ショパンの曲

小さな頃、ショパンの曲を聴くと怖くなることが多かった。

特に練習曲ホ長調Op.10-3とノクターン第2番変ホ長調Op.9-2を聴いて何でこんなに淋しい曲が至る所で流れてくるのか、と怒っていたし、あまり聴かないようにしていたが、有名なので結局テレビ等で不意に流れてくるのを聞いていた。


いまは何故怖かったのか分かったので怖くない。


私はそれほどピアノに詳しくないけれど、ショパンの曲を聴くと強めの葛藤を感じる。

これは、占星術的に言ったら月のアスペクトかもしれない。

だいたいどの演奏家のものを聴いてみても、きっとショパンは要求が多いのだろう、と想像したりする。

音の粒は細かいし、神経質で繊細な印象がある。

これが小さい頃の私には夢見たいけど夢見れない絶望、みたいに聴こえていた。


寝れなくなりそうなのでショパンを聴くなら朝にしている。


眠りたいのに寝れない日は、空気中の粒が張り詰めている。

そういう日は、止めたエアコンが圧力で少し動くだけで瞼の裏側で細かい火花が散る。

たぶん空気中の粒子のようなものの動きが見えるのだと思う。


たまに、お昼寝程度に眠るか眠らないかギリギリのラインで音楽を聴いたりすると、すっぽりイメージの中に入ってしまうことがある。

でも最近、それが出来る曲と出来ない曲があることに気づいた。

想念みたいなものなのか。

これは結構楽しいので余裕のある日にうとうとするのにハマっている。


数年前の一時期、よく分からないが夜に突然怖くて眠れなくなる時があり、ブルックナーを聴いていた。

ブルックナーは結構大胆だと思う。

大胆だとよく眠れる。

何回か銀河のような夢をみた。

何故かブルックナーの曲だと「気付いたらイメージの中に入っていた」が起こらないので不思議だ。

交響曲第4番は何故ロマンティックというタイトルが付いたのかいつも気になる。

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