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古代中国から学ぶ

中国史は非常に歴史が深く、文明の発展の速さには目を見張るものがあります。

マンガ「キングダム」の後の中国では、始皇帝が中華を統一し厳格な法によって統治された秦国が生まれます。
しかし、それも長くは続かず再び時代が混乱し始める中で2人の英雄が台頭します。
中国史上でも有名な項羽劉邦です。

将軍の家柄に生まれたエリートの項羽と、地方の小役人出身の劉邦。
2人は多くの武功を挙げましたが、その手法は全く異なっていました。

項羽は自分を「強者」と考えて振舞います。
頭が良く、体格にも恵まれた項羽は戦争にめっぽう強かったと言います。
自分の道を塞ぐ相手をことごとく蹴散らして進む項羽は、ある時から優秀な部下のいう事も聞くことがなくなり、全てを自分の意思1つで決定するようになっていきます。

一方で、劉邦は自分を「弱者」と考えて振舞います。
戦争においても極力強敵との戦いは避け、必要があれば戦争の途中であっても何度でも撤退したと言います。
しかし、劉邦は知恵のある部下のいう事には素直に従い、武功を挙げた際にも褒美を気前よく部下に振り分けることで人望と優秀な仲間を獲得していきました。

最初は項羽が他国も含め支配を広げていきますが、時間の経過と共に劉邦が項羽を圧倒していき、最後には「垓下の戦い」にて項羽を打ち取ります。

と、ここまでは一般的な歴史の解釈です。

上記の通り、項羽と劉邦の史実は一般的に、項羽=暴君劉邦=人望に厚い善人と認識されています。
ただ、実際は項羽は祖父の仇を取るべく戦いに身を投じた熱血漢で、劉邦は元盗賊で悪事ばかり繰り返していた様な奴なんですよね。
劉邦は素直さを持ち合わせてどこか放っておけない不思議な魅力があったという様な記述は確かにあるのですが、僕は実は劉邦はそんな姿を味方の前で演じていただけなのでは?と勝手に思っています。

一般的には、唯我独尊のエリートである項羽を、能力ではなく人望や人柄で勝利を手にした劉邦、という様な構図で描かれることが多いです。
しかし、実は責任感に溢れた優等生である項羽が元盗賊の劉邦に詐欺まがいの戦略で貶められた話として捉えれば、この史実に対してまた違う感想が出てくるのではないでしょうか?

真実は分かりませんが、いつの時代も勝者が美化されるものです。
こんな風に実際はもっとドロドロした人間ドラマがあったのでは?などと想像しながら読むと歴史はもっと面白くなります。
是非、想像力を使って楽しんでみて下さい。

ではまた!

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