5分日記 2020.6.28 「聖者になんかなれない」 (781字)
優しそう。何を言われても絶対に怒らなそう。僕のことをあまり知らない人からは、よくそんなふうに言われる。
たしかに僕は、声を大にして自己主張することはないし、他人に対しては常に敬語で物腰柔らかく接している。軋轢が生じるような物言いはできる限り避けるようにしている。
だけど、それはあくまで「他人」に対してである。
他人ではない存在––––例えば家族や友人、それから会社で特に仲が良くなった人に対しては、僕はその「仮面」を外す。危ないことをしていたら割と強く怒る。不快なことは不快であると伝える。他人に迷惑をかけている行動だと感じたら、それは迷惑だと言う。
その人のためを思っての発言のつもりだが、おそらく自分がその人の行動を見ていられないだけなのだと思う。かつて僕が誰かに叱られた時のように、目の前の人が僕と同じような過ちを犯そうとしていたら条件反射で反応してしまうのだ。
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