ろくでもないひと、ろくでもあるひと

化粧水を塗った後に唇を舐めたら唇から女の香りと味がした。この前大衆居酒屋で泥酔した時に横に座っていた女、その時のにおいがした。人工的香料。若い女からは女からは絶対にいいにおいがすると思い込んでいる。誰とも関係性を構築していけず、ある程度構築できたとしても積み木を崩すように、崩壊させてしまう。深く関わった相手を幸せにできず、続けていけない。次の依存先を探すべく男漁りの旅に出た。犠牲者がまた増えるのかもしれない。まわりは長年交際した相手と適切な関係性を構築し、結婚出産し次のステップへ。私はまた一から誰かと関係性を構築していかないといけなくて。誰といてもしっくりこなくて逆に虚しくなってしまう。仕事でも、2年近く休職していたのもあって、復帰してまだ1年近くしかたっていないけれど、同期たちはみんなそれぞれの役割を与えられていて。頼ってもらえない、仕事を任せてもらえないことが何よりも辛いことだと感じる。まあ休職してたくらいだから、不安定だし、まだそういうのは任せずに毎日休まず仕事に行くことくらい、気楽に考えていればいいと頭ではわかっているものの、焦ってしまう。幸い、お姉様方には可愛がられている方だと思うので、相談してみたところ、そのうち嫌でもやらされる時期が来るから急がなくていい、たかが1年、2年の遅れなんてどうってことないと、皆さん励ましてくれた。精神科ナースは本当に優しくて穏やかでパワフルなひとが多い。私も男にかまけてばかりいないで、もっと仕事を頑張ってみようかな。この狭い世界しか知らないけど、奥深くまで潜ってみるのもありなのかもしれないね。愛されているという実感がほしい、いつだってどこだって誰といたってそう。深刻な愛着障害のせいなのか、心のコップにはわりと大きめの穴が空いていて、どんなに愛を注がれたところで常に満たされることはないというのが、悲しい欠点のひとつである。


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