洗頭

この間銭湯に行った。この間というか私はかなり銭湯に行くようになった。理由は、知らない人と一緒の屋根の下で住んでいて、浴室も同じなのでああだこうだと文句を言われるのに飽きたからだ。それでもわたしは人と一緒に居るのが好きなので、基本的に人間がいるところに居る。なんだかさみしいので家だとしても相手がよければテクテクとついていき一緒にお風呂に入る。一人で入る時もタブレットを持ち込んで常に音が鳴っていた。
ここ数年は一人の時間がほとんどなかった。いざ一人になれば友達と電話をしてケラケラしていたかった。
今思うと本物の現実逃避かこれはと思えるようになってきた。

この間銭湯に行った。この前というか、私はかなり銭湯に行くようになった。ロッカーを開けたら脱衣所におばぁさんがきて「気配りがたりないのねえ、ここは」と話しかけてくだすった。2段目と3段目の部分にカギを持って帰っていた人がたくさんいたから使えないのよ、ここはお湯も熱いし、と。わたしは「ほんじゃ詰めましょうか!」と左に寄って2段目をつかうように促した。いいよいいよいいながら普通にロッカーに荷物を入れるのは年寄り恒例行事か?と思った
持ってきた1回分のシャンプーとトリートメントを分けて浴場に行った。

16時だとか早い時間だったので本当におばあさんだらけだ
ひとりで風呂に入ると、シャンプーの時は目は瞑るし割と無音だしでいろんなことを思った。
元恋人の事、仕事の事、職場の人の事、仲良くしてくれてる友達の事が頭にあった。「そういえば○○はー…」とかうっすい感じなんだけどいろんなことが頭を巡った。クリアーになった。昔とんでも恋煩いをしているとき、こうやってお風呂にこもって、ぴかぴかにして、しっかり保湿をして毎日綺麗さっぱり悲しみを取り除いていたことを思い出した。全部水で流れるんだ。好きなことだけを脳は優先するんだね。
きもちかった?と聞かれたら「ううん、べつにふつう」と応えるだろう
気持ちいいわけじゃない、ただ何かが流されただけで、流されてしまったからもう何の感情もなくてよわたくし

頭を洗って、体を洗って、水風呂にはいって、ここが故郷だ私の居場所だよね!とぬくぬくしていたら先ほどのおばあちゃんに「ちゃんと体あっためなさいよ、熱いからってそんなしてたら風邪ひいちゃうよ!」と言われて6秒だけお湯に入りまた水風呂へ帰省
私は水がだいすき
銭湯に行ってもほぼ水風呂に浮かんでいる。前世を知りたい。
現に今もプールに行く予定もないのに水着を着ている(きしょすぎ?)

バイトまで15分しかなかったので、早々と上がって脱衣所でまた別のおばあさんと鉢合わせ。3pになった。天気やら地震の話をして最期離れるときに「また来週元気で会いましょうね。」と
あまりにもおばあさんすぎるだろ。おばあさんは100円くらいで入れるシステムあるけども来週まではもってくれよ。

会話はどうしても聞こえてしまうので途中、女同士の嫌味を含めた会話だな…とか思っていたけど最後はお互いの健康を願っていてほんとに人間って嘘くさいなとおもった。ちゅ、素直じゃなくごめん

体を拭いていたら、最初にロッカーで会ったおばあちゃんが化粧水?乳液?を貸してくれた。アロエ軟膏みたいだった。
それを顔に塗ったとたん、なんだろう…シャキッ!みたいな気持ちになったんだよな。覚せい剤ってこんなかんじなのかな、という感覚
すべてがクリアーにみえて。あるいて15ふんかかるはずのみちのり、2ふんでついた
ここまでが嘘のはなしです



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