I NEED 武田穂佳 むふふ

歌人の武田穂佳さん、好きです。
短歌研究10月号に掲載された連作「裏技」について書きます。
ただの感想だけどね。

白昼夢 ふだんは来ないスーパーの明かりに丸い肩を晒した/武田穂佳

いい意味で、ポエミーじゃないところが好きなんです。短歌ってリズムがあるからなーんか雰囲気出ちゃうことが多いと思うんだけど、ただっただ生身の情景を投げ渡されるこの感じ。

チョコレート食べてしまった後悔を七福神が明るく照らす/同

でも、急にファンタジー(笑)
七福神って絶対全員セットで頭に浮かんでくるし、キラキラキラ~って後光がさしてると思う。ユーモアだね。

タイヤを替えて終わる一日一個ずつ変えてわたしも丈夫になった/同

なんか珍しく?感じるような、前向きさ?読んでうれしい気持ちになった。

トイレ休憩一人になっておしっこの薄い黄色をいとしく思う/同

これは、これを思い出した。

こんなにもりんごゼリーは透きとおる いじめの順番回ってきた日/同

見すぎやで~(笑)って言ってしまいそうな歌。
自分と見つめてるもの。そこにフォーカスしちゃう状況。
いじめの順番が回ってきた日の昼、誰に見られてるかわからない。他に目を当てる場所がないから目の前のりんごゼリーを見つめるしかない。何かあった日の給食の時間の焦燥感を感じた。

もっとマメに、穂佳さんの作品をチェックしたい。
手紙のように、この文章を終えたいと思います

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?