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第一回福島チャンピオンズリーグ’24準決勝 ウラン選手(トドロクツキ・コライドン)vsえす選手(種ポケモンロストゾーン軸)

カバレージシリーズ第四弾!準決勝です、お楽しみください!
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ウラン選手vsえす選手

 福島県内に限らず、他県からも多くのトレーナーが集い戦いを繰り広げた第1回福島チャンピオンズリーグ’24。148名いた参加者も数を減らし続け、ついに4人のみとなった。

 ここ準決勝で戦うのは、ロストゾーン軸のデッキを操るえす選手。先程、予選の上位8名中7名がベスト8に名を連ねたと書いたが、その“例外“は24位から脅威の昇りを見せている彼であり、なんとここまで勝ち抜いてきていたのである。

 対するは、予選を5位で通過したウラン選手。Vstarマーカーに彩りを加えているカードはXYシリーズのカードのオニゴーリEX…だけだと思うと裏面にはMオニゴーリEX、メガシンカした姿も。面白味も持ち合わせた柔軟な思考がその実力を感じさせる。少し前に関東から地元まで戻ってきたとのことで、共に福島県の雄の激突となる。

先攻1ターン目


ウラン選手

 試合は先攻のウラン選手からスタート。ウラン選手が繰り出したのは「古代」のコライドンで、対するえす選手のキュワワーとは体格差が凄まじい。先攻1ターン目はワザ、サポートの使用ができないため、ベンチにコライドンを追加してターンを終える。

後攻1ターン目

えす選手

 後攻のえす選手は、キュワワーの特性「はなえらび」、サポート「アクロマの実験」から追加のキュワワーに入れ替え、手札の増加に加えてロストゾーンを4枚溜める好スタート。

…だと思っていたが。

 突如発生した「ポケストップ」が「ミラージュゲート」をえす選手に与え、なんとそのスタジアムは一瞬で姿を消した。グッズ「ロストスイーパー」によるものだ。

 4枚ではなく、6枚。ロストゾーンの溜まるその勢いは、「ポケストップ」で見えた「ジェットエネルギー」の勢いかのごとく爆発的な展開速度を見せている。

先攻2ターン目

 ウラン選手も展開を進める。「ハイパーボール」でかがやくゲッコウガを手札に加えつつ、サポート「オーリム博士の気迫」でハイパーボールのコストとしていた闘エネルギーをコライドンへ与える。「オーリム博士の気迫」は古代のポケモン2体までにそれぞれ1枚の基本エネルギーをトラッシュから付けながら3枚のカードを引くことができる、古代ポケモンデッキの重要カードだ。そのためトラッシュにエネルギーを能動的に落としておくことが肯定され、目指す動きの一つとなる。

 手札の噛み合わせが悪かったか、今回は1枚のみの加速に留まってしまったが、増やした手札から次なる加速に向けて特性「かくしふだ」によってエネルギーをトラッシュし、更にカードを引いていく。「ネストボール」を経由してトドロクツキが登場し、手札から与えられたエネルギーを加えたコライドンが攻撃態勢へ。

「げんせいらんだ」。場に古代のポケモン達が並べば並ぶほど攻撃力の上がるワザであり、3体の古代ポケモンによる90のダメージはHP70のキュワワーでは耐え切れず、きぜつしてしまう。ベンチにいるトドロクツキも「あだうちやばね」というワザを持っており、これはトラッシュにある「古代」のカードの枚数分相手に与えるダメージが増えるというものだ。古代のポケモン達による連携した攻勢を迎え撃つのは一体誰になるか。

後攻2ターン目

 えす選手側もベンチにかがやくゲッコウガを加え、手札の超エネルギーを2枚のカードに変換。続けてキュワワーの「はなえらび」によって、グッズ「すごいつりざお」を諦めながらも再びプラズマ団の研究者、アクロマの協力を取り付けることに成功し、ロストゾーンのカードは9枚へ到達、やぶれたせかいの力が解放されていく。

 2枚の「ミラージュゲート」によりその力を授かったのは、「ネストボール」で呼び出された、奇しくも「古代」と対をなす「未来」のポケモン、テツノカイナだった。手札からつけられたエネルギーを足して5個分のエネルギーが盤面に登場し、バトル場のキュワワーがベンチに逃げるとともに現れた鋼鉄の関取の姿がプレッシャーを放つ。

