FPS TDMはガン待ち最強理論へのアンチテーゼ

先日、TDMはガン待ちが最強という理論を複数人から貰った。
概ねの内容としては、下記である。

・チーム合計のキルデスで争うゲームであり個人競技ではない
・人数有利を作る事が大事
・リスポーンに近い地点でガン待ちする事で人数有利を作りやすい。
・ガン待ち最強の欠陥ルールなので大会も無い。

これに対して個人的には否定派なので、その理由を書いてみようかなと思う。

ただこれらの理論は複数人から挙がっているのですが、あまり具体的なタイトルは提示されておらず、各々が思い浮かべているタイトルが異なるので、細かい違和感があると思います。

①人数有利以外のアドバンテージが考慮されていない

根本的な話なのですが、対戦ゲームというのは、様々なアドバンテージの奪い合いです。

FPSの場合、大きな要素としては、人数有利、ポジション有利、情報アドやbuyシステムがあれば資金面の有利不利等が挙げられます。

大抵ガン待ちでの人数有利を提唱されている方の説明を見ると、何故か平面での撃ち合いの図が持ち出されているケースが多かったのですが、実際のマップは複雑です。

画像1

例えばこの画像はサドンアタックというTDMが盛んなゲームに実装されていた、ウェアハウスというマップです。

CT(ブルーチーム)側が有利なマップとなっていて、特に大きな理由は赤丸の重要ポイントを取りやすい構造になっている為です。

このポイントの重要な点は、非常に多くの所に射線が通るのでT側は常に意識せざる負えず、またCT側にとっては容易に壁となるので警戒するポイントが減ります。

ここらへんのエリアコントロールやオブジェクトコントロールに関しては、ゲームにもよりますが、エリア理論などと呼ばれて解説される事も多いですね。

この理論は爆破モードだけでなく、TDMにも通用します。

②ガン待ちして固まる事は人数有利ではない。

FPSにおいて人数有利の状況は、多くのアドバンテージを得ることが出来ます。

ただTDMガン待ち最強理論では、純粋に固まって多数vs少数での撃ち合いによるダメージトレードだけを考えた物が非常に多いです。

これ対してのアンチテーゼは複数ありますが、特に大きな点として、ガン待ちという戦法自体が人数有利を作りにくく他のアドバンテージも大きく損なっており総合的に不利になりやすいという事です。

よく想定されている撃ち合いでの人数有利に関してですが、これは近くに固まっていれば人数有利が取れるという訳ではありません。

撃ち合いでの人数有利とは、同時に通すことの出来る射線の数やカバーやクロスにある為です。

そしてガン待ち戦法の最大の弱点は各種コントロールの弱さにあります。

エリアコントロールを得た側は多くのポジションを得る事に繋がりますし、間接的には情報アドとして相手の位置を絞り込む事が可能となるので、手っ取り早い解決策として手榴弾やFB等を使う事も出来ます。

所謂、前線意識と呼ばれる概念は、正確にはこれらの不利を背負わない為の意識であると言えます。

ちなみにガン待ち戦術自体は無価値という訳ではありません。

様々なシチュエーションが想定はされますが、そもそも基本的には人数有利で戦う為の戦術ではなく、先見え理論やSGなどを利用して戦う為の戦術です。

例として爆破ではありますが、VALORANTの大会では角待ちバッキーなどと呼ばれており、使い方次第では非常に有効な戦法である事が証明されています。

③ゲームルールの正しさ≠大会の有無

これに関しては正直バカらしすぎて書くか悩んだのですが、欠陥ルールだから大会が行われないのだと主張する以上、主張する側が証明しなきゃいけないんですよね。

こういった詭弁の類は、詭弁である事を指摘するだけで終わりではあるのですが、一応自分なりの見解を書いておくと、そもそも現状はTDMの大会が行われていないというよりは、爆破以外のルールが極めて小規模という方が正しいかと思います。

大会の規模にもよりますが、一般的に想像されるスポンサー付きの公式大会等は興行的な要素が大きいので、多くの層に分かりやすい必要があります。

TDMの各種駆け引きやトレードの展開が非常に早いので理解しづらく、ある程度ゲームスピード落ち着き、また分かりやすく盛り上がるポイントが生まれる爆破モードの方が好まれるのだと思います。

1on1などはそれらの問題を解決しているので、それなりに行われていますね。

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