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魚雷2倍速とは

こんにちは、初めまして、初めましての人の方が多い気がしています。魚雷2倍速と申します。主に芸人さんのモノマネをやらせていただいており、5年ほど前から細々とTwitter、YouTube上にモノマネ動画、音声をせこせこ公開していくということをしておりました。

そのTwitter、YouTube上に公開していたモノマネがここ数週間で目まぐるしい勢いで多くの方に観ていただきまして、大変多くの方に僕のことを知っていただくことになりました。ありがとうございます。でもまだずっとビクビクしています。正直ここまでのことになるとは夢にも思いませんでした。
あまりにも急激にいろんな方に知っていただいたので僕がいったい誰なのか、何が目的のなんなのか、今までどこにいたのか、ずっと何をしてたのか、とにかく僕の情報を今一度しっかり発信しておく必要があると思いました。僕のことを少しでも興味持っていらっしゃる方には是非とも読んでもらいたいです。よろしくお願いします。

まず最初にハッキリと申しておきたいことは、「僕はプロの芸人ではない」ということです。

普通の会社で社会人をしながら休みの日にたまにアマチュアとして誰でも出れるお笑いライブにエントリーしてネタをやる、言わば「社会人芸人」というものに括られるかと思われます。

社会人芸人の説明は難しいのですが、基本的には「お笑いが好き」な人が「趣味として」お笑いライブに出て、「売れることを目的としていない」人たちだと思っています。中には社会人として仕事をやっているけどプロの芸人を名乗って売れることを目的に活動をしている人もいますが、僕は完全に前者の方です。2012年に大学の学祭で初めてネタをやり、年に一、二回、素人が出れるお笑いのライブや地元のお笑い大会に出るだけの期間を経て、2018年頃から大阪のインディーズライブによく出させて頂くようになりましたが、自分がプロの芸人だと思って活動していたことは一度もありません。プロの芸人さんも出演するライブがほとんどでしたが、ずっと、「ただのお笑い好きの一般人」がプロの芸人のライブに「出させて頂いている」という感覚でした。無論「売れたい」という気持ちもないまま、ただただ芸人でもない自分が芸人さんと同じようにお客さんの前に立って、ネタをやって、笑ってもらえる、というお笑い好きの自分にとってはあまりにも贅沢な趣味を嗜みながら、刺激的で、この上なく幸福な生活を送らせていただいておりました。ネタを作るのが楽しい。ライブには出るだけで楽しい。笑いがとれるのは脳吹っ飛ぶくらい嬉しい。とにかく日々の仕事のストレスを、毎週この「趣味」で発散していました。僕にとってお笑いは大好きな趣味であり、大切な心の拠り所だったので、そこに目的意識とかはなく、面白いネタを思いついたら出るライブ探して、そのライブの中で思ったように笑いがとれたらそれで満足、明日から仕事頑張ろう、となっていたわけです。

モノマネ動画の公開は2016年頃からTwitter上で始めました。当時からモノマネはやっていましたが、人前でやるのは、ガンダムのアムロレイ、サザエさんのアナゴさん、ニャンちゅう、ぶらり途中下車のナレーション、など一般的にモノマネとしてどっかで誰かがやってたようなレパートリーがメインでした。それがウケやすかったからです。そもそも僕はモノマネ芸というもの自体は実は特に好きでもなんでもなくて、ただやってみたら出来る、やったら笑ってもらえる、というので笑いをとる手段の一つとしてやっていました。笑いはとれるけど正直別にそんなに面白くないよなって思いながらやってました。やっぱり自分が本当に興味があるものじゃないと心の底から面白いとは思えないんだなと気付きました。そこで自分が本当に興味があるものが何なのかということを考えたときに頭に浮かんだものが「お笑い芸人」であり、「お笑い芸人のネタ」でした。
これが意外と盲点でした。
でも自分が一番好きなものはどう考えても「お笑い」だし「芸人」だし「ネタ」でした。毎日浴びるようにネタ番組ネタ動画を視聴しまくっていましたし、どれだけ自分で調べたり練習したりしていても苦じゃないものが「お笑い」だったので、自然とお笑い芸人のネタを観ながら、お笑い芸人さんのネタのマネをして、レパートリーとしてストックするようになりました。
でも当時から賞レースの予選のレポブログを読み漁って準決勝、決勝進出者の予想したり、M-1の三回戦の動画を全部観て勢いのある若手芸人を見つけたら1人で喜んでニヤニヤするタイプのスーパーお笑いオタクだったので、如何せん「この人のモノマネしたい」と思って練習してできるようになったモノマネはライブでは全然伝わらなくてウケないということが続きました。
でもせっかく出来るようになったんだし、せめてこのモノマネの元ネタが分かる人に聴いてもらって似てるかどうかだけでも判定してほしいと思って始めたのが、Twitter上で今300本以上に渡って公開し続けている「判定してほしいモノマネ」でした。記念すべき第1個目は大自然さんだったと思います。2016年の大自然さんは当時のお笑い好きにとって知る人ぞ知る丁度良い人たち。当然モノマネしている人は誰もいない。当時僕のフォロワーは300人くらいだったんですけど僕と同じくらいヘビーなお笑い好きのフォロワーさんが多かったので、10いいねくらいついて、うお!思ったより評判いい!と思いながらめちゃくちゃ喜んでいたことを覚えています。伝わる人にだけ伝わるモノマネが伝わったときは嬉しいし、単純にこれ、まだ誰にも見せられないようなネタを試せる貴重な場所だと思いました。そこからネタ番組を観て、賞レースを観て、この芸人さんのマネ出来るかもと思ったらその都度不定期で「判定してほしいモノマネ」としてまだ誰もやってない芸人さんのモノマネをTwitterにあげていくようになりました。

