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きまぐれ日記 2021.8.29

「きまぐれ日記」なのに3日連続で続いていることを、まずは褒め……(略)。

 今日はようやく、ロバート・A・ハインラインの『夏への扉』を読み終えた。冒頭のあたりで止まってなかなか読み進められなかったのだけれど、昨日で一気に読み進め、今日の午前中に読み終わった。全体の25%くらいのところで急に面白くなったのを覚えている。なので、同じように冒頭のあたりで読むのをやめてしまっている人がいたら、まずはそのくらいまで読んでみてはどうだろうか。もしかすると、めくるページが止まらなくなるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。そこまで読んでも面白く感じないなら、さっさとやめて別の小説を読んだ方がいいのかもしれない。
 1957年に刊行された小説に対してネタバレも何もないのかもしれないけど、ここではあまり詳しく触れないでおく。ただ、感想だけ述べさせていただくと、素直に面白かった。感動もした。今でこそありふれた題材だけれど、今読んでもまったく色褪せていない作品だと思う。むしろ昔に書かれた小説であることで、熟成ワインのようにかえって旨味を増しているとも思えるほどだ。
 刊行年がだいぶ前ということもあり、語り口で垣間見える作者の価値観が古いように思えるシーンもある。ただ、これは正解でもあり、不正解でもあると言えるだろう。なぜそう思うかというと、主人公の語り口から垣間見える古い価値観もまた、作者が意図的に仕組んだものと解釈できなくもないからだ。2021年を生きる我々からしたら、その語り口が果たして作者の素が表れた結果なのか、作者の狙いなのか、判断しにくい節があるのは否めない。冒頭のあたりを読んで、なんとなく取っつきにくさとか、嫌悪感を覚えることは多少なりともある。自分はそうだった。でも、その辺の感情はいったん置いておいて、そういう点も含めて楽しんで読んでみるのを個人的にはお勧めする。
 また、この作品とは別に、第一回ハヤカワSFコンテスト大賞作『みずは無間』(著・六冬和生)も並行で読んでいた。購入したのは一年以上前なんだけど、ちゃんと読むのはこれが初めて。これも素直に面白い。見事な筆さばきだと思わず唸ってしまうシーンも多々ある。第一部を読み終えたところなんだけど、今のところ一番気に入っているのは『3.虫歯菌』の章。各章が連作のように短くまとまっているのだけど、相互にうまくリンクしているのも見所のひとつだと思う。先を読み進めるのが楽しみ。

 さて、明日からまたお仕事の始まりである。ちょっと大変な事態が起きていて、気が重いどころの状態じゃないんだけど、まあ、何とかなるの精神でうまく乗り切りたいと思う。
 いつも仕事で悩む度に思うんだけど、「自分の裁量ではどうにもならないこと」が多すぎて本当に嫌になってくる。これはサラリーマンの宿命だ……とも思ったりしたけど、フリーランスはフリーランスで「自分の裁量ではどうにもならない」こともあるんだろうし、逆に「すべては自分の裁量に賭かっている」ってこともありそう。それはそれで大変なんだろうな。むしろサラリーマン以上に大変なのは想像に難くない。でもまあ、どうであれ自分の悩みの根本的なところは、働く形式によるところではなく、もっと別のところにあるんだろうな、とも思う。
 最近になってなんとなくわかってきた気がするんだけど、お金を稼ぐことは、自分が考えているよりもずっと簡単なのかもしれない。ただオープンに行動に起こしていないだけなんだと思う。サラリーマン精神で、神に祈ってチャンス到来を待っているだけじゃ、ラッキースケベ的なご都合主義はたぶん起こらない。
 まさに自分がnoteで長編小説を連載し始めたのと同じように、人目に付くことを何かやってみればいいだけの話なんだと思っている。自分は、あまりにも自分の殻にこもりすぎていて、自己という閉鎖系もしくは孤独系だけに完結していることが多すぎる。もっとオープンな心をもった方が周りからのフィードバックを得られるし、機会にもつながる。それに、その方がきっと生きるのも楽になるだろうと思う。
 それができないから苦労しているのだと、もう一人の自分が声高に叫んでいる。それも真理である。人はそう簡単には変われないものね。でも——と、もうひとりの自分に言いたい。気軽に、大袈裟に考えずに、等身大に、オープンな気持ちで、もっといろいろやってみたらいいんじゃない? と。

 あ、何か怪しい商売を始めようっていうんじゃありませんので、念のため。

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