 テツノカイナexは4つのエネルギーを要求するワザ「ごっつあんプリファイ」によって、きぜつさせると追加でサイドを1枚手に入れられる強力な押し込み効果を持っている。しかし素のダメージは120に抑えられているため、ウラン選手の場にいる高いHPを誇る古代のポケモン達を倒すには何かしらの補助が必要となるが…続けて手札から出されたのは「カウンターキャッチャー」!ウラン選手のゲッコウガが捕まり、雷タイプを弱点とするその体では耐えることはできない。「ごっつあんプリファイ」が決まり、サイド枚数を逆転する。

 お互いのデッキは倒されてもサイドを1枚しか取られないポケモン、いわゆるルールを持たないポケモン(かがやくポケモンなど、例外もいるため厳密には表現として適切ではないが)を中心としており、これは倒して倒されて、の繰り返しでサイド枚数が少しずつしか動かないため、サイドの枚数差をつけることが難しく、また一度サイド差を付けられると巻き返すことが難しいことを意味している。いかにアタッカーを準備して攻撃し続けられるか、が争点となりそうであるが…。

先攻3ターン目

 大技を決められサイドを逆転されてしまったが、離されるわけにはいかない。後攻2ターン目にしてトップスピードで攻めてきた未来のポケモンに対し下準備の整っていないウラン選手の古代チームはどう攻略していくか。このポケモンをすぐにでも対処しなければ危険なことは百も承知だが、HP230のその巨体を現状の戦力でどう退ける…?手札の「オーリム博士の気迫」と「ボスの指令」。1ターンに1枚しか使用できないサポートを見比べながら選択肢を吟味する。

 頭を抱え悩みながらも、「ネストボール」から状況の打開を目指してチヲハウハネが登場。闘タイプのポケモンであり、2個のエネルギーで使えるワザ「ねつしょうどとう」で120ものダメージを出すことができるため、弱点を突いてテツノカイナを1発で倒すことが可能だ。

 だが、悩ましいことに闘エネルギーを2個つける算段が今の手札では確定していない。手札にエネルギーがない。そして更にウラン選手には都合の悪いことに、現状トラッシュには悪エネルギーしかなく、バトル場のコライドンが「にげる」を使用してベンチに下がることでしか闘エネルギーをトラッシュに送る手段がないのだ。

 いくら古代デッキが「オーリム博士の気迫」によってトラッシュからエネルギーを加速できるとはいえ、それは無尽蔵なものではなく、着実にエネルギーを溜めていかないと後続のアタッカーにしわ寄せが回っていき、いずれは準備が間に合わずターンパスも発生しうるだろう。ましてや既に準備したエネルギーを自ら捨てにいくという行動はかなりのリスクを抱えており、失敗してワザを使えなかったときのリスクは、それこそ「試合の敗北に限りなく近いもの」となる。

 ウラン選手の場のポケモン達はHPが130以上と高いため、テツノカイナexが場に残っても「ごっつあんプリファイ」でサイド2枚抜きをされ決定打を決められる可能性は低いと考えられる。ただし、もう一つのワザ「アームプレス」によって1枚のサイドは覚悟しなければならない。テツノカイナが残っている限り差が縮まらないのもまた事実だ。

 ここを勝負所とし、「オーリム博士の気迫」による3枚のドローに賭けるか。

 それともこのターンは「ボスの指令」で確実にサイドを取得し、次のターン以降に仕掛けるか。

 ウラン選手の選択は…後者。

 ベンチのキュワワーを呼び出してコライドンによる攻撃でKOし、残りサイドの枚数を4枚同士に並べる。その選択は確実性が保証されていたが、手札からエネルギーをポケモンにつけられていないこともあり、後半へのしわ寄せも溜まっていく苦しい展開だ。ここでの停滞は次のターンに巻き返すしかない。チヲハウハネに期待を寄せる。

後攻3ターン目

 …だが、その期待を寄せたポケモンは次のウラン選手のターンにはリタイアすることに。

 当然、えす選手側も大事なアタッカーであるテツノカイナを失うわけにはいかないため、こちらを一撃で倒しうる存在は真っ先にマークするターゲットだ。手札から放たれた「ボスの指令」はチヲハウハネを捕捉し、やられる前にやらんと160のダメージを叩き込まれ、ウラン選手の虎の子は地に伏してしまう。

先攻4ターン目

 ターンを得たウラン選手のドローは「大地の器」。

 前のターンに欲しかったエネルギー(を呼び込む)カードであり、山札の上にあった、“前のターンに3枚のカードを引けば手札に加えられていた”カードである。当然山札の上から引けるカードはわからなかったため結果論でしかないが、「オーリム博士の気迫」でチヲハウハネに闘エネルギーを2個与えてテツノカイナexを倒しに行くプランは成功していたのだ。