その後僕は2018年のR-1ぐらんぷりで三回戦に進出したり、何度かプロアマ混合のお笑いバトルライブで1位になったりすることがありました。自分はアマチュアとしてやっているので「これはとんでもない快挙だ!!」と自分で自分のことを「もしかしたら凄いやつなのかも」と思うようになりました。しかしその度、特にライブのオファーがくることもなく、フォロワーも別に増えないのを見て、なんかちょっと悔しいなとか思いつつも、売れる気もない素人が何を偉そうに悔しがってんだよと自分で自分に説教しながら、でも自分って凄いでしょってのは分かってほしくて、出れるライブには出るし、Twitter上の「判定してほしいモノマネ」もとくに誰に求められるわけでもないのにしつこく上げ続けました。これは本当にただの意地でした。特にバズることもなく特に注目されることもなく、それが五年くらい続きました。ここまで来たらもう慣れたもんで、若干の自己顕示欲を満たしつつも、自分の作ったもの、作品を一つでも多く残してコレクションしたいと思う気持ちが強くなっていきました。完全なる自己満足にシフトしようと。自分はこれだけのものをこんなに作ったんだぞ、と後から見直して1人でニヤニヤ出来ればいいという気持ちになっていきました。そうなってから、僕が2021年8月頃から始めたのが、今まで不定期で思いついたら月一、多くて週一、二くらいのペースでTwitterに上げていた「判定してほしいモノマネ」を毎日必ず「一つ以上あげる」というものでした。マジで誰にも頼まれていません。いいねもそんなについていません。五年やってて100本くらいモノマネを上げてましたが「20いいねついたらいい方」でした。でも毎日これを続けることができて自分1人でこれだけの量作ったという事実を作れたとしたら、自分で自分のことを手放しで「凄い」って胸を張って褒めれるなと思いました。何よりまだ誰もモノマネしていない芸人さんを見つけてその人を「一番最初にモノマネした人」になれることが誇らしくてしょうがなく、その気持ちがあったからか、自然と前のめりで、モノマネが出来そうな芸人さんを毎日探して練習するということを、ただただ自分が楽しくてやり続けるということになりました。やっていくうちに、「この芸人さんとこの芸人さんのネタって似てるな」とか「この芸人さんのこのフレーズ、この芸人さんのこのネタの中に出てきても噛み合うな」というものが見えてきて、ただモノマネするだけの動画だけでなく、2組の芸人さんのネタを「どっちもモノマネしながら組合わせる」というフォーマットができあがりました。そういうものを挟みながら8月から10月まで毎日1モノマネ、調子が良い日は2モノマネを必ず上げていました。毎日思いつくとは限らないので土日にネタ出しして5個録り貯めしてストックし、仕事のある平日にも途切れることなく毎日モノマネを一個以上、必ず上げ続けるようにしていました。毎週一本4分の漫才やコントの台本書くよりも、毎週7つ10秒モノマネを考える方が遥かに簡単なので意外とそこまで大変ではなかったです。それでも8月から90日連続ともなるとさすがにネタ切れが近づきました。でも10月さえ乗り切ればネタ出しに困ることはほぼなくなると思っていました。何故なら11月の頭にはM-1の三回戦の全ネタ動画配信が始まるからです。もともと三回戦、準々決勝の全ネタ視聴は毎年恒例の楽しみとして必ずやっていたので、2021年はその400を超えるネタを全部視聴した上でモノマネが出来そうなものを全部やりましたやり尽くしました。M-1の予選動画はお笑い好きはみんな観るから注目度も高いし、誰もが知らなかった新進気鋭の若手芸人さんのモノマネでも元の動画をハッキリと提示できるので全く伝わらないということがないという素晴らしいメリットがありました。芸人モノマネを毎日開拓している者にとってこんなに都合の良いものはありませんでした。(この時期を僕は大収穫期と呼んでいます)結果、視聴した400ネタから実際に50本以上もの動画を「判定してモノマネ」として公開することが出来ました。その中で初めてやった芸人さんのモノマネはそのままレパートリーとして吸収し、過去にやったことのある芸人さんでもその年その芸人さんのネタを表す旬のフレーズが一つは必ずあるのでそれを残らず吸収し、自分がその人のモノマネをする上で貴重な要素として保管していました。

