"あんちゃん"

これはなんだかちょっといい話だよ、私が私で良かったと思えた話。

銭湯に行った帰りに煙草が吸いたくなったけどライターが見当たらなかった。
職場に戻ってバーナーでつけるかと思い歩いていたら、絶対にこの人ならライター持ってるだろみたいな感じの人が歩いてきて、一歩通り過ぎてから戻って「ライター持ってますか?」と声をかけた。
「んえ?ああ…つくかな…」とポケットの中をあさってジッポを出して、何回か着火を試みるが付かず。その場でオイルをめちゃくちゃ手にこぼしながら入れてくれた。
え!?ダルイからいいですよ!!と言ったけど「ちょうどいれようと思っていた時だから」と嫌がらずに私の喫煙の手伝いをしてくれた。見た目がイカつい奴って優しかったりする。

本人も、よくこんな暗い中で俺みたいな怖い見た目の奴に話しかけたね、と言ってた。でも先述した通り見た目が厳つい奴は大抵優しいということを私は知っている。知らない同士の二人なのに会話はスムーズだった。でも私は一方的に知っている人のように感じていた。

なーんか2年前くらいからライターなくすようになったんですよね、老化かね?と話し始めると、そんな歳じゃないでしょ、さぁてどうかな?、いくつなの?27です。俺の2個下か。29歳ですか、うんなったばかり、ふぅん妥当ですね、おめでとうございます。酔ってるの?いや?全然むしろ銭湯行って抜かしてきた、あぁあそこの?俺もよく行く。と少し会話をした。
私自身も変に気を遣わないベースで生きてきたけど、こんなしょっぱなから気を遣わされないのは珍しくてなんか少しドキドキした。心地よかった。

火をつけてくれて解散する時に、10mくらい歩いてから、あ…この人あれに似てるんだあいつだ!と思って「あ!もしかして〇〇の友達ー!?」(類友という方式を深く信頼している)って聞いたら「はぁ?誰それしらねー!!」って言われてなんか草wと思いながら個人名を出したことを少し反省してごめん!!違うわね!!と解散した。

まるで高校の校舎の中みたいに遭遇して、解散した。
嬉しかった
そして火をつけてくれた相手は、イケメンでそれもなんかお得みたいな気がした、いやでも見た目とは関係なくウマが合った感じがしてもっと知りたいって思った。楽だった。話しかけられてよかった。ま、相手はどう感じてるかはわからないんですけどね。


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