはペイトンとDSJ。

そしてDSJのジャンパーは”壊れて”いた。
リリースタイミングは遅く、全く入らなくなっていた。
MSGのファンはあまりにも不甲斐ないプレイをするDSJに対して”We Want Frank”とニリキナを求めるチャントを発した。

その時の悲しく、辛いDSJの表情は忘れられない。
ニックスの番記者は「自チームの選手の不甲斐ないプレイに他の選手の出場を求めるチャントは聞いたことがない」とコメントした。
試合後、自身の出場機会を求めたファンのチャントに対してニリキナは「チームメイトの誰かが批難されることを聞くことは気分が良くない」と答えた。

以下は完全に自分の想像でソースも何もない。

結局今日に至るまでDSJは2年前のコンディションを取り戻せていない。
今年のオフにはレジェンドシューターのアブドゥルラウーフの指導も受けた。

(ツイートは全部貼ると長いので割愛します。興味ある方はツリーにしてあるので元ツイート辿ってください。)
今季シボドーがHCになりプレシーズンではハードなディフェンスで驚かせてくれた。
でもオフェンスは狂ったままだった。
何も出来ていなかった。
トップ周辺でドリブルしてはおもむろにプルアップを打って外す…見ていて悲しくなった。
出場機会はほぼなく、DSJはその中でGリーグでプレイすることを志願した。
DSJはまだ諦めていない、まだ腐っていなかった。

それでもトレードになってしまった。

DSJの復活は多くのニックスファンの願いだった。
それは戦力としてだけではなく、キャリアを破綻させた責任を感じていたからという部分も大きかったように思う。

DSJの再生をニックスで見届けられないことが残念でならない。

そして今後の飛躍を心より願っている。

以上がローズとDSJについて自分が感じていることだ。
もちろん人によって違う視点、感想はあるので受け入れられなくても構わない。

ただ、自分の中でファンを裏切らずに努力し続けた選手を放出し、失踪した選手を獲得した。

その事実が心の中に晴れない霧となってずっと一日ついて回っていた。

Begleyによるとニックスは既にローズと来季の再契約も視野に入れているとのこと。

これからニックスのローズを再度心から応援できるようになるだろうか。

出来なかったらどうなるんだろうか。

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