そしてその年のM-1で、個人的には奇跡とも言える事件が起きました。
決勝に真空ジェシカさん、ランジャタイさん、ロングコートダディさんが決勝に行ったことです。これは僕にとっておそらくかなり重要な転機でめちゃくちゃデカい出来事でした。

この3組のモノマネは何年も前から既にやっていて自分の中でも特に自信があると思っていたレパートリーでした。でも一部のお笑いが本当に好きな人にしか伝わらない。分かる人にはめちゃくちゃ刺さるけど、どうしてもお客さんを選んでしまうので舞台でやるにはちょっと不安、ということでずっと自分の中に閉まっていたモノマネでした。そんな人たちがM-1の決勝進出、しかも3組同時。
言うまでもなくM-1決勝の影響力は大きいので、決勝行っただけでも知名度が跳ね上がるのはほぼ確定で、少なくともお笑い好きからの知名度は限りなく100%になります。だってM-1の決勝観ないお笑い好きなんていないんだから。
これの何がチャンスなのか、M-1の決勝直後、12月の末からR-1の予選が始まるからです。

旬の芸人さんのタイムリーなネタのモノマネがあの場所で跳ねることを僕は知っていました。賞レースの予選のお客さんはめちゃくちゃお笑い好きな人が多いです。以前2018年にR-1で三回戦に行ったときに一番ウケたモノマネはまだ大阪の劇場で大活躍していた大自然さんでした。
今回のR-1で僕は、まだ誰もやってなくて、且つM-1決勝直後というお笑い好きにほぼ100%伝わる状態で自信のあるモノマネを一番ほっかほかの時期に出来る、こんなチャンスは二度とないと思いました。一生行けるとは思えなかったR-1の準々決勝に初めて行けるかもしれないと本気で思いました。

決勝進出者が発表されてからR-1用のネタ、真空ジェシカ、ランジャタイ、ロングコートダディを軸に作っていこうと決めました。そしてさらに幸運だったことに、決勝には行けなかったものの、敗者復活戦にはマユリカさん、カベポスターさんもいました。この2組も前々からずっとお笑い好きの方からは好評で特に自信のあるモノマネでした。この2組のモノマネも決勝に行った3組には劣るもののお笑い好きな人には十分伝わってインパクトも残せるだろうと思いました。
そうなってくるとR-1の予選直前にはその旬の5組を盛り込んだネタ数本を、今までどの舞台でやってもほぼウケてきた盤石の鉄板ネタで補強し、今までに感じたことがないくらい隙のない完璧な2分ネタが出来上がりました。正直かなり自信がありました。

そして一回戦。毎年とんでもない激重の空気の中予選が進みます。それは変わらなかったのに、初めてR-1でハッキリと、「受かった」と分かるくらいの笑い声が聞こえてきました。やっぱり今までと違う手ごたえがありました。結果はあっさりと合格。今まで一回戦は3回連続で通っていたので勝負はここからでした。

去年からR-1は予選の数が減っていたので二回戦を突破したらいきなり準々決勝に行けました。ここには絶対通りたいし、今年なら絶対にイケると思いました。
二回戦は一回戦よりもお客さんは多いので一回戦よりは空気は暖かいし、笑い声は起こりやすいけど、ウケない人は当たり前のようにゼロ笑いで終わるかなりシビアな舞台でした。
それでも絶対に大丈夫、と思いながら自信満々で二回戦の舞台に出ました。




