5分日記 2020.7.15 「雨の匂い」 (880字)

夜中に気持ち悪くなって目が覚めた。頭だけは妙に冴え、ただベッドに横になっていても要らぬ妄想が膨らんで余計に気分が悪くなるだけだったので、起き出して適当に時間を潰した。

そのせいで朝寝坊したけれど、テレワークになったお陰で始業30分前に目覚めても余裕だ。歯を磨いて、手動のコーヒーミルを使ってゆっくり豆を挽き、時間をかけてドリップしても、仕事の開始までまだ10分は余裕がある。その10分を使って仕事の勤怠連絡をしたり、その日にやることを整理する。

今日は自分が主導で準備と進行をしなければならない会議が3つあった。最近になって他人への甘え方のコツを掴んだ僕は、周りの協力を得て、3つとも無難にやり過ごすことに成功した。もちろん僕自身も頑張ったし、できる範囲で入念に準備をしていたことも功を奏したとは思うけど、頼れる人に頼りまくったのがうまくいった大きな要因だと思う。適応障害で休職になる前の自分から、ある意味、成長したのかもしれない。

仕事の合間に部屋の窓を開けると、ぱらぱらと雨が降っていた。雨脚は強くもなく、弱くもなかった。ただ静かにコンクリートを濡らす雨は、見ているだけで心が癒やされる。どこか懐かしい感じの匂いがした。青春の甘酸っぱい感じにも似た、昔の状況を思い起こさせるような匂い。どう表現すればよいのか、適切な言葉は即座には浮かびそうにない。

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