 だが無常、現実は違う。今やチヲハウハネを失っており、選んだプランである、“このターンにテツノカイナを一撃で沈める”ことは叶わなさそうである。その1ターンの選択が大きく運命を分けてしまった。それでも、離されず食らいつきチャンスを待つしかない。サイドを取ることができない、遅れの発生は致命的だ。

 前を倒すことができないなら後ろを引きずり出すしかないと、「ともだちてちょう」で「ボスの指令」を回収していく。「ボウルタウン」から2体目のトドロクツキが登場、「古代の器」からもたらされた悪エネルギーを溜めて山札を減らした後で2枚の「ポケギア3.0」を使用し、「探検家の先導」とともに「ボスの指令」を手札に加えて、前のターンにベンチに登場していたヤミラミ、テツノツツミも含めたえす選手のポケモンから対象を選択する。

 既にロストゾーンは10枚目前であり、ワザ「ロストマイン」も目を離せない脅威だ。コライドンが3度目の攻撃を放ち、ヤミラミはワザを使うことなく戦闘不能となった。離されるわけにはいかない、とサイドの枚数は3枚に追いつく。

後攻4ターン目

 突き放さんとするえす選手は手を緩めない。ボウルタウンから再びヤミラミを配下に加え、サイドが3枚になったウラン選手に対してサポート「ツツジ」!

 何とか追いすがろうと噛み合わない手札で何とかやりくりしていたウラン選手だが、ここへ来て更に手札の枚数を絞られてしまう。対照的に6枚の手札を得たえす選手はヤミラミ用の超エネルギーも手に入れて後続を準備完了としながら、テツノカイナがウラン選手の前に立ちはだかり続ける。その貼り手によってここまで戦線を支えてきたコライドンもいよいよ退場。ウラン選手は削られた手札でこの「山」を退けることは叶うのか。

先攻5ターン目

 ウラン選手のターン。取った行動は…ボウルタウンでトドロクツキをベンチへ。

 そしてターンエンド。

 突き放しが決まった。

後攻5ターン目

 えす選手は決着をつけるべく、更なる盤面の構築にかかる。「ネストボール」で捕獲したガチグマアカツキexに「ミラージュゲート」でエネルギーをつけていき、その特性「ろうれんのわざ」の効果によるワザに必要なエネルギーの軽減も併せて攻撃可能な体制を整える。盤面に出ているエネルギーの枚数も多いため、別の色の基本エネルギーを2枚合わせて呼ぶ「ミラージュゲート」は1枚の水エネルギーしか生み出さなかったが、それももう1枚の鏡の門を開くことで解決し、ワザ「ブラッドムーン」のエネルギーが無事補充される。
 依然バトル場に残り続けているテツノカイナがトドロクツキを倒し、5枚目のサイドを取得。サイドは残り1枚にしてえす選手の場には高出力を出せるポケモン2体。どちらかが倒されてしまっても、残った1体が反撃に出ることのできる盤石の布陣だ。

先攻6ターン目

 山の上から現れたオーリム博士も、時すでに遅し。

 2体のトドロクツキにエネルギーを与え、ポケストップ、大地の器とカードの連鎖を続けていくも、ここから1体も倒されることもなく、3枚のサイドを取得するしかウラン選手が勝つ方法はない。その手段はあるのか、あったとして、間に合うのか。カウンターキャッチャーでテツノツツミを呼び出してターンを返す。バトル場に引きずり出し時間を稼ぐにしても、テツノツツミは逃げるためのエネルギーが1つしかないため、縛れる望みは薄いが、えす選手の他のポケモンは攻撃態勢が整っており、なんとも苦しい現状の最善策である。

後攻6ターン目

 そしてやはりというべきか、えす選手の手札から出てきた「ポケモンいれかえ」がゲームの終わりを告げた。

 今回は“裏目“を引いてしまい、あと一歩届かずの結果に終わってしまったが、福ちゃん初参加にしてここに実力を示したウラン選手ならば、また再び堅実なプレイングと共にその有志を見せてくれるだろう。今後も彼の戦いに注目である。

 そしてなんとえす選手、その勢いは止まらず決勝まで上り詰める。あと一つ勝利を重ね、劇的な流れで優勝の座を手にすることはできるのか。

いざ、最後の戦いへ。

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