ISW戦況まとめ3月18日分

ウクライナ軍はここ数日、ミコライフ周辺で大規模な反撃に成功し、ロシア軍は18日にマリウポリ周辺のみ支配を確保し続けている。ロシア軍は、ウクライナへに送られるのを避けるためにロシア軍兵が自傷行為をしているとの報告が増え、又、重要な誘導弾の不足など、士気や補給の問題が深刻化している。ウクライナ軍参謀本部は 3 月 18 日、ロシアのウクライナにおける戦略的目標ーウクライナ軍の壊滅、キエフの占領、ドニプロ川東岸までのウクライナ支配の確立などが達成できていな いことを引き続きレポートした。ウクライナ参謀本部はさらに、3月18日にウクライナ軍が「全方向に対し、一時占領地の解放を一歩一歩続けている」と述べ、「全方向」の反撃の実施について初めて言及した。ウクライナ参謀本部は、ロシアが戦死者や派遣回避による自傷例、心理的要因により「人材を著しく消耗」したと報告している。 参謀本部は、ロシアがシリアからの派遣、徴兵、士官候補生、傭兵を含む「人員配置に関する厳しい問題」に取り組まなければならないと述べた。ウクライナ情報機関は、(第8統合軍)第20自動車ライフル師団の約130名が、時期は不明だが、ウクライナへの派遣と戦闘活動への参加を拒否したと報じた。 ウクライナ参謀本部はさらに、クレムリンが第45特別旅団司令官ヴァディム・パンコフ大佐を「ホストメル飛行場での戦闘任務の失敗」-おそらく戦争開始72時間でのロシアの空挺着陸失敗を指す-を理由に解任するという計画があることをレポートしている。 これはウクライナでの戦闘結果に対するロシアの将官の解任として初めて確認されるものである。ウクライナ参謀本部は3月17日、ロシアが市街戦の経験のあると述べたシリア兵1,000人の人員を徴集していると述べた。 またウクライナ参謀本部はクレムリンが3月18日の時点で「ほぼ全てのミサイル弾薬が消費された」ため、KalibrおよびMLR「Tornado」弾薬生産に関わるロシアの軍産複合体を「24時間生産」へ移行したと報告している。

ロシア軍は、ロシア戦線の背後でウクライナ人の攻撃が激化していることを受け、ウクライナ占領地域で抑圧的な措置をエスカレートさせている。ウクライナ参謀本部は、ロシア軍がいくつかの地域で「厳格な行政・警察体制」を確立しようとしている一方で、民間人に食料を配ることで「ポジティブなイメージを作ろうと」していると報告した。 参謀本部はさらに、ロシア軍が「親ウクライナの活動家、公務員、(ウクライナ軍の)メンバー、彼らの家族、および占領に対する抵抗を組織しうる他の市民」を活発に捜索・拘束していると述べた。

ウクライナ軍事情報総局(GUR)は3月18日、「国家抵抗センター」の公式ウェブサイトの創設を発表した。 GURは、このセンターが「ロシアの侵略者からウクライナを解放するために戦いたいすべての人々を支援、調整」し、ウクライナ特殊作戦部隊によって運営されると述べている。ウェブサイトには、占領地でのウクライナ人戦闘員や民間人向けの市街戦に関するガイダンスなどが掲載されている。ゼレンスキー大統領の事務所長であるオレクシー・アレストヴィッチはさらに、3月17日に「鉄道戦争」を起こすため、占領地の鉄道を破壊するよう市民に呼びかけた。


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