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三浦綾子読書会会報短歌欄秀歌選

三浦綾子読書会紀要「綾果」3号の三浦綾子読書会会報短歌欄秀歌選に3首掲載していただきました。ありがとうございます。短歌欄の撰者の横山未来子さんによる選です。また、短歌欄スタートの2018年4月の94号から2023年10月の127号までに掲載された歌の中からの選です。ご撰評もありがとうございます。

月一度通ひしこぐま薬局に今日も薬を調へる人

(三浦綾子読書会短歌欄 vol.15 三浦綾子読書会会報 No.109(2020年)の掲載歌)

しばしばも夢に出でくる公園をとほれば子らがボール投げあふ

(三浦綾子読書会短歌欄 vol.25 三浦綾子読書会会報 No.120(2022年)の掲載歌)

近づきて絵をさししめす指先にちひさく赤き風船のぼる

(三浦綾子読書会短歌欄 vol.32 三浦綾子読書会会報 No.127(2023年)の掲載歌)

一首目は、選んでいただいたのが意外でした。ご撰評に〈自分が見ていても見ていなくても、ていねいに薬を調合する人がいる「こぐま薬局」は、まるで童話の世界のように優しい。〉と書いていただいています。これまでの掲載歌の中には、怒りや哀しみを主題にした歌や技巧に挑戦した歌もありました。その中でこの歌を選んでいただいたことがなにか横山さんからのメッセージのように感じられて、自分のなかの歌心を大切にしたいと思いました。

ちなみに、一首ですべて文語を使うなら「調へる」は「調ふる」になると、当時の掲載の後に気づきました。私の場合文語を使いこなせていないので、一首すべてに文語を使うと古くさく感じられる場合があります。この場合も「調へる」でよかったのかもしれません。以前は一首全部を文語にしたいと思っていましたが、今は歌に合わせて口語がまざってもいいかなと思っています。

今回の秀歌選は「綾果」3号のアーカイブの章に収められています。この号で中心的なのは、語り手総合講座、語り手養成講座、研究、講演などの記事ではないかと思います。三浦綾子さんの言葉や著作を通して書かれた読書会のみなさんのお心の深い部分にふれる思いで読ませていただいています。
選んでいただいた短歌でこの「綾果」3号に参加させていただけて、うれしく思っています。

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