二回戦でネタをした直後の感想は 




ハッキリ言うと





100%受かった




でした。

僕は出番最後の方だったので予選の最初の方から60人くらい他の方の二回戦のネタを観てウケの量を聞いていました。

それを踏まえた上で 「100%受かった」でした。
正直手ごたえしかなかったです。
2分で10本くらい短いモノマネを撃ちまくるネタなので、一本くらい外しても全然取り返せる作りにはしていましたが、全ネタで全部笑い声が返ってきました。こんなことは初めてでした。完璧なパフォーマンスが出来た。この上ない幸福を感じながら準々決勝のネタ時間3分に何を入れようかを、結果が出るまで考えるという余裕すらありました。



結果は二回戦敗退でした。



結果を知った直後は不思議と悔しいとか、信じられないとか、悲しい、とかそういう感情には意外とならなかったです。





そうなんか

 って思いました。


自分は凄いんだぞ、凄いことしてるんだぞって思われたくてお笑いをしてたけど、何年やっても自分のこと凄いと思う人は結局自分しかいないという結論にしかならなくて、だからせめて自分で自分のこと凄いって誇れるようになれればいいと思って、求められてもいない毎日モノマネとかやり始めてそれで自分だけで満足してたはずなのに、ちょっとでも準々決勝に行けるかも、行ったらみんな凄いって言ってくれるかも、行きたい、て思ってしまったことで、なんかすごい恥ずかしい気持ちになりました。ただの一般人が何を夢を見てるんだろうと。そもそも売れるつもりがないのに何で凄いって思われたいの?芸人さんが人生かけて戦っている場所に勝手に入ってきて勝手に負けて何を悔しがることがあるの?結局自分のこと凄いって思ってくれるのは自分だけなんだから、あきらめてせめて、今やってて楽しくて、自分を唯一肯定出来そうな毎日モノマネをこれからも続けて行こうと思いました。それだけでいいと思いました。その時に、並々ならぬ異変に気付きました。並々ならぬ事態が起こっていました。

今まで「自分が作ったネタを、後から自分でこれだけ作ったということを確認してニヤニヤするためだけに作った保管庫」の役割でしかなかった魚雷2倍速のYouTubeチャンネルがとんでもない伸び方をしていました。屋根が破壊されていました。

そもそも誰かに観せるつもりで作っていなかったので登録者数も5年間で130。動画の平均再生数は2桁。それが1日で登録者数1500、平均再生数は10000を超えていました。そして現在2022年1月30日時点では登録者数13,000人を突破していまだなお伸び続けております。

何がどうなってそうなったのかは未だに分かりません。しかし伸びていること以上に驚いたのが全ての動画のほぼ全てのコメントが「絶賛」だったことです。自分でも追いきれないくらいほどの数のコメントが来てるのにビックリするほど誹謗中傷がない。そこにある動画たちは過去にTwitterで公開してそこそこ褒められたのもあるけど、誰にも見向きもされなかった動画もあるのに、気持ちが悪いくらいにベタ褒めで、全部自分が書いたんじゃないかと思いました。まだ全然現実味はありません。ずっと変な夢を見ていると思ってます。たしかに刺さる人には刺さるネタではあると思いながら自己満で作り続けてはいましたがまさか、その刺さる人がこんな数もいたとは、それがYouTubeに。

コメントを読んでて分かったことは僕の動画はどうやら「お笑い好きの夢を叶える」動画らしいです。絡むはずのない芸人さん同士のコラボ、ネタの組み合わせ、お笑い好きにとっては夢のようなことがモノマネだけど僕の動画の中で実現されていると。
それはお笑い好きの僕がただ面白いと思って作っていたものなので今までは「自分の夢を叶える」だけの動画でした。でも、それはつまり僕と同じくらいお笑いが好きな人がいたら自動的にその人の夢を叶える動画にもなり、そしてその僕と同じくらいのお笑い好きな人がこんなにたくさんいて、その人たちに見つかったらここまで一気に支持されることになるものだったとは想像もつきませんでした。

皆さんの温かいコメントを全部しっかり読ませていただきました。信じられないくらい涙が出ました。自分の人生でこんなことがあるんだって思いました。生きててよかったと思いました。本当にありがとうございます。
僕は今まで通りお笑い好きとしての自分の夢を叶えるために楽しくモノマネを作って上げ続けていきます。僕と同じくらいそれを楽しみにしてくれるお笑い好きの人がいるなら、これからもどうかお付き合い下さい。よろしくお願いします。

めちゃくちゃ長文になってしまいました。休みが半日つぶれました。ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。

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