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ヒット曲分析#04 HipHopのリズムをメロディに活かす

 AI作曲アプリAmadeus Codeを開発する時に過去60年分のヒット曲を学習データとして分析しました。その中で気づいた点をシリーズで公開していく「ヒット曲分析」。今回はメロディのリズムに注目して分析したいと思います。

7 rings / Ariana Grande

前回も取り上げた「7 rings」ですが、今回は曲の後半のブリッジのメロディに注目してみたいと思います。

Scotch Snap

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これはサンプル音源3小節目のメロディです。丸で囲んだところがScotch Snapと呼ばれるリズムです。32分音符でタタッと跳ねるようなリズムのこの譜割、最近よく使われているので聞いた事があると思います。Trapビートのハイハットもそうですが、ゆっくり目のbpmの中で、細かい音符を使ってノリを出す手法が現代っぽくて良いですね。

Triplet

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5小節目〜のメロディです。「Triplet」とは三連符のことです。最近のポップスでは三連符もよく使われますね。イーブンの16ビートの中でも三連符を使うのがポイントです。

Slip

上のフレーズでは始まる拍をずらす「Slip」も使われています。最初は1拍目の裏拍から、次は3拍目の頭から、最後はフレーズがちょっと短いですが4拍目の裏から、という感じに「裏、表、裏、」と始まるタイミングを変えてフレーズに変化をつけています。

HipHop & Rapの影響

こうしたリズムのトリックはHipHop & Rapでよく使われるテクニックです。Scotch Snap, Triplet, Slipなどを自然に歌いこなしてしまうのがアリアナ・グランデの凄いところです。近年のBillboardチャートを見てみてもメインストリームはHipHopですので、メロディにHipHopのリズムを取り入れることは自然なことかもしれません。自分の音楽スタイルがHipHopでは無いという人でも、"メロディのリズム"という点で、トレンドHipHopを聞いてみると新しい発見があるかもしれません。


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